SHIPS 2014 SPRING and SUMMER スペシャルムービー公開中! SHIPS 2014 SPRING and SUMMER スペシャルムービー公開中!

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SHIPS'S EYE

全国のSHIPSで配布中の春夏カタログは、フォトグラファーの荒井俊哉さんによってL.A.でシューティングされた。その撮影と平行するカタチで同氏によるスペシャルムービーも撮影。そこで今回は、撮影秘話やそのコンセプトなどを映像監督の清水康彦さんとともに伺った。

??今回のスペシャルムービーは、L.A.の風景と人物が重なり合う幻想的な作品で、リピートしてずっと流し続けたくなりました。ああいう世界観でいこうというのは、撮影前から決まっていたんですか?

荒井 ブランドのコンセプトはもちろんありましたけど。僕は常に現場の空気感を大事にしているんです。かつてバックパッカーだったこともあって、空港に降り立った瞬間のドキドキ感がたまらなく好きなんですね。いくら最初に、ああしよう、こうしようと思っても、その瞬間の空気ですべて変えちゃう。そういうスタイルなんです。今回、L.A.に着いてから、撮影前にロケハンとモデルハントをしたんですけど。そのときに「L.A.って移動が長いよな」と思って。そのリアルな感覚を入れたのが今回の映像ですね。

??それで車窓からの風景が多いんですね。でも、そのおかげで自分がL.A.にいる気分にもなれました。モデルさんたちはどうでしたか?

荒井 ふたりの間の自然な雰囲気を撮ろうと思っていましたけど、もしも嘘っぽく見えるならやめようと思ってたんです。でも、彼らは初対面だったにも関わらず、すぐに仲良くなって。撮影の合間もふたりで楽しそうに会話していたんですよ。そういう場面をそのまま撮ったりして。あのふたりのモデルに会えたのも今回は大きかったですね。

??楽曲もすごくいいですね。

荒井 良かったよね。あれは清水監督が紹介してくれた方で。

清水 山梨に住んでいる、作曲家でミュージシャンの田辺玄さんという方です。荒井さんからイメージを聴いて、田辺さんにお願いしようとパッと思いついたんです。

??荒井さんは、どんなイメージを描いていたのですか。

荒井 移動の間にジョン・バトラー・トリオの曲を聴いたことが強く残っていて。オーセンティックでありながら歪みのある感じが、SHIPSと西海岸という組み合わせにフィットするなと思ったんですよね。清水監督には、曲調の上がり方がポイントになることだけをお願いして。

清水 荒井さんは音楽好きですし、すごくこだわるんですよ。だからプレッシャーでもありましたね。

荒井 自分のなかで映像のイメージはできていたし、編集は清水監督に任せれば安心なので、音楽だけが心配だったんですよ。でも、映像と合わさったものを見てビックリしましたね。音の響きがグッと伝わってきて、ミュージシャンとしての本気度が伝わってきました。全体がクールに締まったし、音楽のおかげでエッジーな作品になったと思います。

??荒井さんと清水さんの付き合いは長そうですね。

清水 かれこれ、2〜3年の付き合いですね。知人に、「相性いいと思うよ」って紹介してもらって。最初のお仕事はポルノグラフィティさんのMVでした。荒井さんのキャラクターはメンバーからもウケが良くて。いまや音楽業界でも荒井さんは有名ですよ。とにかく相手との距離感が近い。

荒井 監督もかなり踏み込むタイプ。お互い、たまにやり過ぎちゃうんですよ(笑)

清水 荒井さんは現場の経験値が豊富で。どんなフィールドでも、すぐに相手の懐へ入り込んじゃう。ある意味で、無茶苦茶なんですよ。そのエピソードを話したらキリがない。

??今回、残念ながら清水さんはL.A.へは同行できなかったんですよね。素材を編集しながら何か感じたことはありますか。

清水 素材にはそのときの会話もすべて入っていて。クルマでの会話とかすっごく面白かったですよ。モデルとは、カットアップについての話とか、ビートジェネレーションの話を熱くしていて。そういうものすべてが編集のヒントになりましたね。

荒井 クルマの会話、全部聞いたの? それはマズイ(笑)。

??編集で気を付けた点などはありますか。

清水 立体感やムード、ストーリー性ですね。でも、最初に「実験的なことをしてくれ」と言われていて。その中でやっちゃってもいい範囲を想像しながら制作しました。

荒井 僕だけでつくるとカントリー風というか、どこかほっこりしちゃうんですよ。清水監督はいい意味でケミカルな感じだから。そのテイストを入れて欲しかったんですよね。

??最後に、今回のL.A.ロケの感想を聞かせてください。

荒井 L.A.は何度か行っているんですけど、カルチャー系が好きだからダウンタウンばかりなんです。今回、サンタモニカ周辺とかビバリーヒルズとか、より洗練されたエリアに初めて行って、「こんなところもあるんだ」っていう発見がありましたね。これまでの自分が少し偏っていたなと。その空気感は新鮮でしたね。

??今日はお忙しいなかありがとうございました。

荒井俊哉

1972 年栃木県出身。1998 年東京工芸大学芸術学部写真科を卒業後、富永よしえ女史に師事。2001 年に独立後、女性・男性ファッション誌をはじめ、ミュージシャンのライブやジャケット写真なども数多く手掛ける。

清水康彦

1981 年福井県出身。2002 年映像プロダクション OMB にてミュージック・ビデオを演出。2007 年独立。フリーランスとして活動を開始し、MV、TVCM、ファッション映像など、様々なジャンルで活躍。2012年、MVA 最優秀監督賞・BEST DIRECTOR 受賞。文化庁メディア芸術祭出典。