SHIPS MAG 読者の皆さん、こんにちは。『スペクテイター』編集部の青野です。
本誌の歩みを回想する連載もいよいよ大詰め。
最終回の今回は35号から最新号までを、いつものように対話形式で振り返ってみたいと思います。
35号は「発酵のひみつ」特集。
天然酵母パン、クラフトビール、天然酵母で醸される日本酒など、発酵食品のつくり手たちを取材した特集だ。
発酵という言葉も今ではすっかり定着した観があるけれど、発酵のメカニズムやその周辺の文化など、取材するまでは知らないことだらけだった。いったい発酵って何なのさ? ということで「ひみつ」というタイトルを付けた気がする。
ともあれ発酵食品を食べてみなきゃということで、味噌や酒を取り寄せたり、実際に発酵食品をつくってみたりすることから始めてみたんだよね。手始めにヨーグルト、納豆、ザワークラウト…。
発酵食品って案外簡単に作れちゃうんだなぁと発見があったりして。
発酵とは、目に見えないほど小さな菌が働くことで起こる変化のことだけど、食に対する考え方やライフスタイルに影響を与えるものでもあるということが取材を通じてわかってきた。
北米で発酵ブームを興したと言われているサンダー・キャッツの『天然発酵の世界』(築地書館)という本が参考になったね。
36号は「コペ転」特集。我ながら珍妙なタイトルを付けたものだ。
天動説と地動説というのを聞いたことがあるだろう。地球は宇宙の中心で静止していて、その周りを太陽や天体が動いていると考えられていた(天動説)わけだけど、実は地球は太陽を中心に公転しているという説(地動説)を、ポーランドの天文学者コペルニクスが16世紀に唱えて世の中の常識がひっくりかえった。
それで「これまでの常識をひっくり返すできごと」が「コペルニクス的転回」と言われるようになったわけだね。略して「コペ転」。
これに乗じて本号では、あることをきっかけに人生が「コペ転」した7人のライフストーリーを集めてみることにした。街頭のリンゴ売り、イスラム教徒に改宗したカレー屋店主、直取引にこだわる個人書店主などなど。
「コペ転」の精神に倣って本誌の編集方針も今号に限ってはガラっと変えて、写真などを使わずにほぼ全編を活字だけで構成してみたわけだ。
人生はなかなか計画通りには進まない。だからこそ面白いんだということが本特集を通じて伝えられていたらいいんだけど。
「北山耕平」は、主に70年代から80年代にかけて、『宝島』、『POPEYE』、『写楽』、『Be-Pal』など多くの若者雜誌の創刊に関わられた敏腕編集者。その仕事ぶりには僕らも雜誌づくりをするうえで大いに影響を受けた。
37号は、そんな北山さんが過去の雜誌に寄稿した原稿を集めたアンソロジー的な特集だ。
都会に暮らす若者の精神性について書かれた「シティボーイ論」、ネイティヴアメリカンの教えを説いた論文など、いずれも多くの示唆に富むものばかり。大人たちによる欺瞞に溢れた社会にメスを入れるような強いメッセージと瑞々しさに溢れた筆致は、いま読んでも全く古さが感じられない。
若者文化やカウンターカルチャーを牽引されてきた北山さんの足跡をたどる旅は、日本におけるカウンターカルチャーの歴史を辿る旅でもあると言っても過言ではない。
38号は「赤塚不二夫」の創作の舞台裏に迫った特集。
「天才バカボン」、「おそ松くん」、「もーれつア太郎」などの代表作で知られる天才漫画家・赤塚不二夫を知らない人はいないだろう。
生涯を通じて6万枚もの漫画原稿を残されたというから驚きだ。
そんな赤塚先生を中心とした漫画創作集団フジオ・プロが、どんなふうにして漫画を量産していたか。創作の舞台裏を当時のアシスタントたちの証言を通じて明らかにした特集だ。
笑いを提供するギャグ漫画だけど、それを毎週量産するには艱難辛苦の連続だったことが取材を通じて知ることができた。
おかげで赤塚漫画の読み方も変わった気がするなぁ。
