SHIPS MAG 読者の皆さん、こんにちは。
『スペクテイター』編集部の青野です。
20周年を迎えた本誌の歩みを振り返る連載。
4回目の今回は21号から34号目までのエピソードを対話形式でお伝えします。
連載4回目、今回は21号以降のエピソードを紹介します!
21号目の「From Oregon with DIY」号は2009年12月発売。この年の夏から秋にかけて、北米オレゴン州ポートランドにカメラマンの三田正明くんと2週間ほど滞在しながら取材をしてつくった号だね。
過去に本誌にも何度か原稿を書いてくれたことがあるマイケルというアメリカ人がいるんだけど、彼からポートランドがいかにユニークかという話を聞くうちに興味が湧いて取材に出かけることにしたんだよね。
マイケルはポートランドが地元だったっけ?
そう。実家があって、ポートランドの大学にも通っていた。
スティーブ・ジョブズも通ったという噂のリード大学だね。
いわく、ポートランドには変わり者が多い、と。
そういえば、「Keep Portland Weird」(「変わり者でいこう!」という意味)というステッカーを貼った車をよく見かけたな。
そんな変わり者が暮らす街には元ヒッピー的やリベラルな考え方の人たちが多く暮らしている。その影響か、ポートランドには自立自存の精神が根付いているらしい。自由と平等と自然を愛する彼らは、コミュニティづくりも仕事も人任せじゃなく、なんでも自分たちで手作りする気運があると。
なんでも自分でやってみよう=D.I.Y.(ドゥ・イット・ユアセルフ) 精神が根付いているというわけだね。
そのせいなのか、街では大きなモールとかも見かけなかったし、大手ブランドの直営店とかも少なかった。その代わりに手作り感のある個人経営の店が多かった気がする。街路樹や公園の緑も豊富だし、自転車専用道路が網羅され、ZINEカルチャーも盛り上がっていたりして、確かに暮らしの主役は企業や政府じゃなくて個人というか、市民ファーストな雰囲気だったんだよね。中古レコードとか古書とか古いものを売る店も多くて、街を歩いているとヒッピーの時代にタイムスリップしたみたいな気分にもなった。街の個性というのは、どうやってつくられているか。ポートランドをモデルに探ってみたいという気持ちがあったんだけど、ちょっとわかった気がした。
22号「WORKING!」は、仕事をテーマにした内容だったね。
「再考・就職しないで生きるには?」の副題が示す通り、水パイプ喫茶とか、改造リサイクル自転車店とか、それまでの常識に捕われない発想で独自の仕事を立ち上げた個人の体験談を集めた特集だ。
2年前のリーマンショックなどの影響から景気が後退したせいで大学卒業者の就職率も60%にまで落ち込んで、就職難民とか派遣切りとかいう言葉をよく耳にするようになった。
会社に就職できないなら自分で仕事をつくるしかない! ということで、逆境を乗り切って逞しく仕事をしている人たちの体験談を集めて記事にしたら、これが予想外の反響。
どうやって稼ぐか?ということだけじゃなく、いかに生きるか?についても考えさせられながら編集したんだったっけね。
仕事と生きるは同義だなと。
23号は「台湾」特集。
よく知られる台北には触れずに、そこから南へ下った台南とか台東といわれる南東エリアを主に取材することにした。隣国でありながら実はあまりよく知らなかった台湾の歴史や人々の暮らしに触れてみようということで、自転車に乗って旅をしたりしながら現地の人と交流したんだよね。途中で温泉を見つけて立ち寄ってみたりして。
知らない国を自転車で旅するって楽しいんだよね。車や電車だったら通り過ぎてしまう小さなことが目に入ったりするし。
この号が刷り上がった2011年3月11日、いつものように自家用車で都内の販売店へ新刊を配本をしていた最中に東日本大震災が起きた。
震災、津波、原発事故、東北を中心に日本は過去に例を見ないほどの大規模災害に見舞われた。
僕らも気が動転してしばらくは途方に暮れていたけど、いろいろ思うところがあって7月に長野市へ編集部を移すことにしたんだ。
その年の秋に出したのが24号「これからの日本について語ろう」特集だったね。
山梨で農業をしながら反原発を唱えていた俳優の菅原文太さん、あたらしいライフルタイルを提唱していた高城剛さん、農業の歴史を研究されている大学教授、難病患者でありながら作家活動を続けている方などに「これからの生き方」について訊ねた。
