男性向けモノ情報誌として人気の「Begin」をご存じの方も多いはず。その同じDNAを受け継ぎ、物の良さにこだわる女性へ向けた「LaLa Begin」が誕生したのは約2年前のこと。ファストファッションの台頭や、トレンドが激しく移り変わるレディースファッション。そしてそれを扱う女性誌が溢れる中で、「LaLa Begin」の創刊はちょっとしたセンセーショナルであり、待ちわびていたような気もします。そんな「LaLa Begin」編集部から田中紀子さんをお招きし、プレス西村との対談を行いました。両者のこだわりがうかがえる、読み応えたっぷりの内容でお届けします。
可愛いだけじゃなく、物の良さを見極めること
??「LaLa Begin」創刊のきっかけは何だったんですか?
田中:これまでの女性誌というと“可愛い”っていうこと重視だったと思うんですが、“可愛い”ももちろん大事にしつつ、それだけじゃなくその先、物のヒストリーやスペックみたいなところを大事にしていこう、ということで始まりました。もともとは「Begin」の中でパイロット版としてやったことがあって、それが反響があったので一冊にまとめることになったんです。
西村:まさに「Begin」の女性版っていうことですよね。
田中:そうですね。実際に「Begin」の女性版が読みたいっていう声もあったんです。創刊当初は反応はどうなんだろう? って思ってましたが、出してみると「こういう読み込める雑誌が欲しかった」と言ってくださる方がたくさんいて。前から「Begin」を読んでいたという女性も結構いたんですよ。
??「Begin」に載っているアイテムは男女でシェアできるものが結構ありますしね。基本ベーシックで質の良い物で。
田中:そうなんですよね。「LaLa Begin」で掲載しているブランドも「Begin」と共通しているものが多いんです。
??「LaLa Begin」はそもそも“ベーシック”や“スタンダード”を核としているわけではないのですか?
田中:「違いのわかる女になる」っていうフレーズをよく使っているんですが、物の良さを見極めて、一つひとつの違いを見て自分にぴったりの物を選ぼうっていうことですね。物の目利き力を上げるというか。
??その質の良い物というのが自然とスタンダード、ベーシックなものに繋がっているってことなんですかね。
田中:そうですね。やっぱり「良い物を買って長く使おう」という目線なので、そこに行き着くのかなと思います。
??毎回確かなセレクトで説得力と安心感がありますが、掲載するブランドやアイテムはどのような基準で選んでいるんですか?
田中:どこで作られているか、どうやって作られているか、そして値段相応かどうか、という品質と価格のバランスですね。あとはやっぱりグッドプライスっていうのは大事にしているポイントです。もともと「Begin」をやっていた編集長ということもあり、選ぶ目は厳しいので(笑)。
西村:そうですよね。「Begin」をやっていた方というだけで安心感、お墨付き感がありますよね。
田中:編集会議では結構白熱しますよ(笑)。
西村:そうなんですね! 潜入してみたいですね(笑)。
大事なのはビジュアルの素敵さと、うんちくのバランス
??田中さんも、もともと「Begin」編集部だったとのことですが、女性誌へ変わったことで感じる男性誌との違いはどんなところですか?
田中:男性誌だとうんちくが大事だったりするんですけど、女性誌ではそれだけだとダメで、“素敵さ”と“うんちく”とのバランスが大事になりますね。
西村:そうですよね。女性の場合はある程度可愛くて、そこから入っていくって感じですよね。
田中:あとはキャッチコピーにもすごくこだわっていて。これは男性版にも共通していることなんですけど。
??確かに! 「Begin」らしさがあって、良い意味でクセがありますよね。ちょっとオジサン風味というか(笑)。
田中:そうなんです。結構ダジャレが多かったりします(笑)。女性誌なのでギャグばっかりにならないように、そこはちょっと気を付けてますけど、おもしろさにはこだわって作っていますね。
西村:あれだけ詳しく調べられていて、さらにおもしろくするってすごいですよね。
??本当にすごい取材力だと思うのですが、編集部の方がリサーチからされているんですか?
