今年で19年目を迎える米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2017』が、6/1(木)?6/25(日)に東京で開催! 期間中は、世界各国から集まった9000作品の中から、約250作品ものショートフィルムが上映される。その作品数の多さに圧倒されないために、初心者でも楽しめる方法を代表の別所哲也さんに伺いました。これを読めば、自分流の作品セレクトができるうようになる!
昨年のグランプリ作品が、米国アカデミー賞短編実写部門を受賞!
??昨年の、『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』のグランプリ作品『合唱』(Sing)がアカデミー賞の短編実写部門でグランプリを獲得されました。このことでさらに盛り上がりを見せているのではないですか?
別所 そうですね。テリー伊藤さんや黒木瞳さんなど審査員の方々からも「良かったね」と言っていただいて。審査に関しては審査員の方々に委ねているので、その結果が伴って受賞できたのはありがたいですね。
??アカデミー賞公認の映画祭というのは、世界各国にあるのですか?
別所 あります。全世界で80近くありますね。
??昨年の応募作品は約6000本あったそうですが、今年は9000作品以上と飛躍的に伸びたと伺いました。
別所 2004年にアカデミー賞公認映画祭となってからは、着実に応募が増えています。というのも、「東京でこんな映画祭があるよ」という口コミが監督たちの間で徐々に広まっているんです。今年で19年目を迎えますが、監督たちが『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』を世界の中でも主要な映画祭のひとつだと考えるようになってきた実感があります。また、時代的にもショートフィルムがトレンドというか、インターネットを中心に熱い視線を浴びているということもあると思います。
ショートフィルムには、映画の未来地図を見ているような刺激がある!
??それは、時代のスピード感や、スマホでも動画を楽しめるなど、環境の変化が影響しているのでしょうか?
別所 僕は常々「映画は長さではない」と言っているんですけど。一方で、娯楽に関しては今やさまざまな選択肢があって、堅い表現をすれば可処分時間が減っている。そんなときに、スナックサイズムービーとも言われる10?25分程度のショートフィルムを手軽に楽しむというスタイルが人気になっているんです。
??別所さんご自身も、そこがショートフィルムの魅力だと感じられていますか?
別所 それだけじゃないですね。僕のように俳優をやっている、つまり制作側の人間としては、映画の未来地図を見ているような刺激があるんです。今年のテーマは「テクノロジー」ですが、ドローンを使った映像や、ポスプロ(撮影後の作業)で使われる新しい機材、GoProのような新しいカメラなど、新しいテクノロジーやその使い方をいろいろと見られるのは楽しいですね。撮影技法や脚本技術、演技の技術も含め、映画・映像関係者にとっては新しい刺激があるんです。
最新ファッションやヘアメイクのあり方なども感じ取ることができる!
??一般の方はどう楽しむのがおすすめですか?
別所 映画館で上映されるのは、どうしてもハリウッドやフランス映画などが中心になってしまいがちですが、僕たちの映画祭は世界140ヶ国以上、9000本以上の作品が集まっています。ですから、普段なかなか見られない南米や中東の映画や、北欧やアジアの映画も観られます。なので、シネマティックトラベルのような楽しみ方もできると思うんです。エスニックフードを食べに行く感覚でもいい。
??旅行に行く感覚で映画を観るというのは楽しそうですね。
別所 それと、ショートフィルムはその時代を色濃く反映していることが多いんです。「今」が真空パックされている感じがある。国境を越えて分かり合えない人間の姿や、家族の問題といった社会的な面もちろん、その国ごとの最新ファッションやヘアメイクのあり方なども感じ取ることができる。歴史を描いたものであれば、どう時代を切り取ったのかとか。
??なるほど。自分が旅行してみたい国を選んで、さらにファッションの視点で観るというのも面白そうですね。とはいえ、ショートフィルムは監督も演者も無名だったりして、どこから観ればいいのかわからないという声も多いと思います。
別所 その場合、まずはオフィシャルコンペティションを観ていただきたいですね。何故かといえば、そこには明日のアカデミー賞や、未来のカンヌやベルリンに出てくるような映像作家や俳優が集まっているから。日本でも、俳優の斎藤工くんは若かりし頃にたくさんのショートフィルムに出ていましたし、海外でもユアン・マクレガーなどもショートフィルム時代がありました。その他、アカデミーやカンヌなど海外の映画祭で受賞、またはノミネートされた作品も上映されます。今もなお人々を魅了し続ける若かりし頃のカトリーヌ・ドヌーヴのショートフィルム作品も上映されます。本当にさまざまなプログラムやセミナーが用意されているので、一度ホームページを見てみてください。無料なので気軽に遊びに来て欲しいですね。
世界中の人たちと交流ができ、新しい出会いの場になっている!
??別所さんが個人的に注目している作品はありますか?
別所 今年から、渋谷区と一緒に『Shibuya Diversity プログラム』というものをスタートさせます。エンターテイメントに関わる以上は当たり前のことですが、「ダイバーシティ=多様性」をテーマにしたプログラムになっています。LGBTに関してや、障害者の方、年齢差に至るまで、多様なライフスタイルを応援しながら、渋谷発として発信していければと考えています。
??ショートフィルムや短編映画は、映画マニアの方のものというイメージがあったのですが、お話を聞いてイメージががらりと変わりました。もっと気軽に、新しい時代や、新しいもの好きな人は行ったほうがいいですね。
別所 ほんとそうなんです。新しい風を感じるという意味では、世界中の監督が実際に来ていますから直越話しかけて交流もできます。また、作品に刺激を受けたお客さん同士で交流が始まることもある。実際、来日していた映画監督と「コラボしよう」とつながって、東京でショートフィルムを撮ったり、自分の国に呼んだりとか、新しい出会いの場になっているんです。
??とても楽しみになってきました。
別所 SHIPSさんとも素敵なコラボができましたし。日本に来た監督さんたちが、このTシャツを着てボランティア活動をしたりもしますよ。
??その光景が見られるのもまた楽しみです。今日は映画祭前のお忙しい時期にありがとうございました!
