beautiful peopleデザイナー熊切秀典さんが語るブランドの世界観とは beautiful peopleデザイナー熊切秀典さんが語るブランドの世界観とは

beautiful peopleデザイナー熊切秀典さんが語るブランドの世界観とは

beautiful peopleデザイナー熊切秀典さんが語るブランドの世界観とは

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SHIPS WOMEN

9月9日に宝島社から発売されたSHIPS MOOK。その付録制作にご協力いただいた人気ブランドbeautiful people(ビューティフル ピープル)のデザイナー、熊切秀典さんにインタビュー。トラッドなアイテム展開でありながら、その中に潜むユーモラスな世界感は、どこから生まれるのか……その秘密を伺いました。


??まず、この女装写真がすごく気になるところですが。

この秋冬のテーマが、僕らのおじいちゃん世代のブランドであるVAN(ヴァン)に焦点をあてたものなんです。その“おじいちゃん”から派生して、“おばあちゃん”というキーワードが出ていて、その他に“クレイジートラッド”というキーワードがあって、それが黒人のジャズをやっている方々が着ているようなスタイルなのですが、そういう資料を見ていて、ふくよかな女性シンガーが目に付いたんです。これってマツコさんっぽいなって思って、僕がみんなに「女装してくれるかな」って提案をしたんです(笑)。

??皆さんの反応は?

みんながヤダって言ったらやめようと思っていたんですけど、けっこうノリノリで。でも、出来上がったものを見て、思ったより美人にならなかったので、ショックだったみたいです。おかんにしか見えないですよね(笑)。でも、実際女性の服を着てみて、裏地の気持ちよさとか色々なことを感じることができたので、やってよかったって思いました。表面には出てこないデザインなんですけど、今までも“しなやかな服”っていうのを意識して作っていて、よりしなやかにしたいなって思いました。

――この写真を見ていても思うのですが、みなさん仲がいいですよね。でも4人が1つのデザインチームとして表に出ているっていうのは、すごく珍しいと思うのですが。

もともと学校の同級生でやっているっていうのもあるんですけど、僕はすごくみんなの意見を求めるんですよ。それを聞いて、デザインにいかすことも多いので、みんなでやっているって感覚が強いです。最初のアイデアは僕が言うんですけど、みんなで話しながら出来上がってきたものが全く違う場合もあるんですよ。全員パタンナー出身なので、そこの縫製を2mm変えようとかそういう緻密な話をしながら洋服作りをしています。今回、付録のバッグを作るときもディスカッションしながら、出来上がったバッグです。こういう作り方は、ちょっと変わっているのかもしれないですね。

??熊切さんがデザインをする際に、大事にしていることは?

気持ち良さです。着て感じる気持ちよさもありますし、ものを作っていく上で気持ちよいっていうのもあって、自分が楽しめるテーマを毎シーズン決めています。あとは、2つの相反する要素を満たすものが作りたいっていう思いがあって、大人と子供が共有できる服を作ったり、同じように男も女も満たす服を作りたいと思って、メンズのシャツが女の子のパンツになるとか、そういうこともやってみました。

「メンズシャツを女の子がパンツとして着る動画」
How to wear boyfriends shirt
http://www.beautiful-people.jp/movie/index.html

??そういう意味でも毎回どんな洋服が出来上がってくるのか楽しみなんですが、次のシーズンのテーマも決まっていますか?

“ギンギラギンにさりげなく”っていうテーマで次の春夏は考えています。今までマッドで男の子っぽいテイストだったんですけど、次はギラギラさせようかなと。

??近藤真彦さんのファンという訳ではないですよね(笑)?

そうですね(笑)。“ギンギラ”っていう言葉と“さりげなく”っていう言葉の対比がおもしろいなって思って。それを表現する中で、新しいトラッドウェアが生まれるといいなって思っています。

??初のオンリーショップもオープンしたということで、今後がますます楽しみですね。

Wonderwall(ワンダーウォール)の片山正通さんがデザインしてくれたお店で、おもしろい作りになっているので、ぜひ足を運んでいただきたいですね。ちなみに僕が店長で、今シフトを作っています(笑)。お店でこの付録のバッグを使っているところが見られるとうれしいですね。

??熊切さんは、どのように使う予定ですか?

バッグとしても使うんですが、防災頭巾に使えると思うんですよね(笑)。震災が影響しているかもしれないんですけど、最近機能的な素材が気になっていて、次のコレクションでもそういう生地を使う予定なので、今の気分が反映されたバッグでもあります。

??付録とは思えないクオリティーになっているので、ぜひ皆さん手に入れてほしいですね。

そうですね(笑)。

??今日はありがとうございました。

熊切 秀典


文化服装学院卒業後、コム・デ・ギャルソンにてパタンナーを経験。2004年に独立し、外注パターン会社を設立。2007年にともに文化服装学院の卒業生であり、それぞれ有名ブランドで経験を積んだ戸田昌良さん(パターン)、米タミオさん(企画生産)、若林祐介さん(営業・企画)との4人チームでbeautiful peopleをスタート。

http://www.beautiful-people.jp/

SHIPS MOOK


SHIPSの魅力が存分に詰まったムックが、9月9日に宝島社より絶賛発売中。付録は、今回紹介したbeautiful peopleの豪華アイビー・バッグ。熊切さん提案の防災頭巾としても活躍しそうな厚手のフェルト生地を使用。大人っぽい配色の高級感漂う作りが魅力です。
宝島社ブランドムック(R) 「SHIPS」発売中
定価 1380円
書店、コンビニ、Amazon等インターネットでの販売となります。