みなさんとの対話を通じて、日本の社会の問題点と次の時代へと向かうためのビジョンが少しづつ見えてきた。
自家発電的、自立的なアイデアが大きなテーマといえるかも。都市のシステムに頼りすぎない。貿易に頼りすぎない。政治に頼りすぎない。薬や病院に頼りすぎない。
25号も「これから」という言葉をタイトルに付けた特集だったね。
「これからのコミュニティ」について具体的に考えるというものだった。「GROW OUR OWN」(自分たちの暮らしは自分たちで育もう)という副題を冠して、熊本に移住して新しい暮らしを築き始めた人たち、都市型パーマカルチャーを提唱する共生活動家のソーヤー海くん、電気を使わない暮らしのための道具を生み出す発明家の先生などに、これからの暮らしのあり方について話を聞いた。
26号は「OUTSIDE JOURNAL」。アウトドア・カルチャーにまつわる記事を集めた特集だね。
50年代末のアメリカで消費社会に背を向けてリュックサックを背負って山を歩き始めた「ダルマふうてん」について書かれたジャック・ケルアックの言葉から始まって、深い自然のなかで楽しむアウトドア・スポーツとその周辺のカルチャーを取り上げたんだよね。これまでアウトドアというと週末のレジャーという感じだったけど、より日常化してきてアウトドアを中心としたカルチャーやコミュニティが成熟してきた気がした。会社に勤めながらオリジナルのアウトドア道具を自作して販売するMAKERと呼ばれる人たちが出てきたり。
「OUTSIDE JOURNAL2」と題した28号は、その続編ということになるかな。
アウトドアからもう一歩進んだところで野生的な生活を実践している人たち、たとえば猟師とか、豚を飼育している作家さん、自然農に取り組むライターさんと、山間部に居住する人たちなどに、自然に対する考え方などを聞いたんだよね。
27号の「小商い」も大きな反響があった、仕事に関する特集号だ。「小商い」を強引に英語にするとスモールビジネスとかマイクロビジネスということになるかな。
ざっくり言えば個人が少資本でスタートできるような小さなビジネスのことだけど、取材をしていくうちに小商いというのは単に小規模ビジネスのことだけではなく、人や地域とのつながりとか、自分のなかでの新たな気付きとか、愉しみの要素とか、それをやることで得られるお金以上の価値があるものだということがわかってきた。
29号と30号は、60年代後半にアメリカで出版され大ベストセラーとなった伝説のカタログ「ホール・アース・カタログ」特集だ。これも大評判の号になったね。
そのカタログの中身を乱暴に説明すると、ヒッピー的な自給自足生活を送るために役立ちそうな道具とか知識を得るための本とかを網羅した、自立生活の手引き書みたいな本という感じか。
スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学でおこなった講演のなかで「人生で最も影響を受けた本」と紹介したことで世界的にこのカタログに対する再評価の気運が高まったんだよね。
ジョブズが言及したおかげでカタログに記されていた「STAY FOOLISH, STAY HUNGRY」という言葉にも注目が集まった。コメントを集めて記事化するようなコンテンツはフェイスブックの原型とも言えるという評価もされたりして。
主にIT関係の人たちが高い関心を示していたね。
後編の30号では、当時の編集スタッフに会いに行くためにサンフランシスコへ飛んだんだけど、肝心の創刊編集長スチュワート・ブランドからの返事がもらえずハラハラしていたんだけど、直前に「明日だったら空いてるよ」というメールが届いて、なんとかインタビュー取材することができた。
31号は「ZEN」特集。いわゆる禅の特集なんだけど、禅の世界って謎に包まれている印象があったんだけど、アメリカから逆輸入された禅(ZEN)を通してその本質を理解するというような内容だったね。
前号でジョブズのことを調べていたら、彼も若い頃に禅に魅せられたという話を知って、つまりジョブズからのZENということになったんだけど。
ジョブズ以外にも禅に魅せられた外国人は多いようだね。
ジョン・ケージとかゲーリー・スナイダーとかジェリー・ロペスとか、意外な有名人も禅に影響を受けたことがわかって興味深かった。この特集のあとに他の雑誌でも禅特集が組まれてちょっとしたブームみたいになっていたね。
32号は「ボディトリップ」特集。
