ONE SHIPS PROJECT DJ松浦俊夫、被災した子どもたちのために走る! ONE SHIPS PROJECT DJ松浦俊夫、被災した子どもたちのために走る!

ONE SHIPS PROJECT DJ松浦俊夫、被災した子どもたちのために走る!

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ONE SHIPS PROJECT DJ松浦俊夫、被災した子どもたちのために走る!

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“トウキョウ・ナイトクルーズ”を楽しんだ世代に、DJ 松浦俊夫という名前を知らぬ者はいないだろう。’90年代のクラブカルチャーを牽引した存在であり、現在もシーンの中心人物として活躍している松浦さん。そんな彼がいま、身も心もシェイプしてランニングを続けていることをご存知だろうか? それも、東日本大震災で被災した子供たちのために……。
今回は、去る2/26の東京マラソン2012で見事完走を果たした松浦さんの“Run For Children Tohoku”プロジェクトと、その寄付先である“ハタチ基金”への取り組みをクローズアップ。松浦さん本人とNPO団体カタリバの今村久美さんにお話を伺った。


−まずは、今村さんのやられている活動と、ハタチ基金について簡単にご説明いただけますか?

今村久美
(以下今村)
「今回震災が起きて子供たちの問題がいろいろと出てきているんですが、私たちの団体はいま、宮城県の女川町と岩手県の大槌町で“放課後学校”というかたちで、子どもたちの居場所と学習のスペースを作るべく、コラボスクールを立ち上げました。かなり広範囲に及ぶ災害が起こってしまったので、それこそ0歳児から20歳まで、世代的にも幅広くケアしなければならない現状があります。そんな活動をしている我々も含めて、5団体でハタチ基金を作りました。日本財団に基金を設置して、NPOカタリバ、Chance for Children、フローレンス、トイボックスが岩手、宮城、福島などで活動しています」

−ハタチ基金と松浦さんの“Run For Children Tohoku”の絡みは、どんな流れだったのでしょうか?

松浦俊夫
(以下松浦)
「これまでにも、自分が出来ることをやるというスタンスでさまざまな震災支援もおこなってきました。マラソンについては、いつかチャレンジしたいなと思っていて……。そんなとき、東京マラソンに出られる機会に恵まれたので、マラソンに挑戦することでオンライン上で寄付を集めるJust Giving Japan(http://justgiving.jp/c/7742*1 を通して、子どもたちの支援団体に寄付ができればと思ったんです。それが“Run For Children Tohoku”というプロジェクトなんですが、寄付先はチャリティサイトに登録されている団体の活動を見たり、いろんな方にお話も伺うなかで巡り会ったハタチ基金さんに決めました。それから交流が始まったんです」
今村
「実は今日、松浦さんに初めてお会いしたんですよ」
松浦
「そうなんですよ。これまではスカイプや、私のラジオ番組に電話で登場して頂いた際にお話したことはあったんですけどね」

−正直、松浦さんと走るという活動自体、イメージ的にあまり結びつかない人も多いと思います。

松浦
「まったくイメージとは逆でしょうね(笑)。でも、自分のような人間ががこうやって動くからこそ、見てくれる人もいると思うんです」

−今村さんは、松浦さんからアクセスがあったときはどう思われましたか?

今村
「あまりに意外だったんで、すごく驚きました。クラブカルチャーと子どもというのは、あまりリンクするものではないですし。NPOや東北の子供たちの支援というのは、社会的ムードにはなりましたけど、平常時で考えればある種マニアックな話なんですよね。でも、松浦さんのような方がマラソンを通してチャリティに参加されるというのは、私たちからしてみればメッセージが届かなかった方々に届けることができるので、本当にありがたいです。普段だったら出会わないチャンネルが、松浦さんの後ろには広がっているわけですから」
松浦
「自分は子どもの頃から父親の仕事で転勤を重ねてきたので、ふるさとがないんです。この支援を通して一番感じたのが、東北の人たちのふるさとへの強い思い。実際に被災地へ足を運んでみて、それを感じました。あぁ、これが東京に一番足りないものだなと。ですから、そういう思いがあるところに手助けしていきたいって思うんです」

−もう震災から丸1年ですが、現地の状況は率直にどうなのでしょうか?

今村
「被災地はたくさんあるので、場所と人、ターゲットによると思うのですが。いま必要なのは物ではなくて、関係性だと思います。衝撃的な体験を誰にも話せずにいる子どもたちがたくさんいるんです。1回分断された同じエリアに住んでいた方々も仮設住宅に移って、関係性もバラバラになっています。人に話ができる、話を聞いてもらえるというような関係性を、たくさん作ってあげれたらと思いますね」

−松浦さんは震災を通して、音楽への向き合い方などで変わった部分はありますか?

松浦
「今年は作品を作ろうと思っています。それで準備を始めているんですけど、本当に10年ぶりぐらいなので何か残る音楽をやりたい。もともと自分はそういう感覚で音楽を始めたので。あと、支援を通して思うのですが、とにかくどんなかたちでも、みなさん現地に行って欲しいですね。観光でも訪れることで結果的にその土地への支援につながりますから」
今村
「そうですね。被災地は徐々に建物も建ち始めています。復興する前に惨状を目の当たりにすることで、日本人として実感することがたくさんあると思います」

松浦 俊夫

日本のクラブカルチャーを牽引してきた立役者の一人。
1990年にUnited Future Organization[U.F.O.]を結成。ジャズ・クロスオーバーの旗手として、国内外で注目を浴びる。DJ活動を通して世界中を飛び回る傍ら、“Run For Children Tohoku”プロジェクトを始動。ランニングを通して寄付を集い、ハタチ基金への寄付を行っている。東京マラソン2012での初マラソンチャレンジは見事に完走。4時間25分でゴールした。

ONE SHIPS PROJECTでは、3月11日より松浦俊夫氏の“Run For Children Tohoku”とハタチ基金のコラボによるJOINT-Tシャツを販売。松浦氏によるデザインには、このプロジェクトに賛同したロンドン在住のDJ Gilles Peterson(ジャイルス・ピーターソン)氏、ミュージシャン・MCであるEarl Zinger(アール・ジンガー)ことRobert Gallagher(ロバート・ギャラガー)氏とともに世界4都市で行われているマラソン大会に出場しこのプロジェクトを継続していきたいと思う熱い気持ちが込められている。 製作費を除いた全ての収益は、“Run For Children Tohoku”を通してハタチ基金へ寄付される。

Tシャツ ¥3','990

注1:

Just Giving Japan

2001年に英国で設立されたインターネット上のファインドレイジング・ツール。 ※http://justgiving.jp/about/justgiving 参照。簡単に言えば、オンライン寄付のプラットフォームで、個人が支援したいNPOなどの非営利団体を選び、寄付を集めることができる。日本では2010年3月よりサービスを開始。