VAINL ARCHIVE×SHIPS JET BLUE コラボカプセルコレクションが誕生!
SHIPS JET BLUEが展開するコラボカプセルコレクションに、ついに人気ブランド〈VAINL ARCHIVE〉が登場! 今最も注目を集めるドメスティックブランドとSHIPS JET BLUEはどんな化学反応を起こしたのか!? デザイナー大北幸平氏に、その新たな試みについて話をうかがった。
――今年で5年を迎えた〈VAINL ARCHIVE〉。ブランドとしての認知、存在感もかなり高まっていますが、改めてブランドのコンセプトを教えていただけますか。
大北 ストリートとハイファションの間。良く言われがちな事ではありますが、スタートはそこにあります。街を歩いていて目につく格好いい人というのは、身につけるアイテムに対する対価がまちまち。高くていいものと安くていいものを上手くミックスして取り入れていますよね。〈VAINL ARCHIVE〉もそのひとつでありたいと思っているんです。物作りひとつひとつにもできるだけこだわりたくて、縫製や生地感というのは当たり前。もっと分かりづらいところをどこまで掘り下げられるかという事に力を入れている部分もあります。例えば旧式ミシンならではのステッチの粗さにこだわったり、ボタンは貝か水牛にこだわったり。そういった細かなところも追求するブランドにしたいと思っています。
9月7日(土)から行われているフェアのために制作された、別注のカプセルコレクションのためのビジュアル。スタイリスト宇佐美陽平氏、カメラマン小浪次郎氏(http://www.jirokonami.com/)によって撮り下ろされた。
――アート性の高いカタログも毎回話題ですね。
大北 単純に服を買ってもらうというよりは世界観も含め楽しませたいというのがあるんです。ストーリーのあるブランドにしたいというか。でもそれは洋服だけで表現するのは難しいと僕は思っているんです。なので、ルックブックやカタログなどのヴィジュアルでは世界観を重視。自分が目指す人物像や雰囲気を演出するようにしています。アイテムひとつひとつにも自信はありますが、それだけじゃないぞと。
――毎シーズン、コンセプトはしっかり立ててコレクションを展開しているのでしょうか?
大北 あくまで臭う程度に。コレクション全体の大枠はあるんですが、実は完成するまで自分でも見えない部分が多いんです。色使いやコーディネートの提案もある程度は考えますが、そこに固執しすぎるとつまらなくなったり、逆にやり過ぎるとお腹いっぱいになったりしますから。毎回、終わってみて、ああこういう風になったんだなって自分で自分を再確認している感じです(笑)。
――プロダクト目線でしっかりモノを作りつつ、感覚的な部分も大事にしている。そこが〈VAINL ARCHIVE〉のひとつの強みですね。
今回のSHIPS JET BLUEとのコラボレーションですが、コレクションを作るにあたり意識したことはありますか?
大北 今までは、ある程度〈VAINL ARCHIVE〉というブランドを知っている人たちに向けてコレクションを展開してきましたが、今回は違います。SHIPS JET BLUEという大きな枠の中で〈VAINL ARCHIVE〉を知らない人たちにも響くようにものを作らなくてはいけない。それを一番意識しましたし、同時に大きな不安を感じていました。とはいえ、既存のコレクションから大きくずれることはしたくないという欲もあり。そこで誕生したのがスタジャンやダッフルコートといったベーシックなアウターです。多くの人が受け入れやすいものでありながら、生地感やディテールは僕らしく作り込んでいる。そんな落としどころを目指しました。それに〈VAINL ARCHIVE〉ではベーシックなアイテムって意外と作っていないんですよ。
――今回はアーティストとも共演されていますね。
大北 それもいつか試してみたいと思っていたことのひとつです。今回お願いしたのはCHILL!というユニットで活動しているアーティスト。彼らの作品はストリート感のある中にも繊細な雰囲気がある。自分のコレクションではなかなか手を出せなかったので、ここで一緒にやれないかなと。ちょうどいいタイミングでした。
――SHIPS JET BLUEとのコラボレーションだからこそできた試みだったと。
大北 僕が好きなストリート感、アート感。今まで大事にあたためてきたそれらのネタをちょうど良く出せるプロジェクトに出会えたという感じです。
――フェア開催中はコレクションとともにZINEも展開すると伺いましたが。
大北 ZINEとL版の写真10枚のボックスセットを出そうと思っています。でもくわしい内容はまだ決まっていないんですよ。きっとそれも僕のコレクションと同じく、仕上がるまで見えないんじゃないかな。
――(笑)。お話を聞いていると、その方がいいと思っている節もありそうですね?
