話題のオンラインマガジン『HYPEBEAST』の全貌を探る! 話題のオンラインマガジン『HYPEBEAST』の全貌を探る!

話題のオンラインマガジン『HYPEBEAST』の全貌を探る!

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話題のオンラインマガジン『HYPEBEAST』の全貌を探る!

SHIPS JET BLUE

最新のスニーカー情報からウエア、カルチャー、アートまで、世界中のいまがわかるオンラインマガジン『HYPEBEAST(ハイプビースト)』。ストリートカルチャー好きなら、英語が読めなくても毎日チェックしておきたいメディアのひとつだ。今回は、世界に向けて日本の情報を発信している伊藤貴啓さんに、『HYPEBEAST』の成り立ちや新しい雑誌のことについてお話しを伺った。


――HYPEBEASTが誕生した経緯を教えて貰えますか?

伊藤 代表のケヴィンがまだ大学生だった2005年にスタートしています。当初はスニーカーに関する個人ブログで、アクセス数が増えるにつれてメーカーからスニーカーが送られてくるようになったり、広告が入るようになったりしたみたいですね。人気ブログが徐々にメディア化して、スニーカーだけでなくウエアや音楽などカルチャーを扱う媒体に進化していった感じです。

――アメリカのサイトかと思っていましたが、本拠地は香港なんですね。

伊藤 もともとのチームはカナダ在住の香港人です。ケヴィンはカナダの大学を卒業後、香港に戻って一度は銀行勤めをしていたんですよ。いまは香港に40人くらいのスタッフがいます。オフィスも昨年構えたばかりで、それまでは自宅で作業するような規模でした。


――情報が世界中から集まっていますが、どういう仕組みになっているんですか?

伊藤 全世界の主要都市にコントリビューターがいて、彼らが写真やテキストなどの素材を送っていいます。それを香港オフィスで修正してアップしています。

――コントリビューターは世界各国にどれくらいいるんですか?

伊藤 L.A.、N.Y','、ロンドン、アムステルダム・・・、う〜ん、僕も把握しきれてないですね。流動的なので、本部に聞かないとわからないですね。


――伊藤さんもコントリビューターのひとりなんですよね?

伊藤 もともとはそうですね。最初は一読者で、PRの仕事をするようになってから試しにPUBLIC IMAGE(日本のファッションブランド)で作った動画を送ったんですよ。それが掲載されて、反響の大きさにびっくりして。以後、いろんな情報を送るようになったんです。そうしたら、向こうからコントリビューターのオファーがあって、いまは広告案件も扱うエージェントという立場ですね。

――HYPEBEASTがここまでウケた理由はどこにあると思いますか?

伊藤 まずは、毎日20〜30ものコンテンツがアップされる情報量の多さが挙げられると思います。しかも、世界中から時差なく情報が入ってくるのでタイムリーなんですよね。あと、コメント欄にはヘイター(サイトに対してアンチ姿勢の人)からのネガティブな書き込みもそのままにしていて、その自由さも“らしさ”のひとつだと思います。ソーシャルメディアへの対応も早かったですね。FacebookやTwitterはもちろん、Tumbler、Pinterest、Instagramにもいち早く参入してきましたし、新しいSNSが生まれるとまずはトライしてみるという姿勢なんですよ。


――今回、雑誌を作られましたが、何故いま紙媒体に注目したのですか。

伊藤 1年くらい前に日本でケヴィンと飲みながら、紙媒体とウェブは何が違うのかという話になったんですよ。ウェブはタイムレスに全世界で共有できる一方、タイムラインの流れは早いし文字数も少ない面がある。コメント欄にはよく「日本のものは何故こんなに高いのか?」という書き込みも多くて、日本製品に限らず商品の価値がしっかり伝わっていないっていう話になったんですよね。ケヴィンは日本の雑誌が好きで、「よく調べている」と感心しているんです。より自分たちの好きなブランドや商品、カルチャーに関する理解を高めたいという気持ちから、カタチに残るものを作ろうとしたんです。でも、ウェブに比べて制作予算が圧倒的に違ったり、撮影用の商品リースができなかったり、すぐに壁にぶち当たりました(笑)

――でも、すごくよくまとまっているというか、純粋にカッコイイ雑誌ですよね。

伊藤 彼らは雑誌づくりに関するヘンな知識がないから、ピュアにつくっているんですよ。日本だとブランドの並び順とか、扱いの大きさとか制約が多いじゃないですか。彼らは意味がわからないって感じでゴリ押ししていますから(笑)。ハイブランドとストリートブランドが並列で紹介されているのは、彼ららしい視点だと思います。日本に関するコンテンツも計50Pくらい割いていますよ。


――伊藤さんはカナダやロンドンでの留学経験があって、日本でPRの仕事をしながらHYPEBEASTに関わってらっしゃいますが、そこから俯瞰して日本のブランドを見たときにどんな思いを抱きますか?

伊藤 もっと日本のブランドは海外に出るべきですね。もったいない気がします。震災以前からずっとアパレル業界が落ち込んでいることもあって、才能あるデザイナーも売るために消極的になっているような気がします。とはいえ、日本のマーケットは世界的に見てもまだまだ大きいんですね。47都道府県どこにでもオシャレなお店はあるし、ファッション的な教育もされていてダサい人がいないじゃないですか。これはすごいことだし、今までは国内だけで完結できたんです。海外との取引きは代金の未払いなどリスクもありますが、日本の景気に左右されて好きなものを作れないなら海外でチャレンジするのもひとつの方法だと思うんですよ。日本人のカルチャーの切り取り方や、ものの見方っていうのはレベルが高いので、勝負はできると思っています。

――今後、どんなことをしていきたいですか?

伊藤 日本をもっと紹介していきたいですね。発信すべきことはまだまだあるので、少しずつやっていけたらと思います。

――是非、今後も日本のブランドやカルチャーを世界に発信してください。期待しています。今日はお忙しいなかありがとうございました。


伊藤 貴啓


1986年生まれ愛知県出身。高校生の一年間をカナダのバンクーバーで過ごし、外国語大学にて英米語を専攻する。
大学在学中にファッションへ傾倒しロンドンへ留学し、親交のあった現地バッグブランドJas-M.B.にてファッション業界のキャリアをスタート。
4年間の滞在期間を経て帰国し、プレス・セールスエージェント4K[sik]に入社。HYPEBEASTとの契約を締結しJapan Repとして活動。

http://hypebeast.com/

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