田中:取材には結構時間をかけていますね。詳しいスタイリストさんやライターさんの力も借りながら。おかげさまで情報量が多いとは言っていただけてます。
西村:読み応えがあるので手元にとっておきたいですよね。スタンダードな物とかをしっかり紹介されているので、いつ見ても飽きないし、読み返せますよね。ついつい読み耽っちゃいます。
田中:そう言っていただけると嬉しいです。ミニサイズと“保存版感”は大事にしています。
??特に反響の大きい企画はどんなものですか?
田中:デニムだったりスニーカーだったりを詳しく解説しているページが人気なんです。メンズ誌のように細かいので、この反応にはびっくりしました。
西村:へぇ?、確かにちょっと意外ですね。でもこういうページが人気っていうのは「LaLa Begin」さんならではですね。
??「LaLa Begin」でいま注目している“ニュースタンダード”なアイテムは?
田中:ベーシックな中にも新しさが欲しいということで、例えばLevi’s?でも新しいシルエットの「501CT」だったり、ジャケットだったらBrooks Brothersのボーイズサイズを選んだり。CONVERSはジャパンメイドを選んだり。定番をちょっと視点を変えて注目してみてます。
西村:コンバースのジャパンメイドはSHIPSでも人気です!
田中:ちなみに次号(7月号)ではコンバースの企画を考えているんです。
西村:楽しみです! 個人的にコンバースが大好きで、何足も履き倒してます。
田中:何足持ってても欲しくなりますよね。
シャツ?13,000(+tax)/ liflattie shipsMORE
??では田中さんが個人的に注目しているものや、お気に入りのものはありますか?
田中:実はliflattie shipsさんでカーキのシャツを買ったんです。首元が抜ける感じのビッグサイズのシャツが気になっていたので、まさにこれは色も形もドンズバでした。
西村:うわ?嬉しいです! どんな着こなしをしていますか?
田中:ワイドパンツに合わせて着てます。夏になったらサンダルと合わせたいですね。あとはかごバッグも欲しいと思っていて、やっぱりebagosは気になってます。
西村:私も持ってますがebagosは人気ですよね! ファンが多く、liflattie shipsでは問合せの多いブランドです。
他誌がやらないようなことを丁寧にやっていくことが使命
??お2人それぞれが長年愛用している“マイスタンダード”なアイテムは?
田中:シャツが好きで色々持っています。老舗のインディヴィジュアライズドシャツや最近だとジェネラルリサーチやコモリのものをよく着ています。あとはHanesのTシャツがすごく好きで、SHIPSさんの別注のものを愛用しています。
西村:本当ですか!? ありがとうございます!
田中:「LaLa Begin」で白T企画っていうのをやって、色々なブランドの白Tを着比べたんですけど、Hanes×SHIPSもご紹介させていただきました。1枚で着られるのが気に入っていて、ワイドパンツに合わせたり、シャツの下に着たり。いろんな着こなしに使えるんですよね。
西村:嬉しいですね。私は先ほども出たCONVERSです。MADE IN USA派なのでネットで探すんですけど、なかなか見つからないですね?。
??では最後になりますが、今後の「LaLa Begin」の方向性と時代の流れをどう捉えていますか?
田中:これからも女性の「欲しい」「知りたい」に応えていく親切な雑誌でありたいと思います。他の雑誌が伝えないところまで丁寧にやっていくのが使命だと思うので。根底にはベーシックを軸にやっていきたいですが、やっていることがいつも変わらないのではなく、軸はありつつ、時代に合わせておもしろさや新鮮さは取り入れていきたいです。スタンダード、サプライズ、スマイルの「3S」を大切に。
??「LaLa Begin」らしい誌面を今後も楽しみにしています! 本日はありがとうございました!
田中 紀子さん Tanaka Noriko
2010年世界文化社入社。Begin編集部を経て2014年よりLaLaBegin編集部に在籍。
LaLa Begin
5月12日発売
580円
特集:「本当のグッドプライスを探せ!」「ベランピングをはじめよう!」「印象派バッグの正しい選び方」etc…