Safe & Clean Vol.1
ライフセービングとは、ビーチのゴミを一つ拾う事から始まります。
海を訪れる誰もが安全に、そして楽しめる環境を作り出す活動がライフセービングです。
そのライフセーバーの活動目的や様々な取り組みについて、特定非営利活動法人
下田ライフセービングクラブ(以下NPO下田ライフセービングクラブ)広報、佐藤 亮さんに話を伺った。
こんにちは、今回は私、NPO下田ライフセービングクラブ理事 広報担当 佐藤 亮(ライフセービング暦19年)が、ライフセービングについてご紹介します。
ライフセービングというと、少し前までは「ビーチフラッグス」のイメージが先行していましたが、最近は、活動内容も多くの方々に理解されてきました。特に静岡県下田市のビーチは、国内におけるライフセービングの発祥の地として、既に30年近くライフセーバーが活動しています。実際のビーチには、救助技術を取得したライフセーバーがパトロールしていますが、救助が目的ではなく、全て危険の可能性を未然に防ぎ、安全なビーチを楽しんでもらう事が目的なのです。
パトロールは特定非営利活動法人日本ライフセービング協会の認定資格を取得した、18歳〜40歳代の男女のメンバーが行っています。メンバーの職業は一般企業に勤める人、公務員、警察、消防や自営業、学生など様々です。
特定非営利活動法人日本ライフセービング協会の認定資格を更新し、毎年行うバッチテスト(ライスイムラン、心肺蘇生法、救急法、チューブレスキュー、ボードレスキュー)をクリアすればを一生パトロールに参加できます。
NPO下田ライフセービングクラブは、ライフセービング活動の普及を目指し、下田、南伊豆地域の海水浴場及びプールの安全指導、監視、救助、ライフセービング活動を通じ青少年の健全な育成を図ることを目的に活動しています。
1日のタイムテーブルは、通常の日は朝5時に起床し、朝の練習から始まります。その時にその日の海のコンディションを把握します。その後、朝食をとり、朝のミーティング(シフトの発表、その日の注意点、伝達事項の発表)、パトロールの準備を行います。そして8時から17時までパトロールを行います。各浜にタワーとよばれる監視塔を設置して、1タワー3〜5名のライフセーバー(男女混合)が配置されパトロールを行います。そのタワーには、リーダーとなる「キャプテン」を1名いて、そのキャプテンの指示でその他のメンバーが監視活動を行います。パトロール終了後は、ミーティング、夕方の練習会を行います。その後、夕食、就寝となります。(海のコンディコンディションが悪い時、パトロールに改善点があるときは就寝前にミーティングを行うこともあります。)
事故は未然に防ぐことが重要です。しかし実際に事故が起こった場合、大きな波や強い潮流の中で人を救助することは、そう簡単なことではありません。時には一度に数人が溺れ、救助を繰り返さなければならない場合もあります。そのためにライフセーバーは日ごろからトレーニングを欠かさず、救助に必要な技術を磨いています。
各個人の時間をみつけて、基本的には、下記のようなトレーニングを日々行っています。
【海の練習】
レスキュー技術の向上のため、レスキューチューブ、レスキューボード、IRB(救助用ボード)などの練習を行います。
【プールでの練習】
泳力、体力の向上のために泳ぐ鍛錬をつみます。
NPO下田ライフセービングクラブの目的である、水辺の事故防止・安全の啓蒙を図るため、海の楽しみ方・応急処置法などを小・中学生を対象とする、ジュニアライフセービング活動にも1990年から取り組んで指導しております。この取り組みから未来のライフセーバーを、育てていきます。そのため、現在、大きく分けて以下の2つの取り組みをしています。
【地域ジュニア】
NPO下田ライフセービングクラブの活動拠点である下田・南伊豆地区の小・中学生を対象とし、海での遊び方から応急処置法まで、幅広い内容を盛り込んだプログラムです。
このプログラムを通して地元出身のライフセーバーを育成し、地域の子ども達にセルフ・レスキュー(自分の身を自分で守る)の重要性を伝えることを目的としています。
この事業は株式会社シップス様の協賛を頂き実施されています。
【SHIPSジュニアライフセービングコース】
1996年から始まったシップスジュニアライフセービングコース。首都圏からの遊泳客の小学生を対象とした3時間ほどの内容でライフセービングを知り、下田、南伊豆の美しいビーチを満喫してもらおうというプログラムです。2004年からは参加した子供達の保護者を対象としたプログラムも同時に実施しています。このプログラムはNPO下田ライフセービングクラブが主催し、株式会社シップス様の協力を頂き実施しています。
今年の夏も、下田・南伊豆のビーチでは、様々なキャンペーンを通じて海での安全啓蒙を株式会社SHIPS様にご協賛頂き実施します。日本の海水浴場の水質調査などで常にトップクラスに入る、綺麗なビーチで過ごすオフは、素敵な時となると思います。是非、お越し下さい。
佐藤 亮 (NPO下田ライフセービングクラブ広報)
私のライフセービングへのきっかけは、下田ライフセービングクラブ主催の「ジュニアライフセービング プログラム」への参加でした。