Battenwearコラボ第二弾が完成! ?デザイナー長谷川氏特別対談? Battenwearコラボ第二弾が完成! ?デザイナー長谷川氏特別対談?

Battenwearコラボ第二弾が完成! ?デザイナー長谷川氏特別対談?

Battenwearコラボ第二弾が完成! ?デザイナー長谷川氏特別対談?

SHIPS JET BLUE

Battenwearの2シーズン目から展開をしているSHIPS JET BLUE。4シーズン目となった年の春夏には第一弾となるコラボレーションを敢行。アロハシャツを製作しました。それから1年。多くの“再発”の声にお応えして、今季コラボレーション第二弾のリリースが決定! 今回はそれを記念した、Battenwearデザイナーの長谷川氏との対談が実現しました。両者の出会い、コラボレーション裏話、長谷川氏のバックグラウンド…。他では聞けない貴重な話を、アイテムの魅力とともにご紹介!

ーー今回、待望の2回目のコラボレーションとなりますが、そもそものBattenwearとSHIPS JET BLUEの接点から教えてもらえますか?

田中 SHIPS JET BLUE ではBattenwearの2シーズン目からインラインを展開していました。お店でもブランド認知はすぐに上がり、Battenwearが4シーズン目となる去年の春夏のタイミングでコラボレーションのオファーをさせていただいたんです。当時の日本の流行だったアロハシャツを作りたいなと思ったのがまず始まりだったのですが、自分の知っているブランドの中でそういうカルチャーに一番秀でていたブランドがBattenwearだった。そこでオファーさせていただいたんです。

長谷川 SHIPSは僕も若い頃よく通わせてもらっていたセレクトショップだったので、ありがたいなと思いましたね。

ーーコラボレーションのオファーを受けた時は、どういう風にアレンジしてアロハシャツを作ろうと思ったのでしょう?

長谷川 基本的には生地選びです。ベースはもともとインラインで展開しているものを使用しているので、それを生地の乗せ替えでどういう風にアレンジできるかというのを考えました。アロハシャツの元祖とも言えるReyn Spoonerの生地を使っています。ハワイ生産にするかアメリカ本土生産にするかという選択肢があったのですが、生地がReyn Spoonerである以上、やっぱりハワイ生産であるべき。それでお願いして、アロハシャツに関してはハワイで作らせてもらったんです。

ーーBattenwearのインラインもメイドインUSAにこだわっていますが、やっぱりそういう生産背景やある種のストーリー性は重要視しているんですか?

長谷川 そうですね。もちろんストーリー性というのもありますが、着る人にとっても本場で作られたものを身につけるというのは実際的な感触として違ってくるはず。そもそも、その地域の空気感に洋服は大きく影響されると思っているので。

ーー出来上がりを見ても、そのもの自体が持つ空気感は、他と違うと分かりますか?

長谷川 やっぱり違いますね。雰囲気だけじゃくて、見て分かります。なんて言うんだろう…やっぱりすごく丁寧に出来上がっていますよね、日本製のものは。でも洋服ってある種の雑さも魅力というか。人間と同じで、それが風合いになったりするんですよね。メイドインUSAのものは無骨な部分がうまく洋服に表情をプラスしている。そういった独特な表情に魅せられるんです。

田中 僕はあくまで受け手側の人間ですが、長谷川さんの作る服を見ていてもそれは伝わってきます。でもただメイドインUSAというだけでなく、日本人のフィルターに通したアメリカ製というか、アメリカ人が作るアメリカ製とはまた違うところがおもしろいんですよね。ラフさの中に日本人的な繊細さもある。それが魅力なのだと思います。

ーー今回のアイテムはどんなものを作ったのでしょうか?

田中 ご好評にお答えして、今回もまたアロハシャツを作らせていただきました。

長谷川 前回とは生地が変わっていますね

田中 前回は100%コットン素材だったんですが、今回はアロハはレーヨン素材をチョイス。アノラックパーカとショーツは、前回も展開した、アルフレッド・シャヒーンがデザインしたヴィンテージの55%コットン/45%ポリエステル素材の生地を使っています。

長谷川 地名が書いてあるシャツは、僕の中ではハワイのスーベニアショップで売っているものをイメージしています。いわゆるお土産的な。あともうひとつは、あえて一番しつこいヤツを選びました。ちょっといやらしいくらいのものを作りたいなと思って(笑)。

ーー今回のアイテムはどんなものを作ったのでしょうか?

長谷川 汗たっぷりかきながらこういうのを着ているイメージです。

ーー生地のチョイスはすべて長谷川さんの判断で?

