35周年スペシャルムービー『Take us to a wonderful place』公開!! 35thスペシャルインタビュー ―フォトグラファー 伊藤彰紀さん― 35周年スペシャルムービー『Take us to a wonderful place』公開!! 35thスペシャルインタビュー ―フォトグラファー 伊藤彰紀さん―

35周年スペシャルムービー『Take us to a wonderful place』公開!! 35thスペシャルインタビュー ―フォトグラファー 伊藤彰紀さん―

35周年スペシャルムービー『Take us to a wonderful place』公開!! 35thスペシャルインタビュー ―フォトグラファー伊藤彰紀―

35周年スペシャルムービー『Take us to a wonderful place』公開!!
35thスペシャルインタビュー ―フォトグラファー 伊藤彰紀さん―

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SHIPS初となるショートムービー『Take us to a wonderful place』。霧が立ち込める幻想的な空気と、極めて自然な男女の表情が印象的だ。フォトグラファー伊藤彰紀氏ならではのドキュメンタリー的なアプローチによるストーリーは、1分53秒に凝縮されたハートウォーミングな世界を堪能できる。


SHIPSレーベル35周年となる秋冬カタログにて、巻頭の男女のファッションストーリーのヴィジュアルメイクを担当したフォトグラファー、伊藤彰紀氏。国内外で活躍するスペシャリティが目指した新鮮な世界観とはいかなるものだったのか? そしてムービーとスチールにおける表現の違いとは?彼が心掛けているという“普遍的な表現”の本質に迫った。


??今回はSHIPSレーベル35周年を記念したファッションストーリーでしたが、端的に目指したイメージのようなものはあったのでしょうか?

伊藤 今回に限ったことではないんですが、基本的にヴィジュアルを作る際に常に心掛けているのが、普遍であること、古くならないもの、ということなんです。その中で、最近クローズアップされている人間同士の“絆”や幸福感みたいなものを切り取ろうと思いました。モデルが男女のペアですから、2人のつながりや絆みたいなものが伝わる表現を目指しましたね。もともと幻想的な空気が撮れればと思っていたんですが、早朝、ロケバスで撮影現場に向かうと、見事に奇跡的な霧が広がっていたこともあり、まさに思い描いた世界観が作り出せたと思います。これは狙ってできるものではないので、本当にラッキーでしたね。

??SHIPSレーベルは35周年を迎えて、改めて「STYLISH STANDARD」というキーワードを掲げています。伊藤さんがそんな言葉にシンパシーを感じる部分はありますか?

伊藤 先程言ったように、何かを作る上で普遍的なものっていうのは常に意識しています。僕が目指している写真、好きな写真というのは、結局、巨匠と呼ばれるリチャード・アベドンやヘルムート・ニュートンであったりするんですね。そんな方々が残した写真っていうのは、常に参考になって古くならない。スタイリングやヘアメイクが時代によって変わっても、写真として古くならないんです。そういうところにこそ、真にスタイリッシュなものが隠されていると思いますね。

??今回はカタログとは別に、ショートムービーでのクリエーションも行っていただきましたが、やはりスチールと異なる難しさはありますか?

伊藤 正直、ムービーだからスチールよりも難しいとか、感覚が違うということはありません。スチールも時間を切り取っているわけですし、そんなに変わりはないですね。今はムービーも小さなカメラで撮れますし、スチールとの境目が無くなっている部分もあります。自分はスチールを撮るときもモデルを動かして撮ることが多いので、撮り方としての違いもそれほど感じないんです。もちろんムービーの場合は、いつも以上に撮影後の編集のことは考えますが。

??ファッションヴィジュアルは、世界的にもスチールからムービーに移行している部分がありますが、それは今後激化していくと思いますか?

伊藤 ムービーにはムービー、スチールにはスチールの良さがあるので、どちらかが表現として極端に増えたり無くなったりすることはないと思います。スチールは絵画的であったりしますし、ムービーは音楽的な部分もある。ただ、ムービーはすごく手軽になってきていますし、拡がりは確実に感じますね。

??伊藤さんの今回のストーリーには、スチールにせよムービーにせよ、いつもとは違った魅力があるように思うのですが?

伊藤 そうですね。今回は洋服の見え方というよりも雰囲気や空気感が求められたので、そこが落としどころとして大きく違います。普段も作った表情にはあまり面白さを感じません。ポートレートにしてもちょっとした口の動きだったり、手の指の動きだったりで時間を感じさせることができますから。そういう意味でも今回のムービー製作は本当に自分が意図したもの、充実したものができたと思います。自分なりの手法を生かして楽しんで作ることができました。


伊藤 彰紀

フォトグラファー。1977年生まれ。1996年に渡米、ニューヨーク州立大学バッファロー校卒業。現在はメンズ、レディスを問わず多くのファッション誌、広告、カタログ、ムービー等のヴィジュアルメイクを手掛ける。aosora所属。
アシスタント、レタッチャー募集中。問 aya@aosora.info