トリップといってもドラッグを摂るとかではなく、さまざまなボディワーク体験を通じて普段とは異なる精神状態になるという意味でボディトリップと付けたんだ。気鋭のライターたちが内蔵マッサージとか湯治とか太極拳とか異なるボディワークを体験取材して、そのときの状態をトラベルライティング風に活字化するという。
それぞれ起承転結があったりして面白く読み応えのある特集になったね。次の33号「クリエイティブ文章術」も、いつにも増して文字量の多い読み応えのある号になった。
活字を通じて表現活動をおこなっている人に向けた特集だね。SNSやブログなどのインターネットメディアが一般化するにつれて、文章で自己表現をする人が増えてきたから、クリエイティブな文章とは何かということを考えてみたくなったんだ。
この特集が出てからわずか4年のあいだに活字から動画の時代になっちゃった感もあるけど。さて、今回の最後、34号は「ポートランドの小商い」。
冒頭でポートランドには個人経営の店が多いと言ったけど、それぞれの店がどのようにして商売を営んでいるか。一軒一軒突っ込んだ取材をしてみたいと思っていたんだ。そこで、2015年の夏に現地に3週間ほど滞在して、10組近くの小商い系の店主たちに取材をおこなった。ビールのブリュワリーとか、レンタルDIYスペースとか、ドーナツショップとか、中古レコード店とか、いかにもポートランドらしい商売を営む人たち。みんなプライドと熱意をもって商売に取り組んでいて感心した。
というわけで、ポートランドに始まりポートランドで終わった「スペクテイターの20年の足取りを振り返る連載」。この続きはまた今度。最新号は11月29日発売ですので、そちらの方もどうぞよろしく!
特集:From Oregon with DIY
2009年12月18日発行/B5版変型(H242*W182)192ページ/定価952円(税別)
ポートランドに根づくDIY精神と街の文化を他誌に先駆け伝えて話題になった海外取材特集号。「FROM OREGON WITH DIY」写真/三田正明、文/青野利光、「Book Scouting Tour in The Pacific Northwest 2009」文・取材/山路和広、「山伏と僕」文・イラスト/坂本大三郎、「証言構成『COM』の時代」文/赤田祐一、「Apocalypse ’60S 金坂健二」文/北沢夏音、「In Search of Spirit」文/関口易正、「AFTER NIMBIN WHAT?」文/植村ワタル、「How Green is My Island」文/ラニ・サネク、写真/岩根愛、他。
特集:WORKING!! 再考・就職しないで生きるには?
2010年7月21日発行/B5版変型(H242*W182)/208ページ/定価952円(税別)
買い手市場と言われる就職難の時代、自分らしい職に就くには? 仕事について初めてマジメに考えた。「再考・就職しないで生きるには」取材・文/スペクテイター編集部、「再訪・就職しないで生きるには」文・写真/加藤賢一、「21世紀革命」文・イラスト/坂口恭平、「MONDO★CUBA “手作り国家の底ヂカラ”」写真・文/高橋慎一、「EMERALD DREAMIN’」文・写真/LOVES・DOVE、「証言構成『COM』の時代」構成/スペクテイター編集部、「In Search of Spirit」文/関口易正、「Traveler’s Cookbook」文/尹美恵、「Apocalypse ’60S 金坂健二」文/北沢夏音、他。
特集:WILD WILD EAST TAIWAN 台湾縦断 自転車紀行
2011年3月11日発行/B5版変型(H242*W182)/208ページ/定価952円(税別)
知っているようで知らなかった隣国・台湾の文化や歴史を自転車で旅をしながら感じてみたよ。第2特集「再考・就職しないで生きるには」。「台湾縦断 自転車紀行」取材・文・写真/長谷川東星、青木由香、片岡典幸、青野利光、「FOOD LITERACY」取材・挿画/デイビッド・デュバル=スミス、第2特集「再考・就職しないで生きるには」取材・構成/尹美恵、三田正明、青野利光、「証言構成『COM』の時代」構成/スペクテイター漫画部、「In Search of Spirit」文/関口易正、「2WHEEL AGE GO FOR THE WORLD CMWC 2010 GUATEMALA」文/伏見麻佳、他。
