35thスペシャルインタビュー ―BONNIE PINKさん― 四季が感じられる、STYLISH STANDARDな暮らし 35thスペシャルインタビュー ―BONNIE PINKさん― 四季が感じられる、STYLISH STANDARDな暮らし

35thスペシャルインタビュー ―BONNIE PINKさん― 四季が感じられる、STYLISH STANDARDな暮らし

35thスペシャルインタビュー ―BONNIE PINKさん―
四季が感じられる、STYLISH STANDARDな暮らし

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家庭菜園など、土いじりをすることで四季を感じながら暮らしているというボニー・ピンクさん。同世代の女性だけでなく、幅広い層から愛される理由は、そんなナチュラルな生き方にあった。


―今回は「STYLISH STANDARD」がメインテーマなんですが、その言葉を聞いてどんなことを想像しますか?

ボニー・ピンク(以後、B.P) 普遍的なこととか、ブレずにずっと好きなモノとかコトですかね。そういうものがあるなら、それが「STYLISH STANDARD」なのかと。無い人もいると思うので。

―ボニー・ピンクさんにとって、それはどんなものですか。

B.P 音楽はやっぱり好きですね。音楽で気分をリセットするみたいなところがあって。四六時中聴いているのは好きじゃないですが、大事なタイミングには常に音楽がありますね。あと、最近は毎日土いじりしています。私の家は祖父母が農家で、父が趣味で畑をやっていたりと、そういう影響があるのかもしれないですけど。でも、最近は若い子もやっている人が増えていますよね。これからの地球人のスタンダードになるかもしれない。

―土いじりはどこでやっているのですか。

B.P プランターを使ってベランダで育てています。夏はきゅうりやトマト、今年はオクラが豊作でしたね。これからの季節はナス、にんじん、こかぶとか。シソとかハーブ類は常にたくさん生えていますよ。昔はスーパーで買っていたものが、いまは季節ごとにベランダで採れるので、収穫状況で料理のメニューを考えることが多くなりました。四季が感じられる暮らしを気に入っているので、これからも続けたいですね。

―ベランダがプランターだらけになりそうですね。

B.P そうなんです。隙間があったら何か植えている感じで。野菜だけじゃなくて、観葉植物や多肉植物もいっぱい育てているんですよ。多肉植物は寄せ植えもしているので、ホームセンターとかでおもしろいのを見つけると思わず買ってしまいますね。

―いつくらいから植物を育てるようになったんですか。

B.P グリーンとかお花が家にないとだめなんですよね。だから、ひとり暮らしを始めすぐから育てていますよ。昔はサボテンも枯らす勢いでしたけど、最近は何でもグングン育つようになりました。

―土をいじるようになってから、生活とかも変わりましたか

B.P 朝の時間を大切にするようになりました。水をやって、手入れをしてと、規則正しい生活になりますね。もともと不摂生をするタイプではないですけど。

―でも、最近は本当に家庭菜園というか園芸ブームですよね。

B.P 原発事故以降、口にするものに対してみんな神経質になっていますよね。でも、食はもとから大事なことですから。食べるものがその人を作ると思っているので、食べることに無関心な人は「自分への諦めがあるのかな?」と思ってしまいますね。食をしっかり考えている人は、ちゃんとしているなって思うし。数年前は、漠然と「エコがおしゃれ」みたいな雰囲気でしたけど、それが一過性のもので終わらずに細分化したのはいいことだと思いますね。

ボニー・ピンクさんのベランダで実ったトマトやオクラ。さらに、最近ハマっている多肉植物の寄せ植え。動物のフィギュアや石を置いて、ジオラマ風にしているのがユニーク。

―生活のなかで他にも気を使っていることはありますか。

B.P 風水もハマったことがありますね。あれは統計学なので、理に適っていることが多いんですよ。どこか断捨離と似ていて、結局はちゃんと身辺整理しましょうってことなんです。気持ちいい空間を心がけてレイアウトすると、風水的にも正解だったりしますし。あまりがんじがらめになるのはよくないので、うまく軌道修正する感じで使えばいいと思いますね。

