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秋はライフセーバーの競技大会のシーズン。夏のパトロール監視活動で培った技術力・パワーを競技大会で競います。第37回全日本ライフセービング選手権大会が、10月8・9・10日の3日間にわたり神奈川県藤沢市片瀬西浜海岸で開催されました!大会の模様を、特定非営利活動法人下田ライフセービングクラブ(以下 下田LSC)副理事長兼競技部担当理事 宮部周作(ライフセービング暦20年)が、レポートします。


ライフセービングの競技大会とは・・・・・

事故は未然に防ぐことが重要ですが、実際に事故が起こった場合に大きな波の中や強い潮の流れの中で人を救助してくることはそう簡単なことではありません。時には一度に数人が溺れ、救助を繰り返さなければならないケースもあるのです。そのためにライフセーバーは日頃からトレーニングをかかさず、救助に必要な 技術を磨いています。そしてその成果を競い合うことでより高めていこうと開催されているのがライフセービング競技会です。競技種目については(http://www.jla.gr.jp/competition/item.htm)を参照ください。

下田LSCでは、各種目での1位や上位入賞を始め、日本代表選手などが多くメンバーとして在籍しています。また世界大会へ向けた、日本代表選手をこれまで多く輩出しています。今年の第37回全日本ライフセービング選手権大会には下田LSCを含め全国から58クラブ、1','158名のライフセーバーがエントリーし、天気に恵まれ秋晴れの中での開催となりました。トップ選手だけでなく、浜に立つ一人ひとりがライフセーバーとしてもっと強くなるために、日本での発祥の地である下田の名前とあの海に恥じないように日々のトレーニングの成果、チームワーク、海を読む力、スピリッツを発揮し、社会人・学生ともに力を合わせて競技に挑み多くの種目で入賞を果たしました。また、メンバー層の厚さ、チームワークの良さを全国のライフセービング関係者にアピールしました。総合成績では、3連覇がかかっていましたが、1ポイント差で1〜3位が並ぶという大激戦の末、2位という結果に終わりました。1ポイントの差をメンバーひとりひとりが重く受け止め、来年は再び総合優勝!を目指してチャレンジを続けていきます。

--大会結果の感想

大学1年生の頃の夢だった"ボードレースのチャンピオン"になることができました。この金メダルは自分ひとりで取ったものではなく、下田LSC全体で取ったものだと思っています。

--ライフセーバーを志したきっかけ

ライフセービング活動に取り組んでいる先輩たちの雰囲気がとても良く、楽しそうだったからです。また、人の役に立ち、社会に貢献したかったということもきっかけのひとつです。

--日々のトレーニングについて

実は私は練習が嫌いなのですが、同じ志を持つ同期がいつも以上に練習に励んでいたことがきっかけで頑張れました。また学生最後の大きな大会というのもあって、週3回ほど海でボードのトレーニングを行いました。

--なぜ競技に力を入れて取り組んでいるか

全ては夏のパトロールでの無事故達成へと繋げるためです。地元の方々や海水浴に来られるお客様が、安心して海水浴を楽しんでもらうためです。

--競技をどのようにパトロールで活かしているか

競技をすることによって練習をします。そして体力がつきます。練習で海に入ることによって、海の知識や技術が身につきます。

--今後の目標

1位をとれたことがとても自信に繋がったので、これからはもっと自信をもってパトロールができます。また女性ライフセーバーは男性よりもパワーが無いのでレスキューが遅く、レベルが低いという訳ではないので、私が今まで先輩に教えてもらったように後輩への指導もしっかりし、無事故を達成していきたいです。