赤塚不二夫は知っていても、79年に発刊されていた『JAM』という雜誌のことを知る人は多くないだろう。
自動販売機でしか買うことのできなかった、マイナーなメディアだからね。
高杉弾、隅田川乱一、八木眞一郎らが編集で関わっていた自販機本。その内容はというと…。
ヌードグラビアが載っている成人向け娯楽雜誌、いわゆるエロ本なんだけど、エロを隠れ蓑に真ん中のモノクロページにハチャメチャな原稿が掲載されていたんだ。
実在しない本の書評とか、芸能人のゴミ漁りレポートとか、パンクバンドのライブレポートなど…。
いわば社会にとっては毒ともいえる内容ばかり。けれど、その毒こそが新しいカルチャーを生み出す原動力でもあるということを伝えたくて、この特集を組んだんだよね。
ページからほとばしるエッセンスをダイレクトに感じてもらうために、『JAM』全11冊から面白いページを「よりぬき」して転載した。
40号目は「カレー・カルチャー」。
スペクテイターが、なぜカレー特集? という声も寄せられたけど、一般的なグルメ雑誌のように「カレーの美味しい店」とか「カレーのつくりかた」を紹介してもツマラナイ。
そこで、個性派カレー店の店主に「なぜ、カレー屋を始めたんですか?」「カレーの面白さって何ですか?」と聞いて回ってみることにしたんだね。
店主自らが狩りで仕留めたイノシシの肉のカレーを出す店とか、妄想カレーという名のもとにオリジナルな味のカレーを供する店、「混ぜるな危険!」と謳うスパイスカレーの店など、個性派カレー店の味には店主の生き方がスパイスのように効いているんだな、と。
スパイスカレーがブームの大阪で開催されたカレー試食イベント、なぜかカレーが県民食のようになってる?と囁かれる富山県のカレー事情をめぐるレポートも掲載。カレーは単なる食べ物ではなく、文化を生み出すモトにもなっているということでカレー・カルチャーというタイトルをつけた。
41号は「つげ義春」特集号。
映画化もされた「ねじ式」「無能の人」などの作品で知られる偉大な漫画家だね。
シュール、不条理などの言葉で形容されることが多いけど、単なる娯楽漫画という枠を超えた独特な味わいが、つげ作品には感じられる。
先ごろフランスで開かれた「第47回アングレーム国際漫画祭」で特別栄誉賞を受賞されて「漫画界のゴダール」と紹介されたらしいけど、独自の世界観で新たな表現世界を切り開いてきた、日本が誇る芸術家と言っても過言ではない。
あっというまに売切れた人気の号でもあるね。
往年のファンから若い読者まで、「つげ作品」が幅広い層に愛されていることが、よくわかった。
42号「新しい食堂」はカレー特集の続編とも言える、食にまつわる特集だ。
「新しい」といっても新規開店した食堂というわけじゃないんだな。昔ながらの食堂のスピリットを引き継ぎつつ現代のニーズにもマッチする味とサービスを提供している食堂。それを「新しい食堂」と呼ぶことにしたんだね。
食堂には「うまい、安い、早い」が求められるけど、それだけじゃないだろう。お腹だけじゃなく心も満たしてくれる愛すべき食堂が必要なんだ、と。
そんな考えから、本当に良いと思える食堂の店主4人にロングインタビューをして、食にまつわる考えや、いまこの時代に大衆食堂を運営することの意義などについて、じっくり話を聞いた。
大衆食堂についての著書も多いエンテツこと遠藤哲夫氏による食堂をめぐる考察が味わい深かった。「普段の普通の生活のめしは、自分の生活のデザインの基準になるものだ」と。
たかが食堂、されど食堂という感じだったね。いまや絶滅しつつあるけれど人間味にあふれた食堂が増えるといいなと、そんな思いを込めて編集した号だね。
本誌デザイナーが表紙に描いた割り箸の絵が「シブい!」と評判だった。
シブいといえば「わび・さび」特集も今までになくシブい号になった。
