音SHIPS −注目アーティストの友だち巡り・Yogee New Waves(ヨギー ニュー ウェイブス) 角舘健悟編− 音SHIPS −注目アーティストの友だち巡り・Yogee New Waves(ヨギー ニュー ウェイブス) 角舘健悟編−

音SHIPS
−注目アーティストの友だち巡り・Yogee New Waves(ヨギー ニュー ウェイブス) 角舘健悟編−

毎号、ゲストの方にお友だちを紹介いただき、注目アーティストを数珠つなぎにしていく本企画。第21弾は、TENDRE(テンダー)さんの紹介で、Yogee New Wavesのボーカル&ギターである角舘健悟さんが登場! ポジティブでロマンチック、そしてメロディアスな楽曲が生まれる背景を、生い立ちと共に探っていきました。

注目アーティストの友だち巡り・Yogee New Waves(ヨギー ニュー ウェイブス) 角舘健悟編−

歌心のあるサウンドを面白いと思うタイプ

ーーTENDRE(テンダー)さんからのご紹介ということで、今日はよろしくお願いします。おふたりの出会いはいつ頃だったんですか?

角舘 彼がやっていた「ampel(アンペル)」というバンドのボンちゃん(竹村郁哉)を、うちのギターが抜けたときに誘ったんです。そのあたりでちょっと挨拶をしたのが最初だったと思います。その後、彼がテンダーを始めて、いいヴァイブスを感じたので一緒に遊びたくて、家でセッションしたのを覚えています。

ーーメンバーの引き抜きで、気まずい雰囲気が生まれることもなく?

角舘 その辺はプレイヤーマインドなので、あんまり気にしないすね。俺はそう思ってます。タロウ(テンダーこと河原太朗)がどう思っているか知らないけど(笑)

ーー彼のサウンドについての印象を教えてください。

角舘 海外の若い人たちのマインドを、音にうまく落とし込めている感じがします。感覚的にリンクしているんでしょうね。僕はそこを感じ取れないんですよ。FKJ(フランスのマルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサー)とかに心が揺り動かされるというより、もっと歌心のあるサウンドを面白いと思うタイプなので。

Summer of Love

3歳からパーカッションの教室に通っていた

ーーなるほど。大学は日大芸術学部なんですよね? 学科も音楽系だったのですか。

角舘 そうです。プログラミングとか、音を使ったサウンド・インスタレーションを作っていました。あとは現代美術みたいなものを。

ーーどういうきっかけで、音楽関係に進もうと思ったんですか?

角舘 中学2年からずっとバンドでドラムをやっていて。歌うようになったのはヨギーを始めてからなんですよ。というのも、3歳から高校2年までパーカッションをやっていたんです。合奏みたいなこともやったり。

ーー3歳からパーカッションはかなり珍しいですね。親御さんに思い入れがあったとか?

角舘 習い事をいろいろとさせる親で、どれもすぐにやめちゃいましたけど、パーカッションだけは楽しく続けられたんです。とはいえ、3歳の頃は先生の演奏に合わせて踊ったりとか、身体表現に近いものですけど。

ーー面白いスクールですね。

角舘 青山の『こどもの城』に、『リズム・ムービング&パーカッション』という不思議なプログラムがあったんです。「カラダと音は一緒だよ」みたいな感じで、踊ったり演奏したりする。元・武蔵野音大打楽器科の柳沼てるこ先生がやっていて、いま振り返ってみても面白い講座でしたね。

ーー『こどもの城』でやっていたプログラムなら間違いないですね。パーカッション視点での、音楽の楽しみ方を習ったんですね。それにしても、高校2年までとはずいぶん続きましたね。

角舘 ですね〜。途中から個人レッスンも受けるようになって、音大受験用にスネアドラムひとつだけで演奏する「マーチング」も練習していました。

ーーということは、本来はパーカッショニストなんですね。

角舘 そう言われると語弊がある(笑)。楽譜をちゃんと読めないし、お勉強的なタームになるとサボるクセがあって。音楽は楽しくやりたいんですよ。

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毎日TSUTAYAに行って、あらゆる音楽を聴いていた

ーーパーカッションと並行して、ずっとバンドもされていたわけですが、どんなジャンルだったんですか?

角舘 中学2年の頃は、ハイスタンダードとかのコピーバンド。そのあたりで、音楽好きな中・高校生が集まる、大岡山(横浜市)のライブハウス『ピークワン』に行くようになって。

ーーでも、Yogee New Wavesを聴いていると、本当にいろいろな音楽の要素が散りばめられていて。リスナーとしてかなり幅広いジャンルを聴かれてきたんだなと思うんです。

角舘 聴いてましたね。当時、iPodに何曲入っているかを友だちと競い合ってましたから(笑)。毎日TSUTAYAに行って、ジャンルごと網羅していきました。基本的に日本のバンドが多くて、洋楽はインストものやヒップホップが多かったかな。でも、パンクやメタルもたくさん聴きました。

ーーシティポップの系譜で語られることも多いですけど、それ以上に90年代渋谷系ともいうべきエッセンスを感じるんです。当時なら、インディーポップとかネオ・アコースティックと呼ばれていても不思議じゃない。

角舘 そうかもしれないですね。ネオ・アコは大好きです。

ーー90年代の日本の音楽は、角舘さんにはどう聴こえていたのでしょうか。古い時代の音楽を聴いているという感覚でした?