特集:これからの日本について語ろう
2011年11月21日発行/B5版変型(H242*W182)/192ページ/定価952円(税別)
大震災、津波、原発事故。多難と混迷の時代を乗り越えるには、いかなる心構えでいるべきか。各界で活躍する人々に答えを求めた対話集。 「菅原文太(俳優)/大野更紗(作家)/高城剛(作家)/藤原辰史(東京大学大学院講師)/正木高志(アンナプルナ農園・作家)/原田美佳子(医師)」取材・構成/北沢夏音、神田桂一、関口易正、TINTIN、尹美恵、青野利光、「疾走3000キロ! ヨーロッパ縦断自転車旅行&レース体験記」文/小川有紀、「ヴィパッサナー瞑想体験記」文・写真/NUMA、「山の知恵と海の記憶」絵・文/坂本大三郎、「アヤワスカの道」文・写真/高崎咲那子、他。
特集:GROW OUR OWN これからのコミュニティ
2012年6月5日発行/B5版変型(H242*W182)/192ページ/定価952円(税別)
あたらしい生き方を求めて新天地へ移住した人たちは、いかにして健やかな暮らしを立てているのだろう。熊本に根を降ろした人々に会いに行った。 「Growing Community 熊本 坂口恭平 野うさぎ市 吉田ケンゴ 平山商店 とぅから家。 サイハテ 山口次郎 OTO & ravi 」取材・構成/青野利光、「アーバンパーマカルチャー講座」取材・構成/赤田祐一、「非電化生活のススメ 藤村靖之 インタビュー」取材・文/赤田祐一、「塩キャラバン サハラ砂漠の遊牧システム」写真・文/デコート豊崎アリサ、「Different Every Day 花子とプレーリー」取材・文/内田理恵、他。
特集:OUTSIDE JOURNAL 2012
2012年11月22日発行/B5版変型(H242*W182)/176ページ/定価952円(税別)
アウトドアは単なるレジャーを超えて今やひとつの生き方になりつつある。自然のなかで育まれている新しい文化とビジョンを探った。 「1910-1981 対抗文化視点によるバックパッキング・ムーヴメント年表」、「MOUNTAIN LIFE REPORT いま、山で生活するということ」文・写真/NUMA、「Meet THE PUBLISHER 『CAR DANCHI』ニール・ハートマン&『murren』若菜晃子、「LET’ MYOG! 自作アウトドア・ウェア&ギアの世界」取材・撮影・イラスト/三田正明、「ノグソのススメー地球に「愛」のお返しを」取材・文/赤田祐一、「山を食べるー安田陽介・採集生活という生き方」取材・文/赤田祐一、「Back in the Days ヤスヒコさんに会いにいく」取材・文/青野利光、「Fear or Falling」 文/ティム・ケイヒル、他。
特集:小商い
2013年4月26日発行/B5版変型(H242*W182)/188ページ/定価952円(税別)
資本がなくたって、店なんかなくたって商売は可能だ。少資本で商いをスタートさせた人々との対話を通じて真っ当な個人店の原点を探った。 「小商いが教えてくれたこと ナミイタアレ 村屋 百万遍手づくり市 ニョキニョキモール フランク菜ッパ」取材・文/山口二大、「やってみた体験記 「ワンデーストア」ができるまで」取材・文/間宮賢、「小商い講座 平川克美「もう成長しない時代の生き方」小川さやか「タンザニア商人に学ぶ小商い」阿奈井文彦「名作探訪 アホウドリの仕事案内」、「実践者に聞いた 小商いのヒント」取材・文/神田桂一、「新しい「小商い」を始めたい人のためのブックガイド」選書・文/仲俣暁生、他。
特集:OUTSIDE JOURNAL 2013 野生のレッスン
2013年8月31日発行/B5版変型(H242*W182)/184ページ/定価952円(税別)
自然の恵みを活かすとはどういうことか? 野に生きるとはどういうことか? アウトドア・ライフの先にある野生の本質を探る。 「夢の自給自足生活 漫画/和泉晴紀、「『ぼくは漁師になった』著者・千松信也インタビュー」取材・構成/青野利光・赤田祐一、「手づくり志向のまち「藤野町」探検記」文/赤田祐一、「内澤旬子インタビュー」取材・文/神田桂一、「脱中心化という新しいクリエイティヴ マーク・フラウエンフェルダー」取材・文/野中モモ、「〈ハイカーズ・デポ〉土屋智哉インタビュー 文・写真/三田正明、「若者誌ジャーナリズムを駆け抜けた編集者・寺崎央氏の業績を検証する」文・構成/赤田祐一、他。
