音SHIPS   ?注目アーティストの友だち巡り・市川仁也(D.A.N.)編? 音SHIPS   ?注目アーティストの友だち巡り・市川仁也(D.A.N.)編?

音SHIPS
?注目アーティストの友だち巡り・市川仁也(D.A.N.)編?

毎号、ゲストの方にお友だちを紹介いただき、注目アーティストを数珠つなぎにしていく本企画。第14弾は、never young beachのDr鈴木健人さんの紹介で、今話題の3ピースバンドD.A.N.の市川仁也さんが登場! その魅力の源泉に迫りました。

市川仁也(D.A.N.)1

高1でバンドを組んで、ベースを弾き始めた

ーーネバヤンことnever young beachの鈴木健人さんからご紹介いただきまして、今日はよろしくお願いします。D.A.N.のメンバーは皆さん1993年生まれということで、ネバヤンのメンバーともみんな仲がいいみたいですね。

市川 ヴォーカルの(安部)勇磨とは高校生のときにライブハウスで知り合って。3歳くらい上なんですけど、当時から一緒に遊んでいました。スズケン(鈴木健人)は勇磨とよく遊んでいるので、僕もそこに混ざってという感じです。今は3人とも家が近いので、帰りに寄ってゲームをして帰ったりとか。

ーーどこらへんがフィットしているんですか?

市川 ネバヤンのメンバーは全員ゆるいというか、波長があったというか・・・。

ーー仲良くなるって波長が合うことが大事ですもんね。そもそも、市川さんが楽器を始めたきっかけは?

市川 高1でバンドを組んだときです。中学のときにやろうと思ってベースを買ったんですけど、そのままずっとやらずにいて。高校に上がったときに同級生からバンドに誘われて、ニューウェーブとかアバンギャルドな感じを。

ーーへぇ?。なぜベースだったんですか?

市川 特に好きなベーシストがいたわけでもないんです。本当は、簡単そうに見えたからで。

ーーベースを買った中学生当時は、どんな音楽を聴いていたんですか?

市川 同世代ならみんな聴いていたバンドですよ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONとかELLEGARDENとか、BUMP OF CHICKENとか・・・。

ーーそこからニューウェーブやアバンギャルドに行ったんですね。

市川 好きな音楽を掘っていくうちに辿り着いた感じです。最初はロックを掘っていて、高校に入ってからはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかNUMBER GIRLとか、ZAZEN BOYSとかを聴くようになって。それと並行して洋楽も掘って、70年代NYのトゲトゲしい感じとか、面白い音にハマっていったんです。

ーーD.A.N.のサウンドは、ハウスやテクノなどクラブミュージックの要素が強いと思うのですが、それはいつくらいから聴くようになったんですか?

市川 高校で洋楽を掘っているときに、エレクトロニカとかは好きで聴いていて。大学に入ってから、先輩とかの影響でアンビエントとか4つ打ちな音も聴くようになって。でも、ハウスやテクノはD.A.N.を組んだときくらいだから最近ですよ。

ーーそれは、メンバーの中に好きな人がいたからとか?

市川 というわけではなく。今でこそ、ボーカルの(櫻木)大悟がDJをやったり一番のめり込んでますけど。最初はみんなでオススメの音楽を共有する中で、徐々にそういう電子音楽の割合いが増えていった感じです。

Shadows

古着は、背景にあるストーリーが好き

ーー中学から高校で音楽が好きになって、同時にファッションやカルチャーとかにも目覚めましたか?

市川 ファッションは古着が好きで。それも高校生のときに、みんでよく遊んでいた三軒茶屋とか下北沢の古着屋に行くようになって。今も入っている店は変わらないんですけどね。ミュージシャンに影響されたとかではなく、古着屋の店員さんと話したりする中で、いろいろ好きなものができてきたというか。

ーー古着の魅力はどこにありますか?

市川 まず安いということと、あとは1点ものであることとか。かつての量産品なので意外に作りが雑だったり、その時代にしかないカタチだったり。そういうのが面白いですね。あと、ハンティングジャケットだったら弾薬を入れるポケットがあったり、用途によって考えられて作られているところとか。今日着ているのもすべて古着です。

ーーここからはD.A.N.について伺いたいんですけど、バンド名はどんな言葉を短縮しているんですか?

市川 何の意味もないんですよ。響きの良さと、ひと単語で覚えやすい名前にしようと思っていて。ダンって言いやすいしインパクトもあるし。また、そのままだと人の名前になるので、「 . 」を入れてデザインとしてもかっこいいものにしたんです。

ーーそうだったんですね。曲に関してはどうやって作っているんですか?

