35thスペシャルインタビュー ―TRAVAIL MANUELオーナー 安倍理恵さん―
日々の生活に溶け込む「STYLISH STANDARD」とは?
リフラティ シップスで取り扱うブランドの中でも、幅広い年齢層の方々に根強い人気を誇るTRAVAIL MANUEL(トラバイユマニュアル)。造語で「仕事の手引き」という意味を持つTRAVAIL MANUEL。聞くだけで真摯な仕事っぷりが想像されるこのブランドで、ご主人と一緒にウェアのデザインから、雑貨やインテリアのセレクトなどをこなす安倍さんに、今回、ご自身の思う「STYLISH STANDARD」について語っていただきました。
―まず、安倍さんが思うSTYLISH STANDARDとはなんですか?
まずはじめにその言葉を効いた時、漠然と“好きな物”とか“日常生活の中で過ごすときに欠かせない物”というイメージが浮かびました。そうすると、私の身の回りにあるインテリアやお洋服は、シンプルだけどどこか個性があったり、雰囲気が偏り過ぎていないものが多いことに気づきました。
―安倍さんが選ぶ家具や雑貨は、どんなものが多いですか?
シンプルなデザインながらもどこか個性的なもの、ビンテージ家具でも古さを感じさせないデザインでどこかモダンな雰囲気を兼ね備えていたりするものが好みです。それはお店作りやお洋服でも一緒で、ナチュラルな家具の中に武骨なラックがあったり、シンプルなドット柄でも色や使い方で個性を主張したりする。新しい物の中に、アンティークなものが入っていたり、異素材同士を合わせてお洋服を作ったり、そのミックス感って、私の中で実はとても重要なことなんですね。例えば私は仕事をしていながら、主婦だったり、母親だったり、いろんなシーンがあるんですけど、それらは私のTPOにとても柔軟に対応してくれるんです。
―それはどのような形で、生活に関わっているんですか?
私は服作りをしているので、洋服に関しては自分の好きなイメージを形にする事ができますが洋服に限らず、家具も雑貨も全部生活の一部で、日々好きなアイテムを身近に感じたいと思っています。若いときは洋服が好きで、そればかりやってたけど、ある程度経験を積んで自分の好きな物が見えてきたときに、今の感性やライフスタイルにいきつきました。何かに特化してってわけではなく、心地よい生活に欠かせないすべてのパーツが、私のSTYLISH STANDARDなのかもしれません。
フィンランドの大人気ブランド・アラビアのカップ&ソーサーと、シンプルなドット柄のクロス。ドット好きと豪語する安倍さんが、お客さまに使っているというカップ&ソーサーは、パラティッシブラックの再生産されたもの。どこかドットを感じさせる植物の絵柄とシンプルな色使いがツボなのだとか。
ご夫婦揃って敬愛しているという、世界を代表する建築家・アルヴァ・アアルトのビンテージ家具、椅子と傘縦。
シンプルなフォルムで洗練されたデザインは、60〜70年たった今でも全く古さを感じさせない。ビンテージならではの絶妙な色合いと風合いは時間だけが生み出せるもの。当時の人々の生活を想像するだけで楽しくなるそう。
2年前にご自宅をフルリノベーションしたという安倍さん。その際にも参考にしたというアルヴァ・アアルトの作品集がこちら。北欧出身でいながら、モダンかつ洗練された作品の数々は、後世に語り継がれている。
民家や図書館、町役場など様々なアアルト建築に心酔できる一冊は、安倍さんのお気に入り書籍に。
通り面したウィンドウから覗くと、多肉植物が活けられたアルミの小物入れが並ぶ。キッチンや書斎、ちょっとした空間をおしゃれな収納スペースに変えてしまう雑貨は、プレゼントなどにもオススメしたい。
安倍 理恵
東京都出身。
服飾学校を卒業後、アパレルメーカーに4年間勤務。その後、セレクトンショップの企画経験を経て独立。
2007年にTRVAIL MANUELを立ち上げる。
「気持ちの良い生活を送るための日常着」をコンセプトに、ナチュラルながらもどこか遊び心と独自の世界観をのぞかせる服や小物、雑貨を展開中。幅広い年齢層の方から支持を集めるショップとして、去年、花小金井にオープン。
東京都小平市花小金井1-4-29
TEL:042-452-9577
営業日などはHPでチェック http://travailmanuel.net/