特集:SEEK & FIND Whole Earth Catalog
2013年12月20日発行/B5版変型(H242*W182)/192ページ/定価952円(税別)
スティーブ・ジョブズも心酔した幻のカタログは、日本ではどのようにして読まれてきたか? オルタナティブ文化の立役者による回想録。 「ホール・アース・カタログ概論 文/ばるぼら、「70年代、日本の若者雑誌になにが起こっていたのか?」文/橘川幸夫、「ヒッピーたちは、なぜパソコンに魅せられたのか? 文/仲俣暁生、「バックミンスター・フラーの影響力 柏木博(デザイン評論家)インタビュー」文/編集部、「ベジタリアニズムと『ホール・アース・カタログ』文/鶴田静、「『ホール・アース・カタログ』と「自分を育てる教育」文/末永蒼生、「『ホール・アース・カタログ』の成果、および全球時代の幕開け」文/津村喬、他。
特集:SEEK & FIND Whole Earth Catalog 2
2014年4月30日発行/B5版変型(H242*W182)/192ページ/定価952円(税別)
伝説のカタログ歴代編集者に会いにサンフランシスコへ突撃取材。直前までアポが取れなかった創刊編集長には会えたのか? 「WEC編集者インタビュー スチュアート・ブランド(創刊編集・発行人)、ロイド・カーン(編集者・シェルター出版主宰)、ゲヴィン・ケリー(『Whole Earth Review』,『WEC Signal』編集長)、ハワード・ラインゴールド(『Whole Earth Review』、『Millenium WEC』編集)」、「ホール・アース・カタログ 最後の夜」マンガ/大谷秋人、「ホール・アース・カタログを通読する」文/桜井通開、「ヒッピーたちはお金とどう向きあったのか?」文/細川廣次、「『ホール・アース・カタログ』ちもうひとつの出版史」文/浜田光、「アレクサンダー・テクニークと『ホール・アース・カタログ』の接点 文/片桐ユズル、「「ニュー・ゲーム」の誕生と『ホール・アース・カタログ』文/阿木幸夫、「エディット運動としての『ホール・アース・カタログ』 文/室謙二、他。
特集:ZEN
2014年8月31日発行/B5版変型(H242*W182)/196ページ/定価952円(税別)
不立文字ということばが象徴するように掴みどころのない「禅」もZENと書いてみれば不思議と腑に落ちる?西海岸経由で禅の会得を試みた。「What is ZEN?」 構成・文/編集部、「ZENのコトバ」イラスト/つげ忠男、「禅はいかにアメリカへ渡り広まったか?」漫画/UJT、「禅とサブカルチャー関連年譜」編集/赤田祐一、「ZENマスター紳士録」イラスト/東陽片岡、「瞑想のしかた」講師・三帰天海、「初心者のための坐禅体験記」取材・文/間宮賢、「ZENマインドはアメリカ文学にあり 重松宗育」取材・文/編集部、 「日本のヒッピーたちは、ZENとどう向きあったのか?」文/細川廣次、「マインドフルとは何か?」文/室謙二、「仏教的なコミューンをつくろうと思った 福村祖牛インタビュー 取材・文/編集部、「禅を知るためのブックレビュー 書評/桜井通開、他。
特集:ボディトリップ
2014年12月11日発行/B5版変型(H242*W182)/200ページ/定価952円(税別)
断食、体操、マッサージ…。カラダの調子を整えるための施術を体験取材。心とボディの変化をリアルに綴ったノンフィクション。「再検証:ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメント」構成/スペクテイター編集部、「ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメントとは何だったか?」文/片桐ユズル、「断食道場 〜断食で、こころとからだを大掃除」取材・文/間宮賢、「禅ランニング 〜走りつづけることは、無に近づくこと」取材・文/三田正明、「アレクサンダーテクニーク 〜からだを意識して、正しい姿勢をとりもどす」イラストルポ/森脇ひとみ、「湯治 〜地球のエネルギーに、からだをゆだねてみる」取材・文/高岡謙太郎、「太極拳 〜中国三百年の健康法にチャレンジ」取材・文/スケートシング、「チネイザン 〜タオイストが生んだ、内臓マッサージ」取材・文/ハーポ・B、「マンガ こうしてできた、野口体操」画と文/菅野修、「野口体操の魅力とは何か? 野口体操の会主宰・羽鳥操インタビュー」、「ぼくの野口体操入門記」文/阿奈井文彦、「野口体操は〈イメージの世界〉だと思った」阿奈井文彦インタビュー、「骨・気・食 ナマケモノでも出来る 3つの健康法」文/細川廣次、「僕の病気力平和利用 秋山道男インタビュー」聞き手/赤田祐一、他。
