「たくさんの人を輝かせる服でありたい」と話すTICCAデザインチーム。ブランド創立当初からリリースしているシャツは、女性を美しく見せてくれると瞬く間に人気となり、現在では女性だけでなく、男性のファンも多く存在しています。今回は、ディレクターの鈴木ひとみさん、デザイナーの亀井あいさん、営業の上村功さん、企画の深民佳津美さんの4名による対談が実現。ターゲットを決めずに、誰もが似合う服を作りづつけるTICCAの魅力を語っていただきました。
(ティッカ)
- Traditional/伝統的な、歴史的な、正統の
- Individual/個性的、個々の、個人
- Contemporary/現代的な
- Comfortable/心地よい、快適な
- Attractive/魅力的、かっこいい
TICCAはこれら5つのキーワードの要素が入った服作りを目指し、頭文字を取って名付けられたブランド。2016年春夏よりスタートし、ワークの意匠を持ちながら、モードな顔を見せる、タフさと上品さが備わったニューベーシックとなるスタイルを提案しています。素材や手法にこだわりのある服は、性別や年齢を問わずにたくさんの人たちから愛されています。
10年、20年経っても
良く見える服を作っています
――最初にTICCAのコンセプトについて教えてください。
鈴木TICCAにはコンセプトやターゲット年齢というものは存在しないんです。なぜなら、TICCAの服は、TICCAを好きな人なら誰でも似合うように作っているからです。
――誰でも似合うようにですか? それが例えば男性であっても?
鈴木はい、もちろん。実は男性のお客さんも多いんです。ブランドを立ち上げた頃、同じシャツを赤ちゃんに着せたり、男性に着せたり、5歳の子供からおばあちゃんまでいろいろな方々に着せて写真を撮りました。みなさん、職業も様々で。あとは妊婦さんにも着てもらいました。TICCAのシャツは妊婦さんでも着られるように作っていて、産んだ後でも楽しめるし、親子二代でも着られるんですよ。
上村パターンを起こすときに、若者からお年寄り、痩せている人、ちょっと肉付きの良い人、背が高い人、低い人、などを想定して作っているんです。そのために、社員も全員試着して、何回も何回も修正を重ねて、ちょうどいいサイズをとるんですが、他のブランドではない作り方だと思います。あとは素材へのこだわりが、男性からも好評をいただいている理由かもしれません。
――なるほど。例えばシャツだとどのようなこだわりがありますか?
上村基本的に、生地は着心地が良くて手入れがしやすいものを使うようにしています。シャツはハリとコシがあるものを使うことが多く、女性らしい丸みのある体のラインを出やすいようにしたり。最初はハリがあるけど、着込んでいくうちに柔らかくなって、10年、20年経って古着屋さんに並んでいても良く見える服であるよう意識しています。
深民洗濯もしやすいんですよ。ニット類も一度洗いをかけているので、家で洗っても縮まないようにしたり、アフターケアも考えています。テキスタイルは「軽い」「暖かい」「しわになりにくい」「手入れがしやすい」ということに特に気を遣っています。
鈴木ニットはチクチクしないことも重要です。着心地が悪いものは、やっぱり着たくないですから。
――デザインのこだわりについても伺えればと思います。
亀井できるだけ削ぎ落としていくことが多いのですが、そのなかにちょっとした遊び心をデザインで入れています。あとは、すべてというわけではないのですが、日本で受け継がれてきた伝統的な手法だったり、素材を選ぶときに産地を考えてデザインをしています。生産者の方の思いをつなげていきたいという気持ちがあり、ほぼ日本で生産しているんです。
深民テントコートという、どんな身長の人でもキマるようにデザインされている代表的なコートがあるのですが、それがとても人気で。ドルマンタイプなので、厚手のニットも中に着られるし、袖がカフスになっているので、身長が低い方でも折って着ることができます。肩もないので、肩幅が広い方も華奢な方も同じ落ち感で着られるんです。
鈴木しかもとても軽くて暖かい。ウールのコートって、すごく重いじゃないですか。でもこの生地は普通のウール生地よりも、メートルで200グラム以上軽いんです。肩も凝らないし、ボリューム感があるのに着ていて全然ストレスがないんですよ。
上村ちょっとさりげないんですけど、ボタンにもこだわりがありまして、ブランドネームを入れています。カーゴパンツのボタンは、一度インクで文字を入れた後にこすったりして、ヴィンテージ感を出しています。
――細かい! こういったディテールに愛を感じます。
鈴木最近嬉しかったのは、Prefer SHIPSさん経由でファンレターをいただいたことと、 毎シーズン全型全色買ってくださっている顧客様がいらっしゃることです。全型全色買って頂いている理由が、今幼稚園に通っている娘さんに将来着てもらう財産になるようにと。まだ小さな娘さんの財産にTICCAをというのがすごく嬉しくて。その娘さんが大きくなってから着ても大丈夫なように、きちんと作らないといけないなという気持ちになりました。
――それは嬉しいですね。今回のテーマは「旅」とうかがいました。ポップアップではどんなTICCAの世界観を見ることができるのでしょうか?
亀井もともとTICCAのテーマでもある、着心地の良さや、軽くて暖かいとか、しわになりにくいなど、機能性に長けた素材を使って、旅に持っていけるような服を提案しています。旅に行くときに、ちょっと高級なレストランに行く場合でも、TICCAのシャツを一枚持って行っていただければ、きちんと感も出ますし、その後遊びに繰り出すときはボタンを外して抜け感をだしてというように、シーンによって使い分けることができます。しかも、トランクケースに入れても、くしゃくしゃにならないです。
鈴木そう、なのでTICCAの服を旅に連れてってみたいなイメージです。ポップアップでは、トランクや旅にまつわる写真集が並んだりと、来ていただけたら必ず旅に行きたくなるような空間になっていると思います。やっぱり旅をするってすごくいいじゃないですか。人との触れ合いや、その土地でしか経験できないことをすると、新しい発見をしたり、人のぬくもりを感じたり、国内でも海外でも、旅に出なければ気づかなかったことをたくさん吸収できますよね。ポップアップに来ていただいたお客さんが旅に行きたくなり、TICCAを一緒に連れて行ってくれたら最高です。
ディレクターの鈴木さんの愛読書『旅をする木』。気になったページに貼られた、たくさんの付箋が読み込んでいる証。「すごく辛いときに友人が教えてくれた一冊です。この本を読むと、壮大な自然の世界の生死があるなかで、なんて小さなことにくよくよしていたんだろうと思い、ちっぽけな悩みが急にくだらないことに思えて、先へ進もうという気持ちになります」(鈴木さん)
9/18?9/30の期間中、
Prefer SHIPS NEWoMan新宿店ではTICCAのポップアップショップを開催。
旅をテーマにディスプレイされたスペースには、今シーズンのアイテムが勢揃い。
TICCAの世界観をたっぷりと堪能して。
2019 S/Sコレクションを早くもチラ見せ!
プレスルームに並んだ、2019年春夏のアイテム。ホワイトとブラックを基調にしたシャツを中心に、ベーシックなものやレオパードなどの柄ものまで多数ラインナップされていました。店頭に並ぶ日をお楽しみに。