35th年スペシャルインタビュー -メイクアップアーティスト MICHIRUさん- 心と体が喜ぶナチュラルスタンダードスタイル

―今号のインタビューテーマである「STYLISH STANDARD」について、まずどんなことを連想されましたか？

MICHIRU　言葉のイメージは何かの「軸」といったものを思い浮かべました。その人の中心にあるもの、普遍的で変わらないもの、長い時間をかけて培ってきたものが「STYLISH STANDARD」だと思います。

―MICHIRUさんご自身の「軸」とは？

MICHIRU　15年前に始めたヨガはライフスタイルの「軸」になっていますね。当時、仕事が本当にハードで、肩こりや体調不良に悩んでいたんです。マッサージにも限界を感じて、人の手を借りず、自分の体を根本から直そうとヨガ教室に通い始めました。あの頃はヨガなんてまだ誰も知らなくて、変な宗教かと思われてました。(笑)でも、やっていくうちにどんどん体の調子が良くなっていって、マインド的にもとてもリラックスできるようになったんです。職業柄、毎日不規則でハードなので、いかにベストなコンディションで毎日を気持ちよく過ごせるかが大切なんです。疲れているといい仕事ができませんからね。

―食生活にも気を遣っているそうですが

MICHIRU　食生活はとても重要です。これも私の「軸」ですね。8年前主人とインドに行ってアーユルヴェーダの施術を受けたんです。1週間ヨガリトリート施設に入って、朝晩ヨガをして、お肉を食べない食事療法や瞑想を行いました。そしたらすごく調子が良くなって。それをきっかけに主人とベジタリアンになりました。昔は寝起きに肩が痛い、首が痛い、体がだるい、といった症状がありましたが、今では毎朝気持ちよく起きられます。ヨガもそうですが、気持ちのいいこと、体が喜ぶことを取り入れていくうちに今のライフスタイルが出来上がりました。

―休日はどのように過ごしていますか？

MICHIRU　丸1日お休みという日はないので、その分年に1回半月お休みをもらって海外旅行に行きます。外に出すばかりで自分の中に取り入れられるものがなくなってくるので、そこで充電するんです。毎年テーマを決めて行ってるんですけど、去年はブータンに行きました。震災後だったので、人の幸せって何だろうと思って、国民総幸福量の増加を政策の中心にしているブータンに行ってみたいと思ったんです。旅先で得たインスピレーションを仕事に落とし込んだりもしています。結局プライベートでも仕事のことを考えてしまうんですよね。(笑)

―MICHIRUさんの「STYLISH STANDARD」なアイテムを教えてください。

MICHIRU　私の中で「STYLISH STANDARD」っていうのはエターナルなもの。長年使っていて飽きない、時代が変化しても変わらない本当にいいものです。先日出版させていただいたメイク本のサブタイトルも「ETERNAL BEAUTY RULES」。今回の取材テーマとリンクしているんですよね。本の中で私が長年愛用しているグッズを紹介しているのですが、フェイスブラシなど、10年選手のものがたくさんあります。

―出版された本の内容についてお聞かせください。

MICHIRU　基本的な内容はメイクのHOW TO本です。メイクの世界もその時代時代で色々変化しますが、根本的なその人の軸というのは変わらないものです。その変わらない個性やオーラにほんの少しのエッセンスを加える、そうするとその時の洗練されたモダンな雰囲気に見える、私はそれがメイクアップだと思っています。個性を引き出す、ということです。人それぞれ美しく見えるメイク術は違いますから。この本でもポイントメイクだけのシンプルメイク、エッジを効かせた個性的なメイク、モデルさんによって様々です。グッズも流行にかかわらず、私が今まで使ってきて本当によかったと思う厳選されたスタンダードなアイテムを紹介しています。

―その個性はどうやって見つけるんですか？

MICHIRU　とにかくたくさん話をします。初めましてって会っても見ただけではその人がどんな人なのかはわかりません。ですから、話をしながらどんなことが好きなのか、普段何をしているのか、どんな洋服を着ているのか、どんなメイクをしているのかなど、その人のバッググラウンドを探っていきます。メイクに望んでいることも人それぞれですからね。