大北 どこかでそう思っているんだと思います。その曖昧さが良いというか。まあ単純に仕事が遅いだけかもしれませんが。
――でもその曖昧さが〈VAINL ARCHIVE〉らしさを生んでいる気がします。
大北 個人的にはそう思っていますが、まわりはすごく迷惑しているでしょうね(笑)。
――でも信頼しているスタッフたちとの密なコミュニケーションの中で、はじめの一歩の踏み出し方が間違っていないからこそ、着地点にもズレは無い。そういうことのような気がします。
大北 そうあれば嬉しいです。
――〈VAINL ARCHIVE〉とSHIPS JET BLUEとの化学反応に期待しています。今回はありがとうございました!
- Tシャツ / ¥5','775
- アーティスト、CHILL!の作品をTシャツにプリント。独特なカリグラフィーとグラフィックの繊細かつ大胆なコンビネーションが新鮮。
- チェックシャツ / ¥17','850
- 2パターンのチェック柄を組み合わせたボタンダウンシャツ。後ろ身頃は袖と同じグレーのチェック柄が使われている。ボタンには貝を使用。ディテールにもこだわっている。
- ニット / ¥24','150
- ニットの色を抜き、その上にフォトプリントを乗せた珍しい手法のデザイン。枯れ木とスケートボードのシュールなコンビネーションが目を引く。
- ベスト / ¥26','250
- 薄手で軽いベストには「3M?シンサレート?高機能中綿素材Exソフトシンサレート」を使用。軽く、保温性が高く、着心地がしなやか。インナーにアウターにと幅広い着こなしで活躍必至。
- スタジャン / ¥60','900
- あえてワッペンなどは使わずシンプルにデザイン。チェッカーの裏地も〈VAINL ARCHIVE〉らしい仕様だ。脇下にはベンチレーションを装備。
- パンツ / ¥23','100
- 今季らしさ抜群の2タック仕様のチノパンツ。ゆったりとした履き心地ながら裾は細みで見た目がスマート。裾にはフラップがついていて、幅の調節が可能。
9月7日(土)から展開している今回のカプセルコレクションのリリースを記念して、9月6日(金)に原宿店にてリリースパーティが開催! 店内には今回のテーマをイメージしたNEWS STAND=“キオスク”スタイルのショップ・イン・ショップが誕生。当日はアーティストコンビ「CHILL!」(フォトグラファーの濱田晋氏と、映像制作などの活動をする鈴木翔介氏によるユニット)と、今までにはない新しいアプローチでストリートアートを展開する「ORIGINAL STYLE」(山口幸士氏)によるライブペインティングも行われた! 会場内に流れている音楽は、以前からVAINL ARCHIVEの展示会用に音源を作製しているSootheの丸山力巨氏(http://chikaomaruyama.com/)がこの日のために作り下ろしたもの。さらにイメージイラストを担当したイラストレーターのNORITAKE氏(http://www.noritake.org/)のセルフプロダクトも販売されるなど、トピック盛りだくさんのイベントだ。訪れた人たちは「東京ファミリーレストラン(http://www.familyrestaurant.jp/)」提供による軽食を楽しみながら、今回のために作られたZINEやライブペインティングを鑑賞。〈VAINL ARCHIVE〉の高い注目度を証明するパーティとなった!
大北幸平
〈VAINL ARCHIVE〉デザイナー。前職〈MADE IN WORLD〉で企画に携わり、いくつかのレーベルのデザインを担当。若手実力派クリエイターとして注目を集める。2008年、満を持して〈VAINL ARCHIVE〉をスタート。“ありそうで無いもの”をモノづくりの原点として、何かに縛られずMIX感あるものづくりを追求。