市川 ヴォーカルの大吾が、コードとかメロディーとか、全体のイメージとかを最初に持ってくることが多いですね。そこから3人でスタジオに入って思い思いに演奏して、全員がいいねって思うものが生まれれば、そこから構成や展開とか肉付けをしていく感じです。基本的にそれぞれ自分のパートは自分で考えています。

ーー最近の曲になればなるほど、ストーリー性が高まって1曲も長くなってますよね。また、意外に曲調もバラエティに富んでいるのに、いい具合いの感じでまとまっている。D.A.N.を聴いていて思うのは、気持ちいいと感じるツボが3人とも似ているのかなって。

市川 そうですね、感覚的な部分が似ているかも。同じジャンルの音楽が好きでも、こういう響き方の音が好きとか、質感が好きとかは人によって分かれると思うんです。でも、3人はそこが似ていますね。スタジオで合わせるときも、今のいいねって確信が持てるときは3人同じときなので。

市川仁也(D.A.N.)3

自分たちのアイデンティティができあがりつつある

ーー先ほども少し出ましたが、DJっぽい曲の作り方をしていると思うんですけど。楽器目線とDJ目線、その違いってどこにあると思いますか?

市川 クラブとかでDJプレイを聴いていると、持続していくトリップ感とか流れを作る感覚というのは、DJの人は本当に長けていて。なので、『TEMPEST』にも収録している『SSWB』とかは基本的にループなんです。ずっと同じサウンドがループしていると、その中でひとつ音を抜いたり、ゆらいだりするだけなのに、すごく大きい変化に聴こえる。そういう感覚を麻痺さえるような手法は取り入れました。

ーーなるほど。それと、ヴォーカルは日本語詞で歌っていますが、市川さん的には日本語の響きってどう思っていますか? 

市川 大吾は最初に英語っぽい語感で仮り歌を入れるんです。そこから最後に歌詞をつけていく。当初は英語でやっていたんですけど、結局はそっちのほうが違和感があって。これは大吾が言っていたことですけど、夢の中でも日本語を喋っているほど、表現として日本語が染み付いている。それならば崩す必要がないって。その分、音にハメるのは難しいと思うんですけど、その日本語ならではの感じがスパイスになっているのかなって。そこがクセになる部分もあって。

ーー確かに。どんな音楽をやりたいなど、イメージに変化は生まれていますか?

市川 こういうものを作ろうという、全体的なイメージはないですね。そのときにやりたいことや、閃いたもので一曲一曲作っていく。でも、次の作品に関してはまだぼんやりですけど、バリエーション豊かにしていきたいとは思っています。ちょっと前までは、クラブサウンドに重きを置いていたんですけど、もう少しフラットにいきたいなと。がっつりR&Bの曲とか。というのも、自分たちのアイデンティティみたいなのができあがりつつあるので、ここからは好き勝手やってもゆるがないのかなって。

ーーそのアイデンティを言葉で表現すると?

市川 D.A.N.は3人の誰でもない感じで、それぞれの趣向や感性が混ざってひとつの人格になっている。

ーーつまり、混ざり合う中で、これが僕らの音だという感覚がわかり始めたということですか?

市川 そうですね。

ーー最後に、市川さんにとってクリスマスソングといえば、どんな曲を思い浮かべますか?

市川 う?ん、やっぱり山下達郎さんの『クリスマス・イブ』ですね。僕らの親世代がすごく好きなので、クルマの中でかかっていたり小さい頃から好きでした。でも、僕にとってクリスマスは大晦日の前哨戦みたいな感じなんですよ。今年も終わるぞって気持ちのほうが強くて。でも、冬の乾燥している感じとか、独特の匂いとかは好きですね。冬は草木が枯れて生き物がいない季節だから、あまり匂いがないらしいんです。そういう匂いがない匂いが好きです。

ーー今日はありがとうございました。

Ghana

『市川仁也(D.A.N.)4

市川仁也 | Jinya Ichikawa

2014年8月に、桜木大悟(Gt','Vo','Syn)、市川仁也(Ba)、川上輝(Dr)の3人で活動開始。様々なアーティストの音楽に対する姿勢や洗練されたサウンドを吸収しようと邁進し、いつの時代でも聴ける、ジャパニーズ・ミニマル・メロウをクラブサウンドで追求したニュージェネレーション。2014年9月に自主制作の音源である、CDと手製のZINEを組み合わせた『D.A.N. ZINE』を発売し100枚限定で既完売。2015年7月にデビューe.p『EP』をリリースし、7月末にはFUJI ROCK FESTIVAL '15《Rookie A Go Go》に出演。 9月には配信限定で新曲『POOL』を発表。2016年4月に待望の1sアルバム『D.A.N.』をリリースし、CDショップ大賞2017の入賞作品に選ばれる。7月には2年連続でFUJI ROCK FESTIVAL'16の出演を果たす。また、FUJI ROCK FES'17のオフィシャルアフタームービーのBGMで「Zidane」が起用される。2017年4月に新作ミニアルバム『TEMPEST』をリリース。