チーコ(Forager店主)
自分と同じようにお花の仕事をしている友人に向けて書きました。花市場で週に3回ほど会う機会がある彼女は、相談事に的確なアドバイスをくれる頼もしい戦友です。私たちの仕事はホリデーシーズンが1年で最も忙しい時期なのですが、そんななか、市場でのたわいも無い会話や一緒にコーヒーを飲んで一息つく時間に癒されています。以前とある人からのプレゼントにカードが添えられていて、ワクワクして見たらいわゆる定型文で、正直、複雑な気持ちになったことがあります(苦笑)。メッセージを書くときは、相手に喜んでもらいたし、例え短くても、その人との具体的なエピソードや、大切に思っている理由を書くようにしています。
チーコ●季節のひかりと花の作用にフォーカスした花屋として東京・渋谷区西原にて〈Forager〉を運営。ささやかだけれど魅力の高い花々を中心に、ジェンダーフリーな花の景色を提案している。
仕事や子育てに奮闘している同士のような存在のあの人に、労いの気持ちを贈ろう。
ほっとひと息つけるような、癒しのアイテムとともに。
「がんばったご褒美」とは最大の建前である。と話していたのは飲みの席での仲間の言葉。たまには財布の紐をゆるめて残るものを手にするのも悪くないよねと言った私は、いつも周囲への気遣いを忘れないあの人へ何か特別なものを贈りたくなった。国内有数のニット産地である山形の老舗〈BATONER〉の丁寧に編み立てられたジップカーディガンは、彼の優しい人柄にぴったりだと思う。
髪を切る、服を買う、そして肌を整える。些細なことだけれど、このルーティーンが私を生まれ変わったような気分にしてくれる。という話を同期のメンズに語ったところ、「シャンプーもクリームもコンビニのやつッス」とそっけない返事。いやいや男性諸君。身だしなみはもちろん、自分磨きもワンランク上を選んでこそ。植物由来成分配合、英国誌でノミネートされたケアアイテムで、仕事の疲れをリフレッシュしてほしいと思い、贈る。
女子では珍しくギミックつきのガジェットに目がない彼女。ネット通販では飽き足らず、最近は外国から個人輸入をはじめたというから、探究心と愛は筋金入りなのだろう。なぜかこちらも対抗心が燃えてしまい、プレゼントを探しまわるうちに「ヒーティングシステム」つきのダウンジャケットを発見。しかもベストになったり、半袖になったりとギミック満載。「あの人、冷え性だしな」という記憶もプラスされ、嬉々とする姿を思い浮かべると不思議とにやけてしまう。
「エアコンは乾燥するから苦手で……」という後輩。押しつぶされそうなくらい毛布を重ねていると聞き、それならばと湯たんぽを。ドイツ製、サトウキビ由来のボトルなどプロダクトとしての魅力もあれど、グッときたのは羊をモチーフにしたかわいらしいカバー。思い立ったらすぐ行動。クリスマスを待たずに、明日渡してしまおう。寒さも乾燥も気にせずぬくぬく安眠してほしいから。
慌ただしい日々にこそ休息は必要。そしてリフレッシュこそ最大の活力源である。なんて言っているものの、帰ればシャワーを浴びてベッドに傾れ込む毎日。そんなときに救われたのが、このディフューザーの香り。柑橘の爽やかさと花のような甘さ、森の風のような奥行きのある心地よさを、今日も闘う友人へ。年末に待つ今年一番の大仕事に向けてささやかな休息を。