長谷川 アロハはレーヨンで、アノラックパーカとショーツはアルフレッドシャヒーンの生地でっていう希望を出させていただき、それに基づいてハワイのReyn Spoonerが持っている生地のスワッチを送って頂きました。そこからそれぞれのアイテムに合わせて僕が生地をピックするという感じです。

ーー柄を選ぶ時はなにかインスピレーションがあるんですか?

長谷川 特にコレというのはありません。自分が見たこと体験したことがインスピレーションの源になっているとは思いますが…。むしろ変に影響されないように雑誌などは見ないようにしています。そのかわり昔の雑誌やカタログは見ます。またNYにはいろんな人種の人たちがいて、いろんな服を自由に着ている。そういった風景もインスピレーションのひとつなのだとは思います。その上で、自分が好きなサーフィンやアウトドアのフィルターに通したものを表現しています。

ーーNY的感覚もそのまま取り入れられていると。話はちょっとそれますが、そもそも長谷川さんはNYのFIT(ファッション工科大学)で洋服を学びにいっていますよね。もともとブランドを立ち上げようと思っていたんですか?

長谷川 実は僕は30歳までは日本で普通に企業に勤めていたんです。そこをやめてFITに行ったのですが、卒業したらまた日本に戻ってどこかのアパレル企業に再就職しようと思っていたんですよ。でもいざFITを卒業したら、NYでもっと頑張ってみたいなと欲が出てきてしまって。古着の会社でセールスとして働きはじめたのですが、しばらくしてから知人を通じてWoolrich Woolen Millsの立ち上げメンバーとして参加させていただくお話をいただいて。だからそれまでは全くデザインの勉強はしていなかったんです。そこでノウハウを学んで、コネクションができて、自分のブランドを立ち上げられるまでになった。いろんなご縁が重なって今に至るという感じです。

ーーサーフテイストを取り込んだデザインも当初からイメージしていたことなのでしょうか?

長谷川 そうですね。当時はサーフィンというとやっぱり西海岸のイメージだったんですよね。でも12年くらい前のNYでも、今ほどのブームではないにしろ、少なからずサーファーはいたんです。その頃から僕もやっていて、地味でしたけどその頃から東海岸のサーフカルチャーって言うのがあったので、みんながイメージする西海岸発信のカルチャーを僕は逆に東海岸から発信できたらおもしろいんじゃないかなと思って。

ーー以前のSHIPS MAGの取材でもNYのサーフカルチャーはムーブメントになるとおっしゃっていましたが、ここまで盛り上がるとは思っていましたか?
長谷川 そこまでは考えてなかったですね。当時はこんなに盛り上がるとは思ってなかったし、流行らせようとかそういうつもりもなかったので、単純におもしろいんじゃないかなっていう漠然としたイメージだけでした。

ーーSHIPS JET BLUEでの反応はいかがですか?
田中 Battenwearの服はとにかくほかにはないデザイン。だけど手に取りやすくて、年齢層問わず人気です。結局本物志向の服がいいって言うお客さまが増えていると思うので、そこに対して、日本人のブランドでいながらリアルなアメリカの空気感が感じられる服っていうのは貴重だと思います。

ーー最後に、今後目指しているモノ作りの展望などをお聞かせください。

長谷川 そんな大それた野望みたいなものはないです。自分なりにいいと思える作りたい服が作り続けられればそれがいいのかなと。インスピレーションはまだまだありますので。

右がハワイのスーベニアショップで売っているアロハシャツをイメージしたもの。地名入りのデザインがユニークだ。控えめの色使いでタウンユースとしてもうってつけ。 左は長谷川さんが「一番濃いものを選んだ」というストレートなアロハ柄。左裾にポケットがついているのもBattenwearのアロハシャツの特徴だ。どちらもテロッと滑らかなレーヨン素材。

?22','000(+TAX)/ Battenwear×Reyn Spooner×SHIPS JET BLUE

アルフレッド・シャヒーンデザインによるヴィンテージファブリックを使用。こちらはコットン55%、ポリエステル45%。クラシカルな趣が魅力的。セットアップで着こなすのも今季らしいアプローチ。

アノラックパーカ?32','000(+TAX)/ ショートパンツ?22','000(+TAX)/ Battenwear×Reyn Spooner×SHIPS JET BLUE

長谷川晋也


Batten Sports Wear デザイナー
30歳の時にFIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)に入学。Woolrich Woolen Millsのアシスタントデザイナーを経て2011年にBattenwearをスタート。“上質なヴィンテージスポーツウエア”、“機能性豊かなアウトドアウェア”、“スタイリッシュな日常着”という3テーマのもと、コレクションを展開している。