--大会結果の感想

1位を狙っていたので悔しいです。

--ライフセーバーを志したきっかけ

海に興味がわき、オーシャン競技が自分に向いていると思ったためです。

--日々のトレーニングについて

夏-サーフスキーほか。
冬-クロスカントリースキーほか。

--なぜ競技に力を入れて取り組んでいるか

競泳経験のない人でも活躍できるフィールドがあることを証明することで競技人口を増やしライフセービングの発展につなげたいためです。

--競技をどのようにパトロールで活かしているか

競技を続けていないと目標がなくなり体力が低下するためです。

--今後の目標

全日本選手権優勝(個人・リレー・チーム)。

--大会結果の感想

優勝の喜びと、多くの方々に支えていただいたという感謝の気持ちでいっぱいです。

--ライフセーバーを志したきっかけ

今まで培ってきたことがパトロールや競技を通じて人の為になるということに魅力を感じました。また真新しいことにチャレンジしてみたかった為です。

--日々のトレーニングについて

平日は東京で会社員として働きながら、時間を見つけてトレーニング。休日は下田でのトレーニングを仲間でと行います。

--なぜ競技に力を入れて取り組んでいるか

競技に力を注ぐことで、現代人の海離れ防止やライフセーバーの認知度をあげて行きたいです。また海の魅力、怖さを伝えていきたいです。

--競技をどのようにパトロールで活かしているか

競技で培った体力、テクニック、海を見る力を活かして、より迅速で効率的なレスキューに繋げることができます。

--今後の目標

日本ではまだまだパトロール(監視活動)の環境が整っていないのが現状です。海で囲まれている日本でライフセービング活動を今後広げて行くためにも、より多くの方に目を向けてもらいたいと思っています。そのためにもパトロール、競技会共に全力で臨みます。

--大会結果の感想

斉藤:2位に入賞できて嬉しいです。また、下田LSCの代表として出場しましたが、仲間の応援が私の背中を押してくれて、最高の状態でレースに挑めました。本当に仲間っていいなと思いました。
高岡:去年より順位もあがったし、何より一年の時からパートナーを組んでいた勝茂さんと2位になれて最高でした。いい思い出になりました。

--ライフセーバーを志したきっかけ

斉藤:学生生活で沢山の人々に安心を提供できる活動がしたかったこと、また、人のために努力できることに魅力を感じたことがきっかけでライフセービングを始めました!

高岡:水泳をやっていたため、その泳力を活かせるスポーツをやりたくて、「愛する人を守れますか?」のフレーズに一目惚れしてライフセーバーになりました。

--日々のトレーニングについて

斉藤:溺れている人のところへ速く辿り着けるようにボードのスタートの練習や、波を越える練習などを行っています。またランやスイムの練習も行い、基礎体力をつけることも心がけています。全ての練習がレスキューに通ずるという思い、取り組んでいます。
高岡:基本毎日走っています。音楽を聞きながら汗をかいて走っている自分に酔いしげながら、トレーニングしています。

--なぜ競技に力を入れて取り組んでいるか

斉藤:競技に取り組むことにより、レスキューにおける技術・体力の向上を図ることができるからです!

私たちはいつでも競技力の向上=レスキュー力の向上ということを信念に練習しています。
高岡
:競技のナンバーワンはレスキューのナンバーワンだからです。

--競技をどのようにパトロールで活かしているか

斉藤:競技力を発揮するためには体調管理が必須です。そのため、体調の崩れやすい真夏のパトロール期間での体調管理が活かされています。その他、海で練習することにより、海を見る力や知識がついてパトロールで危険な場所を把握し、危険から遊泳客の方々を守ることができます。
高岡:あの人なら人を助けられるオーラを出してお客さんを安心させる。

--今後の目標

斉藤:来年からは社会人としてライフセービングに関わることになるので、後輩達の育成はもちろん、目標とされるライフセーバーとなりみんなを引っ張っていきたいです!そして下田LSCのライフセーバー一人一人のレベルが向上し、より安心で安全な下田・南伊豆の海水浴場を提供していきたいです!
高岡:日本を代表するライフセーバーになりたいです。

下田のジュニアライフセーバーの活躍!

今年は下田のジュニアメンバーがライフセービングの競技会に初出場しました。
第8回ジュニア・ライフセービング競技会 〜with 第3回JLA classic〜が、9月18日(日)に神奈川県藤沢市片瀬西浜海岸で開催され、下田LSC所属の佐藤 虎大君(写真左・朝日小学校6年)がニッパーボードレース(5.6年男子)に初出場し4位入賞を成し遂げました。
下田LSCは未来の下田のライフセーバーを育てるため、水辺の事故防止・安全の啓蒙を図るため、海の楽しみ方・応急処置法などを小・中学生を対象とする、ジュニアライフセービング活動に1990年から取り組んで指導しております。

宮部 周作
(特定非営利活動法人下田ライフセービングクラブ 副理事長兼競技部理事)

大学入学と同時にライフセービング活動を始める。大学卒業後、半導体の専門商社に入社。現在も米系半導体関連企業に勤める傍ら、週末はパトロール、トレーニング、競技参加など、季節問わず下田・南伊豆にてライフセービング活動を行っている。