ONE SHIPS PROJECT
東日本大震災以降、積極的に復興支援及び復興活動を行っている松浦俊夫氏。氏の肩書はDJ。1990年にUnited Future Organizationを結成し日本のクラブシーンのカリスマ的存在の松浦氏が3','11の震災後に実際現地に行き、見たもの、感じたこと。1人の人間として1児の父親として復興支援に携わるその思いを語ってくれた。
自分の中で今、考えている事は「ピンポイントで被災地を支援していかないと非常に時間のかかる問題だな」と感じた事です。3月に1回目のイベントを開催した時の寄付金を赤十字に送ったんですが当然の事ながらまだ行き届いていないという事があって、それが良いのか悪いのかではなく、そういうシステムを自分が解っていないでイベントをやってしまっていたのが結果として歯がゆい所でした。もっとより明確に皆さんから預かった支援のお金をダイレクトに被災地の方に渡す手だてはないものかと考えた時に、まず第一に震災で親だったり両親を失った子供達を支援出来る様に次からは行動したいと思います。
被災地に実際行ってみて思ったんですが“励ましに行って励まされて帰ってくる”様な気がします。これはエンターテイメント業界しかりスポーツ業界しかりだと思うんですが皆さん同じ感情を受けていると思います。被災地の皆さんも震災直前まで我々と同じ環境で地震と津波によってすべてが変わってしまったという事がただ一つの現実。そして共に同じ国に暮らしている一人の人間であることも事実です。だからこそ自分で出来ることは自分で探していくしかないんですよね。
ここにある浜のミサンガは僕自身が何か出来ることはないだろうか?とツイッターに書き込んだら直ぐに秋田の方から連絡がきてその方と色々話をしていくうちに知っている人、知らない人と色々出てきて、その中の1人の方が浜のミサンガのプロジェクトで準備段階に入っていると聞き、ちょうどそのころフェイスブックでシップスの中澤さんが東北の漁師の方に九州の焼酎を送ったことを知って、もの凄くダイレクトなことをなさっているな、彼らしいなと思い、シップスさんに一番最初に連絡させていただいたんです。それでシップスで取り扱うことに。
DJの仕事って音楽を伝えることもそうなんですが人に何か伝えるって事もあると思うんですね、だから僕はこの浜のミサンガを制作している岩手県の三陸町に足を運び直接このミサンガを作られている方々に今の現状を伺ってそれを皆さんに伝えているだけなんです。そこに共感していただき、シップスさんを含め僕達もボランティアに参加しているという復興活動の一環なんです。
「三陸に仕事を!プロジェクト」
http://www.sanriku-shigoto-project.com/
松浦 俊夫
1990年にUnited Future Organization (U.F.O.)を結成。
日本に於けるクラブカルチャー創世記の礎を築く。
12年間で5枚のフルアルバムを全世界32ケ国で発売、高い評価を得た。
2002年の独立後も精力的に世界中のクラブやフェスティバルでDJを続ける。
またJames Brown','Earth Wind&FireからAstor Piazzolla','Gotan Projectまで幅広いジャンルのアーティストのリミックスを手掛ける傍ら、ファッションブランド等のコンピレイションやブティックの音楽の監修も行っている。
その世界を舞台に培われた感性とネットワークを駆使し、イベントのプロデュース、コンサルティングやGilles Peterson','Tomatoなどアーティストのエージェント業務等、その活動は各方面から注目を集めている。
近作にAlfa Romeo 8CのイメージCD『Alfa Sound』、Blue Noteのコンピレイション『Sunday Blue』(EMI MUSIC JAPAN)、『Talkin' Loud 2010』(Universal Music)などがある。
現在InterFM"Tokyo Moon"のパーソナリティを務めている。
http://www.toshiomatsuura.com