オーセンティックブランドの魅力

ボクがアメリカ製のリーバイスを最初に買ったのはミウラ＆サンズ（SHIPSの前身）でアルバイトをし始めた1972年頃ですかね。あの頃まだ501がなくて502だったんです、ジッパータイプの。嬉しかったですよね、初めてアメリカ製を手に入れた時は。それから間もなく時代はアイビーからヒッピーに移行していき裾が広がってきて646が主流になってきたんです。当時はアメリカとアジアでは販売マーケットが全然別で今みたいにリーバイス ジャパンではなくアジア地区のマーケットはリーバイス ファーイーストというくくりでアメリカ生産のモノがまったく日本には入ってこなかったんです。当時646は日本のマーケットでは扱っていませんでしたからね。この646が渋谷ではもの凄く反響があり売れましたよ、入荷の当日は並んでいましたからね。当時は今と違って基本的に物が無い時代でしたから新品のアメリカ製なんてまず手に入らなかったんですよ。それからベトナム戦争が終わりアメリカも落ち着いてきてスタイルもストレートに戻ってきた時にアメリカの販売戦略で501が出てきたんです。それから502も徐々に姿を消し501のラインだけが現代に残ったという訳なんですよ。
そんな歴史を持つリーバイスのヴィンテージモデルの復刻は今までも色々ありましたが今回みたいに8〜9年代を一斉に復刻してそれぞれのモデルを比べられるという所が凄いと思います、かなり忠実に生地から復刻されていますし。中でも44年、47年モデルは人気ですね。44年モデルは第二次世界大戦中に作られた大戦モデルと言われていて人気がありますね。ポケットの内側も軍用キャンプ地色のオリーブですし、物資不足を懸念してリベットの数を減らしたりリーバイスのステッチすらペンキで書かれていますから。47年モデルは今の501の完成系になった原型モデルなのでやはり一番人気があります。

写真 ジーンズ（44年モデル）￥29','925、（47年モデル）￥29','925／LEVIS VINTAGE CLOTHING

それからゴールデンベアですがこちらもリーバイスと同じ時期から扱っている商品ですね。一番最初はメルトンのスタジアムジャンパーでした。袖がレザーのタイプで袖口にニットのラインが付いているものだったと思います。当時人気のカラーは身頃がネイビーで袖が黄色っぽいレザーのタイプでした。その後、2004年にゴールデンベアーからGB Sportとブランド名を改名しました。それ以前以後、今もなおサンフランシスコの自社工場生産にこだわっている所なんか良いですよね。今回シップスではアメリカントラディショナルなスタジアムジャンパーの雰囲気はそのまま、春夏用にナイロン素材をメインに使用し軽やかに仕上げ、裏地はオックスフォードのキャンディストライプにしている所辺りがシップスっぽいですよね。肩幅や身幅も現代のサイズ感に調整しているので上品な感じに仕上がっております。

写真左、ブルゾン￥23','100／GB Sport for SHIPS

そしてギットマン ブラザーズですね。上の２ブランドに比べると比較的新しいブランドなんですがそれでも70年代の終わり頃からの取り扱いです。その頃、銀座店が丁度オープンして長髪の文化も終わりかけて紺のブレザーにチノパン＆ローファーを皆が履きだした頃、アメリカのトラディショナルブームでシップス自体も変わり始めていました。その当時から襟のダブルステッチはギットマン ブラザーズのシャツの証みたいな所があり、未だに変わっていません。今回紹介させていただいたギットマン ブラザーズ ヴィンテージラインはオックスフォード生地をクレイジーパターンに配したスペシャルアイテムです。
これらの復刻商品の魅力とは当時のブランドに対するロマンや情熱などを現代的に解釈することで、その当時のブランドを知らない方へも知っていただけるいい機会だとボクは思っております。

写真右
ストライプシャツ￥17','850、 クレイジーパターンシャツ￥17','850／GITMAN BROS.