「シブい」もそうだけど、普段何気なく使っているけどイマイチ意味がわからない言葉って案外あるよね。そこで、「詫び」と「寂び」という日本語の意味を改めて考えてみようということで、千利休の時代にまで遡って、本質に迫ってみようと考えたんだ。
特集をつくるきっかけになったのが、北米在住の作家/編集者のレナード・コレンが書いた「Wabi - Sabi わびさびを読み解く」(ビー・エヌ・エヌ 新社)だった。
Wabi - SabiもSUSHIとかKAWAIIと同じように、もはや英語化された国際的な概念なんだな、と。その真意を著者に説明してもらおうとサンフランシスコ郊外のレナードを訪ねたんだよね。
英語という言語の構造のおかげかもしれないけど、日本語では定義しづらい言葉の曖昧なところを「不完全で、はかなく、未完成のものが織りなす美である」とかズバっと言い切ってくれたからありがたかった。
昨年(2019年)は創刊20年目の節目ということもあり、自分たちが影響を受けてきた文化の成り立ちを学び直す特集を組もうということになったんだよね。
44号「ヒッピーの教科書」、45号「日本のヒッピーカルチャー」と連続して、ヒッピーカルチャーの歴史を紐解く特集を組んだ。
僕らはヒッピー世代ではないけれど、ヒッピーと呼ばれた人たちが後の世に影響を与えた考え方には大いに影響を受けていると自負している。
そこで、まずはビート・ジェネレーションの出現からヒッピー文化が現代に与えた影響までを文献をもとに年代を追って振り返ったのが44号「ヒッピーの教科書」。
つづいて、日本のヒッピー文化はどのようにして始まり深化を遂げたのか。当時を知る人への取材を通じて詳らかにしたのが45号。
72年に鹿児島県諏訪之瀬島へ移住した詩人の長沢哲夫、77年に西荻窪にオープンした女性だけで運営されていたレストラン「たべものや」メンバーの川内たみ、72年に創刊されたオルタナティブライフの情報誌「名前のない新聞」発行人のあぱっちが語ってくれた、当時の若者たちの奮闘ぶりには心を打たれた。
というわけで、本誌の創刊から45号目までを駆け足で辿る旅もこれでひとまず終わりとなるわけだけど。
長いようだけど、あっという間だったね。
20年のあいだにメディアの主役は紙からインターネットへと移り変わり、同時に社会の常識とか正しさの基準も変わっていった。
インターネットによってコンテンツが国境を超えて自由に行き来できる社会になると、異国の生活習慣や宗教上のタブーに触れないようにと単純化されたコンテンツが増える可能性があると言われているよね。
AIによって最適化された答えが自動的に導かれ、それだけが正しいという論調も増えている気もする。
「良いこと」と「悪いこと」、「必要なこと」と「不要なこと」というように、なんでも単純に二分されるような社会にはなってほしくないなぁ。
そんな社会は窮屈で住みにくいからね。
「オルタナティブライフ」という特集を掲げた弊誌としては、中間や端っこのほうにある個人のモヤモヤした思いも大事に拾い集めながら、これからも旅を続けていけたらと思っている。
これからもスペクテイターを、どうぞよろしく。これまでご愛読いただき、ありがとうございました!
特集:発酵のひみつ
2016年1月8日発行/B5版変型(H242*W182)/192ページ/定価952円(税別)
日本人の暮らしに欠かせない発酵食品の歴史、文化、生産者の哲学、カルチャーに焦点をあてた、グルメ雜誌とは「ひと味ちがう」発酵特集。
「発酵デザイナー小倉ヒラクの案内する発酵世界のあるきかた」、「田舎のパン屋と経済」、「世界一ちいさなビール工場〈ヨロッコビール〉吉瀬明生」、「人類皆菌類!〈パラダイス・アレイ〉勝見淳平」取材/編集部、「海賊のパン屋さん〈Pirate Utopia〉川邉雄 & TARA」取材・文/ハーポB、「HAKKO A LA CARTE」スタイリング/本間良二・カメラ/阿部健、「自然酒と発酵ムーブメント〈寺田本家〉寺田優 & 神澤則生」取材・文/尹美恵、「漫画ドブロク物語」漫画/菅野修、「ニューヨークの発酵食ムーブメント」取材・文/金田トメ善裕、「バンクーバーの発酵食ムーブメント」取材・文/太田明日香、他。
