香SHIPS ?アロマでインフルエンザ対策!??
アロマオイルはただ香りがいいだけでなく、気持ちを落ち着かせてくれたり、集中力を高めてくれたり、はたまた空気をきれいにしてくれたりと、さまざまな効果があるんです。香りや成分の研究はまだ発展途上ですが、いくつかわかってきたことも。今回は、アットアロマのオイル技術担当の千葉正貴さんに香りの機能性について伺いました。
ーー日常の中でとても身近になったアロマですが、具体的にはどのように、人に働きかけているのでしょうか?
千葉 アロマは、私たちが呼吸をすることで鼻や口から吸収されたり、マッサージなどにより肌から吸収されたりします。体に取り込まれたアロマの成分は、脳に届き、「におい」として認識されますが、あわせて、自律神経系や内分泌系を調整する中枢部分にまで作用します。アロマは、複合的に人の身体と心に働きかけます。
ーーなるほど。アロマにはさまざまな効果があると言われていますが、例えばどのような作用があるのでしょうか?
千葉 アロマオイルは植物を抽出させたものですので、さまざまな成分から成り立っています。ラベンダーひとつをみても、その中には数百種類という成分が確認されていますから。そのため、すべてを解明するのは難しいのですが、アロマに含まれる代表的な成分のいくつかは効果が実証されています。一般的なものとしては、リナロールや酢酸リナリルなどの鎮静作用、カンファーやメントールなどの覚醒作用、1.8-シネオール、α-ピネンなどの抗菌や抗ウィルス作用があげられます。
ーーそれらはアロマに含まれている天然成分なんですね。人工的にも作ることができるのでしょうか?
千葉 私たちの香りの世界では「植物こそが最高の調香師」なんて言われますが、アロマオイルは、植物が繁栄の過程で作り出されているものであり、数百種類の成分をバランスよく存在させることで、高い効果効能を得られています。香りの特徴的な部分は人工的に再現することは可能ですが、すべてを再現することは不可能と言われています。古代から生活や医療に利用されてきたアロマオイルの効果効能は、伝承とともに確立されている部分も多くを占めていますが、今後ますますの活用のため、科学的な研究も進んでいます。
ーー「クリアフォレスト」という商品は、エステーグループと共同開発されたそうですね。
千葉 そうですね。エステーグループの日本かおり研究所(株)により、β-フェランドレンなどトドマツに含まれる森林成分が、NO2(二酸化窒素)を低減させる効果が実証されたんです。NO2(二酸化窒素)は、呼吸器系など人体への悪影響や、PM2.5や黄砂に結びついて、人体への影響をより悪化させることが知られています。アットアロマは、このトドマツオイルを中心にブレンドしたオイルを開発し、空気浄化とともに消臭効果やリラックス効果が期待できるものとなっています。
ーー「CLEAN air(クリーンエアー)」もまた、環境に作用するアロマですよね。
千葉 「CLEAN air(クリーンエアー)」は4種類の香りがありますが、主成分はすべてユーカリグロブルスなんです。ユーカリには、先ほど述べた抗菌や抗ウィルス効果のある1.8-シネオールやα-ピネンが多く含まれていますから。実証実験でも、アロマを空間噴霧してから、89分後に浮遊菌、118分後に浮遊ウィルスの除去が99%以上に達することがわかったんです。
【参照】アットアロマプレスリリース
ーーアロマの効果が具体的に証明されたんですね。ということは、これからの季節にアロマでのウィルス対策が可能ということですね。では、その効果を最大限に活かすにはどのように使うのがよいのでしょうか。
千葉 室内ではアロマデュフューザーなどを使い、しっかり香りを広げると効果が期待できます。また、外出するときはマスクに1滴たらしたり、ハンカチに数滴たらしたりして持ち歩くなど、様々な活用方法があります。
ーー風邪が流行ってますからね。今日から、マスクやうがいに加えて、アロマでウィルス対策をしたいと思います。今日はありがとうございました。
千葉正貴 Masayoshi Chiba
(アットアロマ株式会社)
北海道大学大学院工学研究科修士課程修了後、化学会社にて約5年間研究職として勤務。アットアロマでは、オイル・ディフューザーの開発に携わり、現在は営業としてアロマ空間デザインの導入を広げている。