NPO法人 下田ライフセービングクラブの活動理念に賛同し、1996年からその発展と振興をサポートしているSHIPS。今年は、「全日本ジュニア/ユース/マスターズ選手権」のサーフカテゴリーが、外浦海岸(静岡県下田市)でおこなわれるということもあり大会に協賛し、期間中にブースを出展しワークショップを開催。その模様をレポート!
快晴に見舞われた、2019年8月31日〜9月1日の両日。全国のライフセービングクラブやスイミングクラブ、高校や大学のライフセービング部の選手たちが集まった。 2019年は、ビーチ種目とサーフ種目の日程および場所を分けての開催という新しい試みがなされた。ちなみに、ビーチ種目は6月に神奈川県・横浜海の公園にて開催。そして今回取材したサーフ種目は、下田ライフセービングクラブの管轄でもある静岡県下田市の外浦海岸となった。
大会期間中、SHIPSでは「海のプラごみで作るカラフルアートづくり」という体験型のワークショップを開催した。そこでは、2019年「SHIPS セーフ&クリーン キャンペーン」で使われたイラストと、ビーチクリーンで拾われたプラスチックゴミ(洗浄済み)を用意。集まった子供たちには、自由な感性で、海で拾ったさまざまな色や形をしたプラごみをイラストに貼り付けてもらい、オリジナリティ豊かなアートを制作した。
競技を終えた子供たちや、家族の応援にやってきた子供たちでワークショップは大盛況。大人たちはつい何かしらのカタチを作ろうとしてしまうが、子供たちは独自の感性で貼り付けていく。真剣な表情でみんなが一生懸命に作品を作りあげる姿にスタッフも感動。終了後は、参加してくれた子供たちにSHIPSオリジナルグッズがプレゼントされた。
選手権は年々参加者が増えている
ーー今年はビーチ種目とサーフ種目を分けて開催しましたが、その理由を教えてください。
入谷 おかげさまで年々参加者が増えていることもあり、日程的にも運営的にも同日開催が厳しくなってきたということがあげられます。また、最近は都市型のビーチも増えてきていますので、そういう場所でビーチ種目をおこなうことでPRにつなげていくという狙いもあります。将来的にはお台場での開催もありえるかもしれません。
ーー2021年には関西エリアで『ワールドマスターゲームズ』が開催されますね。ライフセービング競技もおこなわれます。
入谷 当初、日本での開催予定はなかったのですが、福井県若狭の方々からお声がけいただきまして急遽決定した次第です。オリンピックのマスターズ版ともいえる大きなイベントですので、とても嬉しく思っています。
正しい知識が水の事故を未然に防ぐ
ーー改めて、ライフセービングの魅力や意義について教えてください。
入谷 協会が目標としていることは、水の事故をゼロにすることです。一般的なライフセービングのイメージは、溺れている人を救うといった、人命救助の側面だと思います。しかし、もっとも重要なのは「事故を未然に防ぐこと」です。そのために、海水浴に来られるすべてのお客様に水辺の安全について学んでもらうことが有効だと思っています。SHIPSさんは20年以上前から下田ライフセービングクラブの活動をサポートされており、様々なキャンペーンも開催されていますよね。その取り組みの一つである小学生を対象にした「SHIPSジュニアライフセービング体験」のような地道な活動こそが大切だと考えています。
ーージュニアの競技も参加者が多く、盛り上がっていましたね。
入谷 最近は何かしら事故が起こると、立ち入り禁止や、やってはいけないことになってしまう。でも、禁止するのではなく、水に触れる、入る、泳ぐ、漕ぐというような体験が大事だと思っています。一方で、海という場所は日常生活とはまったく別の世界なので、簡単に命を落としてしまう危険性もある。しかし、海辺での正しい知識をしっかりと身につけていれば未然に防げます。子供の頃から正しい知識として備わっていれば、友だちに教えることもできますし、その子供たちが親になったときに自分の子供にも自然と伝えていくことができる。ジュニアライフセービングプログラムがそういうキッカケになったらと思います。