8月某日、取材のために待ち合わせていたお店へ、一歩踏み込んだ瞬間に、周囲がワントーン明るくなるような空気感をまとったRIKACOさんが現れました。持ち前のセンスや価値観で、30年以上に渡りファッション業界の第一線で活躍、幅広い世代の女性から圧倒的指示を集める唯一無二の存在感とはどこからくるものなのか? そこをいきなり紐解くにはテーマが壮大すぎるので、今回はそのファクターのひとつと考える、ご自身のファッション感についてインタビュー。「今、何が気になりますか?」「大事にしていることは?」など、素朴な質問にもかかわらず、金言の数々をいただきました。
好きなものがブレないことで
自然とこなれた着こなしが出来るようになる
――RIKACOさんは今期、ファッションアイテムで気になっているものなどありますか?
「正直ね、まだないの。いつも季節の始まり、例えば秋口にちょっと寒くなってきたりして初めて『どういう服を着ようかな』って考え始めるタイプなんだよね。だからトレンドや流行を押さえるというより、自分自身で街を歩いたり他の国へ行ったときに感じる直感的なもので選ぶことが多い。それって自然にトレンドをキャッチしているということにもなるんだけど、その中で自分らしさを織り交ぜて着こなすのがいつものやり方かな」
――では、ご自身の根幹にある好きなものとはどんなものですか?
「もう基本、ベーシックだよね。私のファッションの基本はベーシックで、そこにちょっと小物とかでアレンジするのが好き。ベーシックって言っても、ど定番というのではなくちょっと進化したものが好きかな。それをベースにしながら、ちょっとだけ遊べるような。私の定番といえばスタンスミスやコンバースみたいな白いスニーカー、デニム、白シャツ、白Tシャツ、フリンジ、ターコイズにパールだね」
――RIKACOさんはモデルとして10代から今に至るまで、たくさんのお洋服を着てき来られていると思うのですが、好きなものは、時代や年齢とともに変わってくるんでしょうか?
「それが、好きなものがそんなに変わらなくて。今日、身につけているようなターコイズのアクセサリーや、スタンスミス、フリンジアイテムとかも、今、改めて注目されてるけど、私の中では10代のころから変わらずに好きなもの。基本的に、自分の好きな物っていうのはブレないから、スタンスミスが最近、再注目されてるけどムーブメントで言うと『また来たか』くらいの感覚だよね。それはアクセサリーもそう。そうやって、好きなものを長く持ち続けていると、まわりと比べたときにこなれ感が違うと思うの。自分のルーツがはっきりしていると、服に着られている印象にならないでいられるんだよね。
もちろんアンテナを張って、流行に目を向けるのもいいけど、好きなものがブレない方が、私は素敵だなと思う。『あなたの定番は何?』って聞かれたときに、ブレずにいくつが挙るものが、その人のファッションの軸を作っていると思うから。
たしかにハイブランドのバッグもあるけど、そういうものって自分が仕事をして大人になりかけた時、その年代によって買えるものと買えないものがあってね。10代ではスニーカー、20代ではパールという風に、年齢とともに自分も成長して、そのときの自分に相応しいアイテムを増やして行くの。例えば自分の財力をひけらかすように闇雲に高いものを持ち歩いても、その物に自分が負けちゃうのは凄くかっこ悪い。そうじゃなくって、大事に長く使える物をきちんと絞り込んで選ぶことが大事だね」
ファッションは正直、二の次。
人はやっぱり内面。自分の本質を磨くこと
――気を付けていることや、ファッションに対して大事にしているポリシーなどはありますか?
「やっぱりまずは自分らしさ。自分らしく見える服じゃないと服に着られてしまう。それは自分の好きな感覚や何が似合うかを、まず自分が一番分かっていることだと思う。いろいろと挑戦したりするのはいいと思うけど、結局、シンプルな着こなしでかっこいいのが、その人が一番素敵な姿じゃないかと思っていて、そこを追求して行くとやっぱり人は内面、本質を磨いて年を重ねることだね。それが出来てはじめて素敵な女性、人になれるんじゃないかなって思う。そしてその次がファッションだよね。そういう考えをしていれば、服に着られるのではなく、きちんと着こなせる大人になれる」
――ではときどき足を運ばれるというSHIPSには、どんなところに魅力があると思いますか?
「SHIPSは私たちが10代の頃から街中にあって、ファッションに興味を持ち始めたときから買い物に行っていたお店の一つだった。他にもいろんなセレクトショップがあったけど、その頃のSHIPSのイメージって、もっともっとトラッドで、よりまじめな子たちが着ているイメージだったんだよね。だけど、定番が揃っているし、相変わらずボーダーは当時から置いてあったし。振り返れば10代から見ていたけど、時代ともにSHIPSも進化して、そして今がある。でもここも結局、根幹はブレてないじゃない。その時々で「今」はあるけど、基本はぶれてないというところが好きだし、私の価値観と同じだと思ってて、馴染みが深いっていうか(笑)。今更はじまった感がないのがSHIPSの良さだと思うし、トラッドが私たちのファッションのルーツで、すべてそこから始まっているという意味でもSHIPSとは凄くフィットする部分があるよね」
――本日は貴重なお時間のなか、素敵なお話をありがとうございました。
「このネイビーのワンピースは着やすそうだなと思って。一回、二回着てごわごわしてたりすると、いくらかっこ良くてもちょっとね。着たときのラフさって、こなれ感にも通じるし結構大切。私ならワンピースとしてキレイに着るというよりは、やっぱりネイティブっぽいハードなベルトにウェスタンブーツとか、そこにレザージャケットとか合わせたいかな。ターコイズアクセサリーも合いそう、うん、よく見るとなんでも行けそう。厚手のタイツにきれい目の靴で、ちょっとしたお出かけにも行けると思う」
ワンピース¥30,000(+TAX)/M-fil
「ボーダーもね、私たちのルーツと言ったらセントジェームス。10代の頃はボーダーっておしゃれ過ぎて手が出せなかったんだよね。今は当たり前にあるけど、ボーダーアイテムひとつを探しに行くのも大変だったし、おしゃれ過ぎて特別なものだったなぁ。グレーのスカートもシンプルで形が可愛いなって。この2つを合わせて、足元はスポーティにニューバランスとか合わせてもいいよね。そしてそういうときこそ、時計やバッグをキレイ目にするのがポイントかな」
スカート¥23,000(+TAX)/SHIPS
ニット¥61,000(+TAX)/YURI PARK
RIKACO
持ち前のスタイルとキャラクターで多数のファンの支持を集め、バラエティーや雑誌、CM、女優としても活躍。
2001年にdinosより自身でデザイン、セレクト、モデルを含むプロデュースを手がける「RIKACO’Sstyle」を創刊。
また、オーガニックをテーマにしたbe myselfをプロデュース。
RIKACOオリジナルのライフスタイルが共感を呼びフィールドは広がり続けている。
「RIKACO'S ALOHA STORY2」
発売日:発売中
価格:¥1,600(税抜)
ページ数:160P
出版社:光文社
2012年にPart1が発売され好評を博した「RIKACO'S ALOHA STORY」。今作は前作を超える400件以上の多岐に渡る情報量に加え、切り離して持ち歩けるマップ付きで、より便利で実用性の高いハワイガイドブックとなっています。ハワイで今注目のエリア、人気のアクティビティーから、さらにディープな子供のスクール、ウェディング情報まで網羅。ハワイ最新のショップやレストランもこれさえあれば完璧。今回のハワイ旅、この本を駆使すれば充実間違いなしです。