―最近、洋服とか買っていますか。

B.P 洋服を買いに行くぞって気持ちは落ち着いてきましたね。昔から、人混みと店員さんの接客が苦手なんです、ほっといて欲しい(笑)。なので、地方へライブに行ったときや、旅行のついでに気に入ったものを買うことが多いですね。普段はデニムとかカジュアルなスタイルで、ワンピースがたまに。モノを増やしたくないので、いつも同じものを着回していることが多いですね。全身の9割はいつもの感じで、残りの1割を小物使いで変化を持たせて遊ぶのが好きです。

ボニー・ピンクさんののD.I.Y.魂をくすぐる青春映画『Pretty In Pink』と、手作りアイテム(HOPEを編み込んだミサンガ、ガラスの一輪挿しにワイヤーとリボン、アーティフィシャルフラワーを使ってデコレーションしたもの)。

―ボニー・ピンクさんのファンは、男女比はどちらが多いですか。

B.P いまは半々くらいですね、落ち着いた雰囲気の方が多いかも。あと、比較的オーディオマニアというか音質にこだわりのある男性が多いですね(笑)。カップルや夫婦、親子もいらっしゃいます。

―女性ファンがほとんどなのかと思っていました。ボニー・ピンクさんの歌詞は、あまり悩まずに次へ行こう! みたいな前向きなものが多いですよね。

B.P サッパリしているのが好きなんですよ。そういう私の性格が見え隠れしているのかもしれないですね。でも、詞の世界すべてが自分の経験というわけではなくて、誰かのエピソードやニュースを参考にして書くことも多いですよ。ニューアルバムの『Chasing Hope』も、12曲すべて主人公は違う人ですし。歌詞を書くときは、聴いてくれる人が自分を投影できるような余白を残すように意識していますね。

―作曲はどんなときにされますか。

B.P 私は、さぁ作るぞって時間を決めて作るタイプですね。ギターやピアノは使いますが、それは頭に鳴っているものを人に聞かせるために音にしていく作業。それをデモテープに収めて、そこからはミュージシャンたちと共同作業で作り上げていきます。昔は、音楽からジャケットデザインまで全部ひとりでやりたい気持ちが強かったんですけど、それはただの若気の至りで。大人になるにつれて、人との摩擦でしか生まれないクリエーションに可能性を感じるようになったんです。ひとりよがりの時期っていうのは自分の限界を知らないときだと思うし、それも大事なことだと思うんですよね。でも、行き詰ったときに助けてくれるのは自分以外の人なので。最近はみんなのアイデアを率先して聞きますし、また自分の閃きがあればちゃんと伝えるようにしていますね。

―最後に、アルバム『Chasing Hope』に込められた思いを教えて頂けますか。

B.P 311以降、ずっと曲を書こうか迷いながら過ごしていて。昨年の暮れくらいに、そろそろ冷静になれたかなと思って書きはじめたんですね。振り返ると、震災以降の日本を思いながら作っていました。基本的には聴いてくれた人に前向きになって欲しいと思っていて、明るい方向に向かっていこうというアルバムになっています。ドライブや屋外で聴きたくなるポップな曲が詰まっていますので是非聴いてみてください。

―今日はありがとうございました。

曲作りをするときなどに愛用しているギター「マーチン00-21NY」。
立てかけられた壁のペイントもおしゃれ。

『Chasing Hope』

約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。ドラマ「ダーティ・ママ! 」の主題歌「冷たい雨」ほか全12曲収録。プロデューサーに、鈴木正人(LITTLE CREATURES)、會田茂一、Curly Giraffe、Burning Chicken(from Sweden)、Tore Joh ansson(from Sweden)ら盟友たちを迎え、プロダクツに円熟さを増しつつも更に進化&深化した一枚。

BONNIE PINK

京都府生まれ。’95年にアルバム『Blue Jam』でデビュー。’06年には『嫌われ松子の一生』で初の映画出演。 同年6月に資生堂ANESSAのCMソング『A Perfect Sky』をリリースし、20万枚を越えるヒットとなる。 その後も映画やドラマ、ゲームなどの主題歌、オリジナルアルバムなどを次々とリリースし現在に至る。 9/14(金)名古屋CLUB Diamond Hallを皮きりに、全国10か所で「BONNIE PINK TOUR 2012 “Chasing Hope”」がスタートする。

http://www.bonniepink.jp/