角舘 いや、全部新しかったです。逆に、僕が高校時代に新しいとされていたバンドには、ピンとこなかったんですよね。90年代のほうが寂しい気持ちとかも内包されていて、自分にはフィットしました。

Good Night Station

意識的にポジティブでいるようにしている

ーーサニーデイ・サービスやフィッシュマンズからも影響を受けたようですが。そうやってリスナーとしてもプレイヤーとしても音楽漬けとはいえ、この道で行こうと決心するのはまた別の話だと思うんです。

角舘 大学院1年生の頃、ヨギーが人に求められているのを感じたんです。その辺りで、絶対に辞められないと思った。こんなに愛してもらえるなら、フルタイムで音楽をやろうと学校を辞めたんです。

ーーつまり、ライブでのお客さんの反応が感動的だったと。

角舘 そうです。あとは、周りに仲間が増えたのも大きい。孤高のバンドみたいな立ち位置は僕には耐えられない。もうちょっとピースに、みんなで遊ぶもんだって認識がある。だから、同世代でいいバンドがたくさん出てきたのは、励みになりました。

ーーそういうポジティブなヴァイブスも音楽から伝わってきます。でも、いまの日本社会で「明るく前向き」でいるのはかなり大変じゃないですか。

角舘 ほんと大変ですよね。なので、ポジティブでいるためにかなり意識しています。もちろん、バイオリズム的にネガティブにもなるので、そこは逆らわないようにしていますけど。でも、こんな時代だからこそポジティブにいたい。

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5歳の頃に見た夕陽の美しさには敵わない

ーー最近の気分はどんな感じですか?

角舘 アルバム『BLUEHARLEM』は、ファンタジーというか人が求めるべき理想郷みたいな世界を創り上げたんです。いまは、そこから一度、「都会に戻ってみようかな」って。そうすると「気」が持っていかれるんですけどね。人の細かいところが気になって「嫌」になる。この流れだと、次作は、コンセプチュアルに「街」に着目する感じがします。

ーー音楽を作るやり方として、描いている風景を音にするなどいろいろあると思いますが、どんな感じで生まれていくんですか?

角舘 曲によってまちまちですけど・・・。子どもの頃に感じたことって不確かなんだけど、強烈。例えば、Instagramにある夕陽もキレイですけど、5歳の頃に見た夕陽の美しさには敵わない。神々しくて、何かが迫ってくるような・・・恐怖さえ感じるような自然の美しさ。そういうものに似た「匂い」や「温度感」が想起されたときに、曲が生まれるんです。その感覚をひとつずつ手繰り寄せていって、ここには、シンセが入っていて然るべきだとか。そのシンセには、リバーブが効いていてとか。どんどん音になっていく。そういった作業のなかで、「言葉(歌詞)」を作るのが好きなんですよ。

ーーいつかの風景やトキメキが根底にある。

角舘 そうですね。あとはファンタジーですよね。竜宮城に行ったら気持ちいいだろうなとか、深海に潜っていく気持ちとか。

ーー最高です。今年は9月、11月とアジアツアーも控えています。やっぱり、国ごとにノリは違いますか?

角舘 違いますね。中国の人たちは、新しい文化を作るんだという感じで、熱気に溢れていて喜び強めです。韓国はもっとクール。台湾は日本人のバンドだということを理解しながら楽しんでくれている感じがしました。どこの会場もすごく楽しいですよ。

ーーますますのご活躍を楽しみにしています。今日はありがとうございました。

PROFILE

注目アーティストの友だち巡り・Yogee New Waves(ヨギー ニュー ウェイブス) 角舘健悟編−
角舘健悟 | Kengo Kakudate

1991年生まれ、東京都出身。
2013年にYogee New Wavesを結成し、ギター・ヴォーカルを担当。
2014年4月にデビューシングル『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。その後『FUJI ROCK FESTIVAL』《Rookie A GoGo》に出演。9 月には1st.アルバム『PARAISO』をリリース。
2017年1月にBa. 矢澤が脱退し、Gt.竹村、Ba.上野が正式メンバーとして加入。再び4人編成となり、5月に2nd.アルバム『WAVES』をリリース。夏には全国各地の野外フェスに多数出演。11月には映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』の主題歌に「SAYONARAMATA」が起用される。
2018年3月にはメジャーデビューとなる3rd e.p.「SPRING CAVE e.p.」をリリースし、アジア3ヶ国(台湾、香港、タイ)を含めた全12箇所のリリースツアーを開催。その他、全国8都市でのワンマンツアーも開催。
2019 年3月、3rd.アルバム「BLUEHARLEM」をリリース。全国14公演に及ぶワンマンツアーを開催。9月からは初のマレーシア公演を含む4カ国8都市に及ぶアジアツアーの開催も決定している。

INFORMATION
4th e.p.「to the MOON e.p.」 2019.12.4 Release

【CD+DVD】VIZL-1657 \2,500(+tax)
<CD>
「to the moon」を含む計5曲を収録予定
<DVD>
詳細後報
【7inch】VIKL-30011 \1,700(+tax)
「to the moon」を含む2曲を収録予定

Yogee New Waves presents“Dreamin’ Night vol.6”

2019年12月4日(水)@STUDIO COAST
OPEN 18:30/START19:30
前売 4,000円 (税込/ドリンク代別)
問合せ︓SMASH 03-3444-6751
GUEST BAND:後日発表
■オフィシャル抽選先⾏受付 2019/9/10(⽕) 22:00〜2019/9/23(⽉祝) 23:59
受付URL http://w.pia.jp/t/yogee/
■オフィシャル抽選2次先⾏受付 2019/9/28(⼟) 12:00〜2019/10/14(⽉祝) 23:59
受付URL http://w.pia.jp/t/yogee/
■プレイガイド先⾏ 10/16(⽔)〜
■チケット一般発売 2019年10⽉26⽇(⼟) 10:00〜