別所哲也
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 代表
1965年静岡県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。90年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー。近年では、「レ・ミゼラブル」「ナイン ザ・ミ ュージカル」、「ユーリンタウン」などの舞台に主演。 第1回岩谷時子賞奨励賞授賞。99年より、日本発の国際短篇映画祭「ショートショート フィルムフェス ティバル」を主宰し、文化庁長官表彰を受賞。観光庁「VISIT JAPAN 大使」、内閣官房知的財産戦略 本部コンテンツ強化専門調査会委員、カタールフレンド基金親善大使、横浜市専門委員、映画倫理委員会委員に就任。
SSFF & ASIA 2017テーマ:
映画が誕生して120年余り?。エジソンの発明したキネトスコープ、リュミエール兄弟のシネマトグラフ、ジョルジュ・メリエスのトリック映画・・・。写真を動かそうとする試みから始まった「映画」は今日でも進化を続ける娯楽です。今年のSSFF & ASIAのテーマは「cinema TIC! cinema TEC」。映画が誕生してから今日にいたるまでの技術的な発展と映画が紡ぎ出すシネマチックな体験を表現しています。
世界で最初の有料公開映画とも言われるリュミエール兄弟の『ラ・シオタ駅への列車の到着』を観て、映像というものに初めて接した観客は、スクリーンの向こうからやって来る列車に轢かれると思い、席を立って逃げたと言われています。それから約120年。VRの誕生によって、現代の我々も同様の体験をすることとなりました。時代は変われど、常に人々を驚かせてきた映像の変遷。コンセプトムービーでは、映画史の中でも〈 体 験 〉に焦点をあて、『ラ・シオタ駅への列車の到着』をモチーフに映像体験の今昔を客観映像とVRの主観映像で表現しました。ラストは、2つの世界が交差し、更なるパラレルな虚構の世界を表現し、「古典的な映像表現」から「新しい映像表現」に繋がるストーリー展開となっています。
デンマーク特集で上映
若いカップルが白い臨床的でがらんとした部屋で魅せるアクションの数々。「人類」というコンセプトの元で具現化され見本となり、部屋を動き回りながら物体を発見し彼らは研究される。
Patrick Smith / プロデューサー: David Gerlach/05:20/アメリカ/アニメーション/2016
1990年8月3日、『グッドフェローズ』が公開される数週間前、T.Jはマーティン・スコセッシの紹介文をロサンゼルスタイムズ サンデーマガジンに掲載するため、本人と会っていた。
原作はアーネスト・ヘミングウェイの同名短篇小説
米国の田舎町に現れた殺し屋と殺される男をめぐる物語。
インターナショナル部門 特別上映作品
ポール・ラッドが超進化型“量子チェス”でスティーブン・ホーキングと真っ向対決。
3人のマネージャーと4人の演者による客寄せ。フランスの作曲家エリック・サティが作曲したバレエ音楽「パラード」。サティのエッセイからのテキストと共に、ウィレム・ブロイカー楽団の演奏にあわせ、アニメーションで再現した超現実的バレエ映像。
監督 : 山村浩二
‘64年生まれ。90年代『パクシ』『バベルの本』など子供のためのアニメーションを制作。『頭山』(02)がアヌシー、ザグレブをはじめ主要なアニメーション映画祭で6つのグランプリを受賞、第75回アカデミー賞?にノミネート。また『カフカ 田舎医者』(07)がオタワ、シュトゥットガルトなど7つのグランプリを受賞。他にカナダ国立映画制作庁と共同制作『マイブリッジの糸』(11)、『サティの「パラード」』(16)。映画芸術科学アカデミー会員、東京藝術大学教授。
短距離走者ウサイン・ボルトは、ジャマイカの校庭で走り始めてから世界の舞台で活躍するようになるまでに、プレッシャーを跳ね除ける術を見つける。名声の重圧に打ち勝ち、ボルトは世界最速の男として走る喜びを見出したのだった。
深刻な干ばつにより、ある小さな地域でライフラインの水が底をついてしまった。病気の妹の命を繋ぐため、温厚で善良な若い女ゾレカはどんなことでもせざるを得なくなっていた。
米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭。代表は俳優の別所哲也。1999年に東京・原宿で誕生し、これまでに延べ36万人を動員しています。初年度は映画『スターウォーズ』で有名なジョージ・ルーカス監督の学生時代のショートフィルムを6作品上映するなど注目を浴び、ルーカス監督からは、その後もご支援を頂いています。映画祭は、オフィシャルコンペティションをはじめ、「音楽」「環境」「CGアニメーション」など、様々なカテゴリーのプログラムで構成されており、グランプリ作品は、次年度のアカデミー賞短編部門のノミネート選考対象になります。SSFF & ASIA 2016グランプリ受賞作である『合唱』は、第89回米国アカデミー賞短編実写部門でオスカーを受賞致しました。世界に羽ばたく若きクリエイターをSSFF & ASIAは応援します。