甲斐みのり(文筆家)
俳人でもある、私の父に向けたメッセージです。子どもの頃、私は寒い冬が大の苦手でした。珍しく雪が降った日、近所の友だちみんなが外で駆け回っているのに、私は部屋に閉じこもったまま。そこで、物心ついたときから食いしん坊な娘に父は「うまさうな 雪がふうはり ふわりかな」という、小林一茶の俳句を教えてくれました。小林一茶の俳句を聞いたら、雪がおいしそうなアイスクリームに見えてくるではありませんか。そうして私も外に出て雪に触れることができました。いつでもどんなときも、目の前にある状況を楽しもうとする気持ち。それは父から学んだ大切な姿勢です。父は必ず手紙に俳句を添えるので、今回は昔を思い出して父の真似をしてみました。
甲斐みのり●静岡生まれ。文筆家。旅、散歩、お菓子、手土産、地元パン®、クラシックホテルや建築などを主な題材に、書籍・雑誌・webに執筆。雑貨の企画やイベントもおこなう。著書は『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)、『乙女の東京案内』(左右社)など。
ふだんお世話になっている家族や近しい間柄の人に、日頃の感謝の気持ちを込めて。
来るべき冬に向けて、個性が光る気の利いた相棒を。
来るべき冬に向けて、個性が光る気の利いた相棒を。