僕の好きなサッカー漫画
今回は、ファン・サポーターにもあまり知られていないというFC東京きっての漫画好き、高橋秀人選手と野澤英之選手が登場。お気に入りのサッカー漫画を中心に、熱い漫画愛を語っていただきました。ここで名前が出てくる作品はすべておふたりのオススメなので、是非チェックしてみてください!
ーー今回は漫画好きの選手ということでご登場いただきました。
高橋 そりゃあ、FC東京なら僕とノザヒデ(野澤選手)が一番ですよ。僕らの血の9割は漫画でできているといっても過言ではないです。
ーーそれはすごい。ということは、漫画雑誌もコミックもって感じですか。
野澤 漫画雑誌だと、ジャンプ、マガジン、サンデー、ヤングジャンプ、ヤングマガジンとかですかね。そのなかから、気になる作品をつまみながらですけれど。
高橋 僕も同じ感じですね。あとビッグコミックスペリオールとか。
ーーどんな漫画がお好きなんですか。
野澤 好きなのは『ワンピース』とか、もうすぐ終わっちゃいますけれど『ナルト』だったり。最近はジャンプで連載されているSFアクション系の『ワールドトリガー』にハマってますね。
高橋 僕も大好きですね。侵略者ネイバーと、防衛組織ボーダーの戦いを描いているんですが、その背景に調布の風景とかが出てくることがあって、その縁でいまFC東京とコラボしているんですよ。味の素スタジアムのゴールを守るっていうことで、「ボーダー“FC東京味スタ支部”」もできて。
ーーへぇ?、あっこれは高橋選手が支部長なんですね。そもそもおふたりは、いつ頃から漫画好きになったのですか。
野澤 小学生の頃から読んでいますが、ハマったといえるのは中学くらいですね。最初は『名探偵コナン』、あとはさっきも出てきた『ワンピース』や『ナルト』かな。
高橋 僕も同じ感じだなぁ。あとは『ハンター×ハンター』。
ーー普段から、おふたりはよく漫画の話をされるんですか。
野澤 ヒデくん(高橋選手)から面白い作品を教えてもらって。それを読んで僕もハマるっているのがいつものパターンですね。『キングダム』とか『進撃の巨人』もそうだし、あとは『BE BLUES! ?青になれ?』や『フットボールネーション』もヒデくんが教えてくれて。
ーー高橋選手は、どこで新しい情報を入手しているんですか。
高橋 何かの連載が終わって、新しい作品が出てきたときは必ずチェックするって感じですね。でも、最初の1話や2話は良かったのに、5話目くらいから過剰になってあからさまに人気を狙っているようなのは嫌いですね。最近は、そういうところを見ちゃうんですよ。
ーー特におすすめの作品とかありますか。
高橋 やっぱり『キングダム』とか『進撃の巨人』かな。
ーーでもそれだけチェックしていると、部屋中が漫画だらけになっちゃいませんか。
高橋 一回、引っ越すときに全部捨てちゃいました。実家に残っているものもありますけれど、いまは基本的にiPadで読んでます。でも、電子版はタイムラグがあるんで、単行本で買ったものはクラブハウスのリラックスルームに持っていったりします。
野澤 リラックスルームには、みんなが持ち込んだ厳選された漫画がいっぱいあるんですよ。
高橋 僕とノザヒデは、そこにある漫画をほとんど読んでますね。
ーー今日はお気に入りのサッカー漫画を持ってきていただきました。
野澤 持ってきたのは『ファンタジスタ』ですけれど、他に『オフサイド』や『ジャイアントキリング』も好きですね。
高橋 僕は『ファンタジスタ ステラ』と『BE BLUES! 〜青になれ〜』、あと『フットボールネーション』。それと、今日は持ってこれなかったんですが『1/11 じゅういちぶんのいち』は、すごくオススメですね。普通、物語って時系列で進むじゃないですか。でもこれは飛び飛びなんですよ、小学生の話から24歳のとき、17歳のとき、30歳のときと飛んだり。でも全部がつながっていて、作者の方は素晴らしいなと思いましたね。自分は一番好きかも。
ーーサッカー漫画を読んで、自分のプレースタイルに影響を受けることもあるんですか。
野澤 自分のサッカーの参考にしたことはないですが、小学生の頃は『キャプテン翼』を読んでオーバーヘッドキックの真似をして、背中から落ちて痛い目にあったことはありますね(笑)
ーーオーバーヘッドキックは絶対やっちゃいますよね。でも、野澤選手の年齢でも『キャプテン翼』を小学生時代に読んでるんですね。ちなみに、誰が好きでしたか。
野澤 翼くん、あと岬くんのプレースタイルは好きでしたね。
高橋 僕も最初のサッカー漫画は『キャプテン翼』ですね。当時好きだったのは、松山くんと岬くん。やっぱりアニメよりも漫画で読むほうがいいですよ。サッカーをやっているとアニメ版はリアリティがなさ過ぎちゃうんですよね。
ーー『フットボールネーション』は、これまでのサッカー漫画とは違った視点で話題ですよね。
高橋 サッカーがメインではなくて、カラダの使い方とか審判の話とか従来にない切り口なんですよ。サッカーの技術って身体的な側面が重要で、カラダの使い方が巧い人はトラップが上手だったり、ドリブルが巧い人は重心のコントロールがしっかりできているとか。そういう話が描かれているんですよね。『フットボールネーション』を読むようになってから、サッカーが巧いとかよりも、カラダの使い方が巧いか下手かばかり見るようになっちゃいました。チームでいうと、森重とかは軸がしっかりしていてキレイなんですよね。そういう選手は無駄な力が入っていないんです、なでしこの宮間選手とかね。
ーーカラダとボディバランスを重視するきっかけになったんですね。
野澤 僕の場合は、カラダの使い方などで勉強になることはありますが、人の動きを見て巧いかどうかは理解できないですね。ヒデトさんはすごいなぁと聞いていて思いましたよ。
ーーでも、最近は切り口が新しいものが増えていますよね。
高橋 そうですね、『DAYS』とか『ジャイアントキリング』とかよく見てるなぁと思いますね。サッカー選手じゃないとわからない心境とかも描かれている。あと、『BE BLUES! 〜青になれ〜』で、2対2の場面であえてゆるいパスを出して食いつかせるとかあるじゃん?
野澤 あぁ?、あれとかすごいですよね。
高橋 漫画で描かれることによって、一般の人がサッカーの技術を学ぶことができると思うんですよ。そうするともっとサッカーが面白くなる。僕も『バクマン』を読んで、どうすると漫画の連載が打ち切りになるのかとか、そういう業界のリアルを知ることができて、いまではそっちの目線でばかり見ちゃうようになりましたから(笑)。
ーーでは最後に、もし自分がサッカー漫画を描くとしたらどんな内容にしたいですか。
野澤 パサー目線の漫画がいいですね。主人公がゴールを決めて勝つのが一般的ですけれど、そうではなくて、パスの面白さやすごさを多くの人にわかってもらえるような内容にしたいですね。
高橋 本田圭祐選手が原案協力している『ファンタジスタ ステラ』みたいに、ノザヒデが主人公の漫画ができたらいいよね。でも、確かにパサー目線は面白そう。あとは、審判にフォーカスした内容もいいかな、いつもはミスジャッジして選手に怒られることが多いけれど、実際はどういう心理なのかとかね。あと、自分とノザヒデが漫画好きってあまり知られていないので、今後はどんどん漫画の差し入れをして欲しいですね(笑)
ーー短い時間でしたが、今日はありがとうございました。