特集:クリエイティブ文章術
2015年5月12日発行/B5版変型(H242*W182)/208ページ/定価952円(税別)
SNS時代に欠かせない執筆技術。目の前で起きていることを、いかにリアルに再現するか。そのコツを過去の名文に探った執筆者のための教科書。「ニュージャーナリズム小論」構成/赤田祐一、「北山耕平ロングインタビュー」取材・構成/編集部、「オラル・ドキュメント 誰も本人の話をしてくれないから 美空ひばりに遭ってみた」文/中上千里夫・松岡正剛、「謎の東京ロビンソン博士」文/石飛仁、「森保なおやを追いかけてーー風呂敷包みの中には…」文/山辺健史、「牛丼を食わせている奴らをぶちのめすために」文/松本哉、「ラブホテルの三十人}文/阿奈井文彦、「別れた男の家事」文/上原隆、「証券会社で働いたらひどい目にあった」文/雨宮鬱子、「鏡明インタビュー」「岸川真インタビュー」「スペクテイター編集部推薦 ノンフィクションの本101冊」、他。
特集:ポートランドの小商い
2015年8月31日発行/B5版変型(H242*W182)/208ページ/定価952円(税別)
独立自尊の伝統が息づくポートランドは小商い天国。ビジネスや店を開業奮闘するアントレプレナーズの商売意識を徹底取材。取材・撮影・文:赤田祐一、青野利光、太田明日香、通訳・コーティネート:ジェフリー・マカティアアナログムーヴメントの静かな震源地〈ミシシッピ・レコード〉エリック・イサークソン、ノウ・ユア・シティ的ポートランド案内〈ノウ・ユア・シティ〉マーク・モスケイト、ビールづくりはフリーセッション〈アップライト・ブリューイング〉アレックス・ガヌム、活版印刷のあたらしさとこだわり〈スタンプタウン・プリンターズ〉エリック・バグドナス、時を超えた手づくりパイ復活〈ロレッタジーン・パイ・ベーカリー〉ケイト・マクミラン、20周年をむかえるインディペンデント出版社〈マイクロコズム・パブリシング〉ジョー・ビール、メイカースペースは21世紀町工場〈ADX〉ケリー・ロイ、手づくりドーナツとスモールビジネス精神〈ピップス・オリジナルドーナツ〉ジェイミー・スネル、植物エキスを活かして石けんを作る〈MAAK LAB〉アノリア・ギルバート & テイラー・アールマーク、オネスティなコーヒーを追求するロースター〈コーヴァ・コーヒー・ロースター〉マット・ヒギンズ、ストレートレザーに見る温故知新〈ポートランド・レザー・カンパニー〉スコット・ミヤコ、「講演録「ポートランドの市民活動が盛んな理由」ポートランド州立大学特命教授:スティーブン・ジョンソン、他。
発売/2019年11月29日
特集:日本のヒッピー・ムーヴメント
◆まんが版 日本のヒッピー・ムーヴメント
作画+原作/関根美有+赤田祐一(編集部)
第1章 Early Days
第2章 Bum Academy
第3章 The Tribes
第4章 Shinjuku 1967
第5章 Commune
第6章 Alternative Media
第7章 Then and Now
◆川内たみさんに聞く「たべものや」ができるまで
◆あぱっち氏に聞く 新聞・部族・ヒッピー
◆部族の聖地 スワノセ・レポート「詩人・長沢哲夫との対話」取材・文・撮影/マエバラトモヒコ
◆コミューンは僕らの学校だった 文/神崎夢現
◆キャプテン・トリップ・レコード代表 松谷 健氏に聞く 日本のヒッピー・ミュージック
◆消えた人気漫画家・井上英沖──元・担当編集者・鈴木清澄氏に聞く
◆Who's Who 日本のヒッピー 関連人名辞典
◆ヒッピー・ムーヴメント年表
◆ヒッピー用語の基礎知識
◇連載 はみだし偉人伝 その2「スーパーエディター、秋山道男氏を偲んで」文/美濃 修
1967年生まれ。エディトリアル・デパートメント代表。大学卒業後2年間の会社勤務を経て、学生時代から制作に関わっていたカルチャー・マガジン『Bar-f-Out!』の専属スタッフ。1999年、『スペクテイター』を創刊。2000年、新会社を設立、同誌の編集・発行人となる。2011年から活動の拠点を長野市へ移し、出版編集活動を継続中。