サードウェーブを語るなら知っておきたい、  『Four Barrel Coffee』にまつわる10のコト サードウェーブを語るなら知っておきたい、  『Four Barrel Coffee』にまつわる10のコト

サードウェーブを語るなら知っておきたい、
『Four Barrel Coffee』にまつわる10のコト

サンフランシスコにあるFour Barrel Coffee(フォーバレルコーヒー)は、サードウェーブの中心的存在ともいえるロースターカフェ。生産者・ロースター・バリスタ・ローカルそれぞれのつながりを大切にする姿勢が、コーヒーファンのみならず多くの人の心を掴んでいます。残念ながら日本にはまだ出店していませんが、SHIPS Daysでは今シーズンから、Four Barrel Coffeeの味を自宅で楽しめるブレンドシリーズのお取扱いをスタート。それにちなんで、Four Barrel Coffeeの魅力をとことんご紹介させていただきます!

サードウェーブを牽引するRitual Coffee Roasters(リチュアル・コーヒー・ロースターズ)の創業メンバーのひとり、ジェレミー・トゥッカー氏。彼が2008年にサンフランシスコのミッション地区にオープンしたのが、Four Barrel Coffeeの第1号店です。 日本では栃木県大田原市にFour Barrel Coffeeの提携店がオープンしましたが、正式な出店はまだという状況。そこで今回は、Four Barrel Coffeeのコーヒー豆を日本初輸入した株式会社フープの山田さんに、Four Barrel Coffeeにまつわるアレコレをお聞きしてきました。

??山田さんは先日もサンフランシスコに行かれたそうですが、Four Barrel Coffeeはどんな雰囲気のカフェですか?

いつも本当にいろんなお客さまがいらっしゃっています。手ぶらで立ち寄る近所の人から、出勤前のビジネスマン、子連れのママ、観光客などなど…。自転車で来て、店の前のパークレットでコーヒーを楽しむ人も多いです。店内の壁にバリスタ兼アーティストの作品を展示したり、地元の陶芸家とカップをつくったり、ローカルとのつながりを大切にしているのが特徴。「コーヒー通」や「お洒落な人」に支持されがちな日本のサードウェーブコーヒーとは雰囲気がだいぶ違うかもしれませんね。

??店内にはWi-Fiがない、とお聞きしましたが?

はい。黙々とPCに向かうのではなく、人と人とのコミュニケーションが自然に生まれるような空間づくりは、Four Barrel Coffeeのフィロソフィーのひとつ。ほかにも、PCが使いにくいようにテーブルをあえて高くしていたりします。シリコンバレーにほど近いエリアにもかかわらず斬新なスタイルですが、業界の人たちからも気に入ってもらえているようですよ。

??お客さまとバリスタとのコミュニケーションも大切にしているそうですね。

スローバーというハンドドリップのみのエリアがあります。コーヒーをゆっくり淹れながら、バリスタがお客さまに豆の生産地の情報を伝えたり、お客さまがバリスタにコーヒーの感想を伝えたり。そんな光景が当たり前になっています。

??ほかのロースターカフェにはない、Four Barrel Coffeeならではの一番の特徴を挙げるとすれば?

アナログでクラフトなところだと思います。昨今では、コンピュータが内蔵されていてタッチパネルで操作するような焙煎機が多いのですが、Four Barrel Coffeeはそれを好みません。ヴィンテージの焙煎機を使い、温度変化などのプロファイルも紙に鉛筆で手書き。コーヒーの味や香りをもっとも引き立てる焙煎方法を、人の手で追求し続けています。

??スペシャルティコーヒーを提供し続けていくために、取り組んでいることはありますか?

近年の世界の気候変動は、コーヒーの生育に大きな影響を及ぼしています。これは、ロースターと生産者がともに立ち向かっていかなければならない問題。オーナーのジェレミーは自ら生産地を飛び回り、農園への投資、生産方法やコーヒービジネスについての情報共有といった支援活動を続けています。社会貢献という側面ももちろんありますが、「スペシャルティコーヒーを絶やさない」という使命感と危機感が、彼らの取り組みの根底にあるのでしょう。

??コーヒーだけでなく、牛乳などにもこだわっているそうですね。

最近、地元サンフランシスコの酪農場と提携しました。牛乳やヨーグルトの容器に再利用可能なガラス瓶を使ったり、賞味期限切れのヨーグルトを豚やヤギに与えたり、サスティナブルな姿勢を貫く酪農場です。また、大豆生産による森林破壊や遺伝子組み換え問題を考慮し、豆乳に代わって自家製のアーモンドミルクを使ったりもしています。オーガニックやサスティナブルという概念は、サンフランシスコで食に携わる人にとってはもはやスタンダードと言えるでしょう。

??本店のあるミッション地区はどんなエリアですか?

カフェや雑貨店、ストリートアートなどがならぶ若者に人気のエリアです。以前はヒスパニック系の人々が住む街でしたが、シリコンバレーに勤める若手社員やアーティストが住み始めるようになり、雰囲気ががらりと変わりました。Four Barrel Coffeeの出店も、街の発展の一翼を担っています。 3号店のあるサンフランシスコ郊外のポートラも、いまは寂れたチャイナタウン。でも、Four Barrel Coffeeを中心にガーデンが整備されたり壁画アートが増えたりして、変わりつつあります。今後は風力発電や太陽光発電、電気自動車の充電ステーションなどがカフェに併設され、ゆくゆくは辺り一帯が大きな公園になるのだそう。街やコミュニティの活性化を見据えた、Four Barrel Coffeeらしい出店だと感じました。

コーヒービーンズ ?2,000(+tax)/DE LA PAZ

??Four Barrel Coffeeの味を自宅で楽しめる『De La Paz(デラパズ)』シリーズが発売されました。サードウェーブではシングルオリジン(単一生産地)が主流ですが、あえてブレンドを扱ったのはなぜでしょうか?

De La Pazはもともとブレンドに特化したサンフランシスコのロースターで、2013年にFour Barrel Coffeeが買収しました。今回発売された『De La Paz』シリーズはそのコンセプトを受け継いだもので、「スペシャルティコーヒーをより広い層の方々に飲んでいただきたい」という理由が大きいと思います。生産地ごとの個性を楽しむシングルオリジンとくらべて、『De La Paz』はバランスよく甘さにフォーカスしており、親しみやすい味わいになっています。

コーヒービーンズ ?2,000(+tax)/DE LA PAZ

??4種類ありますが、それぞれどんな味わいなのでしょうか。

きれいな酸味と華やかな風味の『PEEL SESSIONS BLEND』、甘く丸みがありなめらかな風味の『GRACELAND BLEND』、濃厚で豊かな風味の『BIG CITY BLEND』、カフェインレスにもかかわらず深みのある味わいの『B-SIDE DECAF ESPRESSO BLEND』。それぞれ異なる味わいを楽しめますので、ぜひお好みを見つけてほしいです。

??最後に、山田さんがおすすめする『De La Paz』の飲みかたを教えてください!

浅煎りの『PEEL SESSIONS BLEND』はフィルターで、中煎り・深煎りの『GRACELAND BLEND』『BIG CITY BLEND』はエアロプレスやフレンチプレスで淹れてみてください。甘みやクリーミーな質感を楽しんでいただけると思います。『PEEL SESSIONS BLEND』はアイスコーヒーでもおいしいですよ!