特集:コペ転
2016年5月31日発行/B5版変型(H242*W182)/256ページ/定価952円(税別)
人生や仕事の矛先を180℃転回させた7人の無名の人々。その稀有なヒストリー & ライフに耳を傾けて、あなたもコペ転してみてください。
「リンゴ売りと商売の法則〈ムカイりんご店〉代表・片山玲一郎」取材・文/諫山三武、「僕はなぜエア・コレクターになったか?〈マニタ書房〉代表・とみさわ昭仁」取材・文/石橋毅史、「誰も出さない本を出す〈龜鳴屋〉代表・勝井隆則」取材・文/間宮賢、「こうしてぼくは里親になった 漫画家・古泉智浩」取材・文/森山裕之、「独自の仕入れで本屋をつくる〈誠光社〉代表・堀部篤史」取材・文/山本貴政、「麻から学ぶ 100年前のサステナブルな暮らし〈八十八や〉代表・上野俊彦」取材・文/金田トメ善裕、「注目すべき人たちとの出会い〈ホジャ・ナスレッディン〉代表・石川直」取材・文/ハーポb.、挿画・武藤良子。
特集:北山耕平
2016年10月7日発行/B5版変型(H242*W182)/240ページ/定価952円(税別)
『ワンダーランド』、『宝島』、『POPEYE』、『写楽』など、若者雑誌の編集を多数手がけた稀代の編集者/作家/ストーリーテラー。単行本未収録原稿を中止に、過去の仕事の全貌に迫った特集。
掲載原稿「ホールデン・コールフィールドと25%のビートルズ/踊る大陸はどこにあるのか?/ニュー・ジャーナリズムとは音楽の世界でいえば強烈なロックなのだ!/天皇陛下のロックン・ロール/私のカリフォルニア日記/あるシャーマンとの出会い 私は彼から何を聞いたのか/ビジョン・クエストはなんのためのものか インディアンの儀式が現代に再生したわけ/メディスンマンの使者が語る「在日縄文人」の視点/ぼくの石、ツガルの石 アラハバキの道の上で/日本から一切の差別をなくす最後の方法」ほか。寄稿「『ワンダーランド』〜『宝島』編集長時代の彼」文/菅野彰子、「ワンダーボーイの誕生」文/細川廣次、「北山耕平との四〇年「ラブ&ピース」だった」文/島本脩二、「イメージ・スーパー・マーケット」のスピリット」文/浅香良太、「記憶装置としての石」文/野村敏晴、「カスタネダを手渡せた日」文/村上清、「「イメージ・スーパー・マーケット」元担当編集者氏が語る北山耕平」新島徹インタビュー、ほか。
特集:赤塚不二夫 創作の秘密
2017年1月31日発行/B5版変型(H242*W182)/272ページ/定価1000円(税別)
「天才バカボン」、「おそ松くん」など傑作を世に送り出してきた漫画家・赤塚不二夫。膨大な作品群は、どのようにして生み出されたのか? 関係者の証言を通じて制作の舞台裏に迫る。
「証言構成 フジオ・プロ風雲録 証言者(敬称略) 横山孝雄(漫画家)、高井研一郎(漫画家)、北見けんいち(漫画家)、橋本一郎(元朝日ソノラマ編集者)、武居俊樹(元『週刊少年サンデー』編集者)、五十嵐隆夫(元『週刊少年マガジン』編集者)/小林鉦明(元『少年キング』『少年チャンピオン』編集者)/とりいかずよし(漫画家)/及川こうじ(漫画家)/斎藤あきら(漫画家)/てらしまけいじ(漫画家)/河口仁(漫画家)/しいやみつのり(漫画家)/峯松孝佳(漫画家)、ほか。
特集:パンクマガジン『Jam』の神話
2017年5月31日発行/B5版変型(H242*W182)/224ページ/定価1000円(税別)
1979年に刊行され、自動販売機でしか買うことのできなかったパンクな雑誌。伝説のサブカル雑誌は、どのようにして生まれたのか?
