香SHIPS 〜オリジナルアロマの香りブレンドを探る〜
多数の精油をブレンドすることで生まれる、SHIPSブランドそれぞれの香り。現在までに、アロマオイル以外にもさまざまな関連グッズが展開されるほどの人気を博しています。今回の香SHIPSでは、アロマオイルのブレンドについて探るべく、特にユニークなものに焦点を当てて、アロマ空間デザイナーの深津恵さんにそのルーツや効果について伺いました。
――今回はSHIPSのフレグランスに使われているエッセンシャルオイルのなかでも、ユニークなものをピックアップして解説して頂ければと思います。その前段としてお聞きしたいのですが、どんな植物からでもエッセンシャルオイルは採れるものなんですか?
深津 オイルの種類にもよるんですよね。たとえばオリーブオイルも油の一種ですが、アロマで使われているのは、揮発性の高い芳香成分である精油またはエッセンシャルオイルと呼ばれるものなんですね。植物そのものを自分の鼻で嗅いだり、または揉んだときに香りを強く感じられるものは、エッセンシャルオイルも多く採れます。弱いものでも採れなくはないですが、かなり多くの花や葉が必要になりますね。
――どんな植物から採れるかは、長い歴史のなかで蓄積されてきたということですね。ちなみに、エッセンシャルオイルとして使われる植物はどれくらいの種類があるんですか?
深津 アットアロマで扱っているもので数百種類はあります。大学などと一緒に研究する際は、ほとんど採れないものを無理して蒸留しているものもあるので、ラボレベルだと何万種類もあると思いますよ。アットアロマは近畿大学の化学の先生が顧問なんですけど、そこではまだ世の中で見つかっていない芳香成分のなかで、さまざまな機能をもつ有効成分が高い香り物質を見つけ出す研究をずっとされています。
――落ち着く香りなど、効果がある香りといわれているものは、どのように判定しているのですか?
深津 成分分析をかけると、ひとつのオイルのなかでどの成分が多く含まれているのかがわかるんですね。その成分の組み合わさり方などで香りの印象は変わってきます。そこから科学的に判定したり、また脳や体への影響を調べるための実証実験をおこなったりもします。そういった科学的アプローチがなされている一方で、アロマセラピーの世界では昔からどう使われてきたかの歴史も重要視されています。それはある意味で、お婆ちゃんの知恵袋のようなところもあるんです。いまは、科学と歴史のふたつが融合している状況ですね。
――なるほど。では、今日はメンズのアロマオイルを中心に、ユニークな香りの効果や特徴を教えて頂けますか?
【月桃(げっとう)】
月桃は沖縄に自生していています。薄いピンク色の花が咲いて、とてもいい香りがするんですよ。でも、エッセンシャルオイルは葉から抽出しています。一般的に鎮静効果があると言われていていますが、ここでは機能というよりも香りを重視して使っています。自然な温もりを感じる香りで、少量でもグッと個性を出るのが特徴です。No.3 MEN’S CASUALのなかではとても大事な役割りをもったひとつ。これがないと、全体が男らしくなりすぎてしまうんです。そこにこの中性的な香りを加えると、取っつきやすい印象になります。
【ブルーサイプレス】
オーストラリア原産のヒノキ科の木で、精油がブルーなのが特徴です。SHIPSさんのイメージカラーであるネイビーを意識してセレクトしています。強い香りなので、実際に使っているのはごく少量。これをブレンドすることで清潔感が引き立ち、また男性の硬質な雰囲気が出るんです。ニュートラルな香りでもあるので、全体のバランスをとりたいときにもよく使います。人気があり、また希少でもあるので調達が難しいオイルでもあります。
【ベイローレル(月桂樹)】
月桂樹の葉はお料理でも使われますし、アロマの世界でも古くから親しまれているものですね。香りが強いので、アクセントとして使われることが多くなります。鎮静効果があり、自信を深めることができる香りといえます。でも、量を入れ過ぎるとオジさんぽい香りになってしまうので注意したいところ。少量が適量入っていると、格式のある大人の雰囲気が引き立ちます。
【ターメリック】
インドやアジア圏で食用として古くから親しまれています。近年、日本ではウコンとしてもお馴染みですよね。生姜に見た目も効果も似ていますが、それとはまた違う個性的な香りがします。アロマテラピーの世界ではあまり使われないですね。また使いこなすのが難しい香りでもあります。でも、柑橘系の香りにブレンドすると、キリッとした深みやコクが出るんです。料理と同じく、隠し味として使うと効果的です。
【フランキンセンス】
古代エジプトに始まり、ギリシャやローマなど数多くの文明や宗教で古くから使われてきた香りです。樹木から分泌される樹脂から採れるもので、これを固めたものは「乳香」とも呼ばれています。歴史や上質さを感じさせる香りですので、JET BLUEでは、若さだけでは出せないクラス感をプラスするために使っています。あまり入れ過ぎるとオーセンティックな雰囲気になってしまうので、料理における砂糖や塩のように少しだけ入れて引き立たせるように使うのがポイントです。
【ジンジャー】
ジンジャーは、みなさんお馴染みですよね。でも、採れる産地によって香りのタイプが違うんです。このオイルは日本産ではなく、東南アジアで採れたもの。スモーキーでスパイシーな香りが、全体をキリッとまとめてくれます。最後にしっかりと残る香りが特徴。一般的には使いにくとされていますが、JET BLUEの香りにおいてはこれがないと成り立たないといえるほど重要な役割りをしています。
リードディフューザー(No.1 WOMEN’S CASUAL/No.2 WOMEN’S DRESS)各¥3','675/SHIPS
リードディフューザー(No.3 MEN’S CASUAL)¥3','675/SHIPS
リードディフューザー(No.4 MEN’S DRESS)¥3','675/SHIPS
リードディフューザー(JET BLUE)¥3','675/SHIPS JET BLUE
深津恵
アロマ空間デザイナー。木の香りに囲まれた九州の町に生まれ、5年間キャビンアテンダントとして勤務後、アロマセラピストの国際ライセンスを取得。日本でのアロマ空間デザイナーの第一人者として数多くの空間演出を手掛ける。現在では、アロマ空間デザイナーの後継者育成にも携わっている。
アットアロマ
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