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空間を演出するにあたり欠かす事が出来なくなったアロマの存在。クリスマスや年末年始のホームパーティを心地よく過ごす為の香りづくりをアロマ空間デザイナー吉国志津子さんに提案していただきました。身近にあるいつもの香りをベースにつくられた3種のアロマは、どれも繊細でパーティー気分を盛り上げてくれるものばかり。その香りのブレンド方法や気になる効能も一緒に紹介していただきました。年末の空間演出に役立ててみては如何でしょうか。


これからの季節って言うとやはりクリスマスですよね。ヨーロッパや欧米のクリスマスは日本のクリスマスと違って、何処かに出かけるというよりは家族みんなで集まって朝から晩まで食べたり飲んだりするという風習があります。私も海外の留学経験があり、この素敵な時間を沢山過ごしてきたのを香りと共に覚えています。部屋中に立ちこめるチキンやロースト料理でふんだんに使われるハーブ&スパイスの数々だったり、ケーキに使われているドライフルーツの香り、さらにはクリスマスツリーによく飾られている人の形をしたジンジャーブレッドクッキーなどに入っているシナモンの香りだったりと、食べる物には実はすごく香りが詰まっているんですよね。こういったごく身近にある香りとアロマを+αして、クリスマスにイメージする香りをご紹介してみたいと思います。家族団らん・パーティー・クリスマス音楽・芳しいごちそうの数々など暖かで賑やかなシーンと、澄みきった冬の空気感・雪景色・教会・サンタが訪れる前のドキドキ感・大きく佇むクリスマスツリーなど静かなシーンの2つのイメージを思い描きました。

お好みの芳香器(アロマポット、アロマライト等)のお皿に水を入れ、精油を下の各香りの調合に合わせて数滴落とします。キャンドルやランプの熱であたためて香りを広げてください。
※下の滴数は6畳〜12畳程度のひろさを想定しています。

冬のホットワインなどでも使われるオレンジを使ってブレンドしてみました。このオレンジの香りは明るくて元気の出る香りで、エッセンシャルオイルの中でも常に上位ベスト3に入ってくるほどの人気アロマなので、一番好き嫌いのない香りと位置づけされているんです。この王道のオレンジにシナモンとクローブを+αしてみました。シナモンとかクローブってクセがあると思うんですよね、すごく香ばしいし良い匂いなんだけどあまり好きじゃないっていう方もいると思うので、この馴染み易いオレンジにブレンドしてみました。オレンジはジューシーで子供っぽいイメージの香りなんですが、シナモンとかクローブってスパイシーな要素が強いので深みが増して賑やかでエキゾチックな香りに変貌するんです。クローブは女性の濃厚な香水にも必ず入っている隠し味的な香りでもあるんですよ。

ラベンダーはリラックスだとか、どことなく心が安らぐような香りとして知られていますが、実は香り自体が重く、あまり好きではないという方もいらっしゃいます。私も個人的にはあまり選ぶ事のない香りではあるので今回は思い切って新しいラベンダーの組み合わせを考えてみました。組み合わせてみたのはファーニードル(もみの木)とローズマリーです。この香りは白い森というか朝霧というか薄くミスティーな森の感じを出しつつ、ホワイトクリスマスをイメージしてみました。ファーニードルは常緑といってずっと青々しい感じの木であって、ローズマリーもそういった種のハーブなので、エネルギッシュで生命力に溢れていて、非常にすっきりとした気分にさせてくれるんです。ラベンダーの持つ適度なリラックス感に刺激を与えてくれる香りだと思います。使用する時間帯でファーニードルのすっきりさやラベンダーのまったりした気分を楽しむというのも面白い使い方かも知れませんね。

神聖なクリスマスを演出したくてペパーミントをセレクトしました。これもまたオレンジと同じで、単体ですと歯磨粉やキャンディのイメージが強く子供っぽいイメージがありますが、フランキンセンス(乳香)とアニスを組み合わせる事でバルサムな香りに変化するんです。フランキンセンスにいたっては世界各国の神聖な場所(教会など)で使用される香りですし、アニスは日本では馴染みのない種の香りですが、ヨーロッパではお菓子やリキュールに使われていたりします。効能としてはすごく消化作用があるんです。例えばお酒を飲んでいる時にもいいですし、お腹が一杯の時なんかにペパーミントと一緒に香っても消化を助けてくれます。そこにフランキンセンスが入る事によってちょっと夜の大人な雰囲気に。ペパーミントはディフューザーに出すと少し甘い香りに変わるので、他の2点ととても良く合うんです。アニスに関しては特に香りが強いので、一滴忍ばせる程度で使うのがポイントです。

吉国志津子

1980年生まれ。オーストラリアの代替医療専門学校にてアロマセラピーを学び、卒業後異なる手技を各国で取得しながらトリートメントを行う。2002年帰国後、香りの空間演出を依頼されたことをきっかけにアットアロマ株式会社と出会い、入社。The North Face、SHIPS、Toyota、Nissan を始めとするオリジナルの香りデザイン、各種イベントや空間の演出、フレグランスプロダクツの商品開発等、香りにまつわる様々なジャンルを手がける。2009年独立、来年春からヨーロッパへ拠点を広げて活動予定。