「インタビュー『Jam』はどんな雑誌だったか? 証言:八木眞一郎(元『X-Magazine』『Jam』編集者)、高杉弾 (元『X-Magazine』『Jam』『HEAVEN』編集長)、村田惠子(同時通訳者)、近藤十四郎(グラフィックデザイナー)、羽良多平吉(書容設計家)」、「自販機本は僕らの学校だった」文/神崎夢現、「『Jam』『HEAVEN』編集部の時代」文/金田トメ善裕、「出版史における自販機雑誌と『Jam』」文/小田光雄、「WHO’S WHO 人命事典 第3回」文/山崎春美、「『Jam』〜『HEAVEN』誕生物語」漫画/伊藤桂司、「なぜなに学習塾 自販機本『Jam』ってなあに?」答える人/ばるぼら、ほか。
特集:カレー・カルチャー
2017年10月5日発行/B5版変型(H242*W182)/184ページ/定価1000円(税別)
日本全国に急増中のスパイスカレー専門店。とりわけ個性的な味で人気の個人店シェフを徹底取材。読めばいっそうカレーの味が楽しめる、カレーをめぐるカルチャー特集。
「カレーの国のエクソダス 〈ダバ・クニタチ〉須田竜、〈虎子食堂・カレー屋まーくん〉まーくん、〈妄想カレーネグラ〉大澤思郎 & 近藤麻衣子」取材・文/三田正明、「デリー発、イミズスタン行 富山カレートリップ」取材・文/ワダヨシ+和田侑子、「個性派カレー店主たちは、どんなことを考えているのか? 〈beet eat〉竹林久仁子、〈JAY〉由利三、〈愛のカレー研究所〉村上祐子」取材・文/赤田祐一、「潜入・カレー事情聴取」漫画/清本一毅、「漂流社、カレーはじめました」漫画/川崎昌平、「博士のカレー」漫画/関根美有、「 カレーショップは現代の大衆食堂である」文/遠藤哲夫、「カレーの島田が語る、レトルトカレーの世界」取材/パリッコ、ほか。
特集:つげ義春 探し旅
2018年2月20日発行/B5版変型(H242*W182)/240ページ/定価1000円(税別)
私小説の手法をマンガ表現に取り入れ、唯一無二の名作を世に送り出してきた稀代の天才漫画家・つげ義春。作家本人へのインタビューや知人関係者への取材、論考などを混じえながら創作の根源に迫る。
「つげ義春 インタビュー 「貧乏しても、気楽に生きたい」つげ義春氏の近況」取材構成・浅川満寛、「劇画の新たな展開 つげ義春の登場」構成・文/浅川満寛、「つげ義春の幼年時代」作画/河井克夫、「つげと僕が二〇代だった頃 遠藤政治氏に聞く」取材・構成/浅川満寛、「名作の読解法ーー「ねじ式」を解剖する」対談構成/藤本和也・足立守正、「つげ義春の「創作術」について」文/高野慎三、「いきあたりばったりの旅 正津勉、つげ義春を語る」聞き手/編集部、「日常系について」文/ばるぼら、「川崎長太郎のリアリズムとつげ義春のリアリズム」文/坪内祐三、「あの頃の、つげ義春とぼく」文/山口芳則、「つげ義春氏との想い出」文/菅野 修、ほか。
特集:新しい食堂
2018年8月31日発行/B5版変型(H242*W182)/192ページ/定価1000円(税別)
昭和時代に開業した大衆食堂が数を減らすいっぽうで、独自の味やサービスを提供する「新しい食堂」が増えている。旨い、安い、早いだけじゃダメ。いつも変わらぬ美味しいメニューで心とカラダを満たしてくれる「新しい食堂」が必要だ!
「食堂は人なり」撮影/安彦幸枝、画/TACT SATO、《ウナカメ》丸山伊太朗「ブリコルールの場所」取材・文/東良美季、《按田餃子》鈴木陽介&按田優子「ふつうの味が あたらしい」取材・文/青野利光(本誌)、《マリデリ》前田まり子「ブッダボウルはW自由Wの味がする。」取材・文/北尾修一、《なぎ食堂》小田晶房「当たり前のようで、特別な店の在り方」取材・文/赤田祐一(本誌)、「かわらばんくんと読む 食堂早わかり画報」構成と文/編集部、作画/三好吾一、漫画「食堂幸福論」構成と画/物干竿之介、「食堂開業心得帖 D.I.Y.とWはったりWの店づくりハウツー」文/いとうやすよ(ヴィーガンカフェバー Loca ★ Kitchen 店主) イラスト/菅野公平 撮影/伊藤和馬、「結局、食堂って何?」文/遠藤哲夫、画/東陽片岡、「ブックガイド もっと食堂を知るための本」構成・文/編集部、ほか。
特集:わび・さび
2019年2月4日発行/B5版変型(H242*W182)/188ページ/定価1000円(税別)
室町時代に開花した日本古来の美的感覚“わび・さび”。海外でもホットなワードとして注目を集めつつある美の概念を、マンガとイラストで説いた“わび・さび”入門決定版
