Sneakers & Sandals

明日を想像する

泥棒がくるから夜は口笛を吹いてはいけない、という迷信同様に、夜は靴をおろしてはいけないという母親の言葉は、大人になった今も耳に残っている。泥棒がやってくるのも、何か不吉なことが起こるのも、運と確率の問題だ。でも、その運をどこかで信じていて、後ろめたい気持ちになるから、夜は口笛も吹かないし、靴をおろすこともしない。

ただ、靴を買った日の夜はうれしくて、新しい靴を履き、抽斗から似合いそうな洋服一式を引っ張り出して家の中を歩き回る。いつかの自分をイメージして、一人ファッションショーの時間だ。お洒落は足元からとはよくいったもので、靴を買った日でなくても、夜寝る前に翌日のコーディネートを考えるとき、靴から決めるという友人がいる。体を纏う衣服のなかでも、靴はとくに体の一部。天候、その日の行き先や目的に合わせて衣装を選ぶとき、その中心に靴があるという考え方はたしかに筋が通っているなと思う。

明日はクラフトマーケットへ行く予定。早速、買ったばかりのKARHUのスニーカーをおろそう。小花柄のワンピースでクラシカルにまとめるか、チノパンを合わせて軽快なスタイルにするか……。玄関の鏡の前を行ったり来たりしている。

  • Sneakers [Navy] ¥15,800 (+tax) / KARHUBUY
  • Sneakers [White] ¥15,800 (+tax) / KARHUBUY
  • Sandals ¥3,400 (+tax) / SUBUBUY