ヘルシーに暮らす 前編　
?Presenter：ヨガインストラクター磯沙緒里?

全身を刺激して脳を目覚めさせる太陽礼拝は、朝起きたときにするのが効果的。1呼吸1動作を基本に、呼吸が止まらないように意識しながら自分のペースでやってみましょう。

1.胸の前で合掌。

2.息を吸いながら両手を挙げて…

3.息を吐きながら前屈し、前を向いてルックアップ。

4.片足ずつ後ろへ伸ばし、プランク（板のポーズ）。腕立て伏せのように肘を曲げ、床ギリギリのところで止めてチャトランガ（杖のポーズ）。

5.背筋を使って胸を持ち上げ、コブラ。

6.肘を伸ばして上体を反らし、アップドッグ。

7.腰を上げて踵を床につけ、背筋と膝裏をしっかり伸ばしてダウンドッグ。

8.片足を高く上げて…

9.その足を前に持ってきて上体を起こし…

10.両手を上に伸ばして静止。

11.足をそろえて立ち、太陽を仰ぐポーズで思いきり息を吸ったら…

12.再び合掌。

PMSや生理痛がツライとき、妊娠中などにおすすめなのがこちら。どこでも気軽にできるポーズです。腰に負担をかけないように、胸や背中全体を使うのがポイント。

1.四つん這いになり、息を吸いながら背中を弓なりにして、猫のポーズ。

2.息を吐きながら背中を丸めて、牛のポーズ。

??「ヨガ」と「食」のエキスパートであるおふたりですが、出会いは『STYLE YOGA EVENT（パフォーマンスウェアブランド［sn］super.naturalなどとコラボしたSHIPS Days主催のヨガイベント）』ですか？

磯：
はい。以前、たまな食堂さんがコラボレートされていた回に、私も講師として参加させていただいて。そこで初めてお会いしました。

堤：
私は2年前くらいからヨガをやり始めたんですが、磯さんのレッスンを受けたのは今日が2回目。すごく楽しかったです！

磯：
ありがとうございます！ 私もたまな食堂さんとの出会いがきっかけで、以前にも増して発酵食品づくりにハマっています。発酵食品にもっと適した部屋に引っ越したいと思ってしまうくらい（笑）

??お互いに影響を与えたり受けたりし合えるなんて、素敵な関係ですね。磯さんは、どんな思いでヨガインストラクターをされているのですか？

磯：
最近はだいぶ浸透してきたヨガですが、ハードルが高いと感じるかたもまだいらっしゃると思います。年齢や経験に関わらず、ヨガをもっと身近に感じてほしいというのが私の思い。実際に私のレッスンには、5歳から70代までの幅広い年代のかたが参加してくださっています。ヨガにはさまざまな流派やルールがありますが、一番大切なのは、自分に合ったスタイルを自分のペースで楽しみながら続けること。その第一歩をお手伝いできたら…と思っています。

堤：
私も、毎日続けたいとは思っているんですけど、忙しくてなかなか時間がとれないことが多くて…。そんなときは、ヨガで学んだ呼吸法をちょっとだけ意識してみたりします。心身が疲れているときって、気づくと息をうまく吸えていないことがあるんですよね。

磯：
そうなんです。ストレスで息苦しく感じるときは、思いきり溜め息をついてみるといいですよ。自然と呼吸が深くなってリラックスできます。溜め息って、聞くのはストレスなんですけど、自分でつくのは逆にストレス解消になるんです。

堤：
溜め息をつくのって、何となくいけない感じがするんですよね。「幸せが逃げるから溜め息はついちゃダメ！」ってよく言いますし（笑）。でも磯さんのレッスンでは、要所要所で先生自ら「はぁーーー」って息を深く吐いてくださるので、気兼ねなく思いきり溜め息をつけました。

磯：
呼吸を意識していただいているのは嬉しいですね。「ポーズはできるけど呼吸ができない」というかたはけっこう多いんです。呼吸法をしっかり教える教室も実は少なくて。でも、ヨガの一番の基本は呼吸。体調が悪くてヨガができないときでも、呼吸を意識することはできますしね。

堤：
普段から気づいたときに自己メンテナンスのつもりでやっています。呼吸が深くなると全身に血がめぐって、心身が研ぎ澄まされていく感覚になるんですよね。心の奥底からリラックスできる気がします。

??ヨガを始める前と後では、どんな変化がありましたか？

磯：
私の場合、ホルモンバランスの乱れが改善されました。以前はPMSがひどかったり、体温が低めだったり、体調を崩しやすかったりしたんですけど、ヨガを続けるようになってからビックリするくらい正常になりました。あと、ガリガリだったのが適正体重になったのも大きな変化。食欲や食べ物を吸収する力が、その人に合った適正なレベルに戻るんだと思います。

堤：
私は、自分の体の不調にすぐ気づくようになりました。疲れが溜まっているとか、姿勢が悪いせいで左右のバランスが崩れているとか。体に負担をかけすぎることがなくなったように思います。

??自分の体にとってベストな状態をキープできるようになるんですね。精神的にはどうですか？

磯：
ヨガの哲学のなかに「サントーシャ（知足）」という考えかたがあります。足るを知る、つまり、現状のままで十分満たされていることを自覚し、その幸せに感謝しましょう、ということ。ヨガを始める前は、自分に足りないものに目が行っていましたが、私にとって本当の幸せとは何かをきちんと考えられるようになりました。

堤：
ヨガをすると、自然と心に余裕が生まれます。特に磯さんのレッスンでは、「ありのままの自分でいいんだ」と思えるような肯定的な言葉をたくさん投げかけてくれますよね。以前とくらべて自分にも他人にも優しくなれた気がします。

磯：
とても素敵な変化ですね。ヨガって「自分 対 自分」と思われがちというか、誰かとレッスンを受けていても交流が生まれないケースが多いんですが、私は人と人とを繋ぐ場にしたいと思っているんです。レッスン後にみなさんでお茶して、たわいのないお話をしたり。もちろん予定のある人は「お先に！」って帰られますし、そんなときは生徒さんたちも「お疲れさま！」「またね！」などと、自然と声を掛け合っています。

堤：
職場でも家庭でもないコミュニティを持つのって大事ですよね。ヨガの後であればなおさら、負の感情がないフラットな状態で人と向き合えますし。

磯：
ヨガをすると「セロトニン」という幸せホルモンが分泌されると言われていて、それも心の安定につながっているんでしょうね。以前、不眠に悩んでいるというかたがレッスンにいらっしゃったんですが、「磯さんのレッスン後はぐっすり眠れる」と言っていただけて嬉しかったです。ヨガが心身に与える影響は、本当に計り知れないですね。

??磯さん、堤さん、今日はありがとうございました。次号はプレゼンターをチェンジして、堤さんから「食」のお話をたっぷりお聞きしたいと思っています。 お楽しみに！