「まんが わび・さびの歴史」漫画/関根美有、「わび・さび紳士録」イラスト/東陽片岡、「千利休伝説」イラスト/ひさうちみちお、「サンフランシスコ郊外に“わび・さび”を探して レナード・コレン」、「「人工」と「自然」の波打ち際にあるもの」原研哉、「聖林公司のわび・さび」撮影/中矢昌行、「ブックガイド」文/桜井通開、ほか。
特集:ヒッピーの教科書
2019年7月8日発行/B5版変型(H242*W182)/200ページ/定価1000円(税別)
アメリカのヒッピーカルチャーの栄枯盛衰を「まんが」でわかりやすく解き明かした「教科書」。大人から子供まで、これ一冊でヒッピーのキホンが学べる、永久保存版。
漫画ヒッピーの歴史「1945 -1962 ビート・ジェネレーション」「1963 -1969 ヒッピーの誕生」「1970 -1973 ヒッピーの影響」「1974 - 2019 ヒッピーの現在」作画/関根美有・原作/赤田祐一(編集部)、インタビュー「ヒッピーとビートの違いについて 真崎義博(翻訳家)」、「アンダーグラウンド・ペーパーの読み方 鏡明(評論家)」「ヒッピーとパンクスの違いについて 行川和彦(音楽評論家)」取材と文/編集部、「WHO'S WHO ヒッピー人別帖」イラスト/東陽片岡、「ヒッピーの復讐 mellow times へ、ようこそ」文/佐伯誠、「カリフラワー・チルドレンの記憶」文/吉井清、「あるコミューンの記録 Morning Star Ranch」、「連載 はみだし偉人伝 その1 阿木譲と『ロック・マガジン』」文/嘉ノ海幹彦、「『ミツザワ通信』を、なぜつくるか」文/田口史人、ほか。
特集:日本のヒッピー・ムーヴメント
2019年11月29日発行/B5版変型(H242*W182)/224ページ/定価1000円(税別)
「部族」「コミューン」「フーテン」「オルタナティヴメディア」…半世紀前の日本のヒッピー・ムーヴメントの真相を「まんが」とインタビューを通して解き明かした「もうひとつの日本」の歴史教科書決定版。
「まんが版 日本のヒッピー・ムーヴメント」作画/関根美有、原作/赤田祐一(編集部)、「Who's Who 日本のヒッピー 関連人名辞典」、「Keywords ヒッピー用語の基礎知識」イラスト/渡邊知樹 文/編集部 執筆協力/マエバラトモヒコ「川内たみさんに聞く「たべものや」ができるまで」取材・文/赤田祐一(編集部)、「あぱっち氏に聞く 新聞・部族・ヒッピー」取材・文/(同上)、「部族の聖地 スワノセ・レポート──詩人・長沢哲夫との対話」取材・文・撮影/マエバラトモヒコ、撮影/ワタナベリョウ、「コミューンは僕らの学校だった」文/神崎夢現、「キャプテン・トリップ・レコード代表 松谷 健氏に聞く 日本のヒッピー・ミュージック」、「消えた人気漫画家・井上英沖──元・担当編集者・鈴木清澄氏に聞く」取材・文/編集部、「連載 はみだし偉人伝 その2 スーパーエディター、秋山道男氏を偲んで」文/美濃 修、ほか。
発売/2019年11月29日
特集:日本のヒッピー・ムーヴメント
◆まんが版 日本のヒッピー・ムーヴメント
作画+原作/関根美有+赤田祐一(編集部)
第1章 Early Days
第2章 Bum Academy
第3章 The Tribes
第4章 Shinjuku 1967
第5章 Commune
第6章 Alternative Media
第7章 Then and Now
◆川内たみさんに聞く「たべものや」ができるまで
◆あぱっち氏に聞く 新聞・部族・ヒッピー
◆部族の聖地 スワノセ・レポート「詩人・長沢哲夫との対話」取材・文・撮影/マエバラトモヒコ
◆コミューンは僕らの学校だった 文/神崎夢現
◆キャプテン・トリップ・レコード代表 松谷 健氏に聞く 日本のヒッピー・ミュージック
◆消えた人気漫画家・井上英沖──元・担当編集者・鈴木清澄氏に聞く
◆Who's Who 日本のヒッピー 関連人名辞典
◆ヒッピー・ムーヴメント年表
◆ヒッピー用語の基礎知識
◇連載 はみだし偉人伝 その2「スーパーエディター、秋山道男氏を偲んで」文/美濃 修
1967年生まれ。エディトリアル・デパートメント代表。大学卒業後2年間の会社勤務を経て、学生時代から制作に関わっていたカルチャー・マガジン『Bar-f-Out!』の専属スタッフ。1999年、『スペクテイター』を創刊。2000年、新会社を設立、同誌の編集・発行人となる。2011年から活動の拠点を長野市へ移し、出版編集活動を継続中。