SHIPSイチオシのヴィヴィッドカラーは流行るのか?そうだ、WWDジャパン編集長に聞いてみよう! SHIPSイチオシのヴィヴィッドカラーは流行るのか?そうだ、WWDジャパン編集長に聞いてみよう!

SHIPSイチオシのヴィヴィッドカラーは流行るのか?そうだ、WWDジャパン編集長に聞いてみよう!

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SHIPSイチオシのヴィヴィッドカラーは流行るのか?そうだ、WWDジャパン編集長に聞いてみよう!

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 この春夏、SHPSでは気分が明るくハッピーになるヴィヴィッドカラーに注目している。一方で、ファッション界ではシャーベットカラーと呼ばれるパステル調もトレンド。そこで、日本で唯一のファッション週刊紙である『WWDジャパン』の編集長、山室一幸さんにSHIPSが推す今シーズンのトレンドカラーについてお話しを伺った。


山室編集長
(以下、山室)
実は昨年の春夏、すでにヴィヴィッドカラーが大きな注目を浴びていたんです。WWDジャパンでも、2011年春夏コレクションをレポートした号で『アクセサリーもヴィヴィッドカラーに染まる!』という特集をおこなったほどです。

2010年11月8日発売のvol. 1605では、『アクセサリーもヴィヴィッドカラーに染まる!』という特集が組まれた。2011春夏コレクションでは、ウエアだけでなくバッグやシューズにもヴィヴィッドカラーが多用されていたことがわかる。

−何故、ヴィヴィッドカラーに注目が集まったのでしょうか?

山室
ファッションというのは方程式があって、経済に活気があって平和な時代はスキャンダラスなものが人気になるんです。80年代もそうですし、古くは20年代もそんな時代でした。逆に、不穏な世の中になるとファッションにファンタジーが求められる。また、トレンドカラーが生まれる背景として、シーズンの2年前に世界15ヶ国が集まってインターカラーという流行色の提案がおこなわれるんですね。2011年春夏の2年前だと、ちょうどリーマンショック前夜。そこから軌道修正があって、ヴィヴィッドな色で気分を盛り上げようとなったわけです。しかし、不幸なことに日本では震災や原発の問題が起きてしまった。とてもそんな気分にはなれなかったんです。

−今シーズンは、シャーベットカラーがトレンドだと言われていますが

山室
シャーベットトーンというのもまた、スウィートでドリーミーで、まさにファンタジーの世界ですよね。ヴィヴィッドカラーと同じ流れのなかにあると考えられます。

−やはりファッションも世の中の状況とリンクしているんですね。常に華やかな世界なのかと思っていました。

山室
ファッションジャーナリストという仕事をしていますが、震災直後はそんなチャラチャラしたことが何の役に立つのかという気持ちになりました。それは今に始まったことではなく、戦争や飢餓のニュースを見るたび、いつも悩まされていたんです。でも、僕はファッションには力があると信じている。明るい色を着ると気分も変わるように、ファッションを通じて微力でもみんなを元気にしていきたいと思うんですね。先日、写真家のレスリー・キーさんが、表参道ヒルズで東日本大震災チャリティ・プロジェクトの写真展『THE COLORS OF HOPE』をおこないました。世界10ヶ国、15人の女性セレブリティを撮影しているのですが、その背景にはヴィヴィッドなカラーが使われています。カメラマンとして震災地に行き、その情景を目の当たりにした彼もまた、色で希望を届けたいという思いを込めたんですね。だから、SHIPSさんがヴィヴィッドカラーを提案されることは、すごくいいことだと思いますよ。

−ファッションにヴィヴィッドカラーをうまく取り入れるにはどうしたらいいですか?

山室
女性は意外に流行色を取り入れるのがうまいんですよね。でも、男性は臆病ですから冒険しない人も多い。でも、靴下やネクタイ、ポケットチーフなど、ワンアイテムでも雰囲気は変わります。これを機会に、今まで着たことのないものにチャレンジして欲しいですね。そして、女性はそんな男性をちゃんと褒めてあげて欲しい。お互いに気付いて褒め合うこともまた、元気が生まれるファッションの力のひとつだと思うんです。

SHIPSの春夏カタログでは、男女ともにヴィヴィッドカラーを取り入れたファッションを提案。見ているだけで気分がUPするコーディネートは、周囲もハッピーな気持ちにしてくれる。トップスに明るい色を使えば、反射効果で表情も豊かに見えてくる。

山室 一幸

1959年10月18日東京生まれ。上智大学理工学部機械工学科卒業。
1985年よりTV番組「ファッション通信」の番組プロデューサーとして、世界各国のファッションシーンを取材。
2006年よりファッション週刊紙「WWDジャパン」編集長に就任。

2007年9月7日に創刊された日本初のビューティ週刊紙「WWDビューティ」の編集長も兼任。
そのほか、ファッション・ジャーナリストとして、各種メディアへの出演や執筆。トークショーやイベント司会など、さまざまな場所でファッション評論を展開している。