世界一のカシミアの産地 オルドスを訪ねて。世界一のカシミアの産地 オルドスを訪ねて。 世界一のカシミアの産地 オルドスを訪ねて。世界一のカシミアの産地 オルドスを訪ねて。

世界一のカシミアの産地 オルドスを訪ねて。世界一のカシミアの産地 オルドスを訪ねて。

BUYERS VIEW
世界一のカシミアの産地
オルドスを訪ねて。

世界一のカシミアの産地オルドスを訪ねて。

SHIPS MEN

日本から飛行機を乗り継ぎ11時間余り。中華人民共和国内モンゴル自治区にあるオルドス市は、カシミア生産量ダントツの世界一を誇る場所です。日本ではあまりなじみのない地域ですが、そこには羊の飼育から、刈り取り、紡績、編み立て、縫製に至るまで、整備されたシステムでカシミアニットを効率よく作り上げるメーカー、“オルドス”があるのです。
SHIPSメンズ企画の高橋直樹が、新たなカシミアニットを作るべく最高品質を求めて行き着いたこの場所。自分の目で見た、広大で高度なシステム“オルドスパーク”の内部を潜入リポートします!

広大な土地に作られた“カシミア王国”

 カシミアの生産量世界一を誇るオルドス市は、日本からはアクセスがあまり良くない内モンゴル自治区にあるため、現地まで足を踏み入れたことのある人は少ないかもしれません。北京で乗り継ぐのが一般的なルートですが、便数も極端に少なく(一日2便程度)、時間が合わないと長時間空港で時間を潰すことになります(自分も北京で7時間足止め)。オルドス空港からは一本道を車で走ること1時間余り。見渡す限りの平原を抜けると、カシミアの王国というべきオルドスの一大施設“オルドスパーク”に到着します。  まず、大きなモニュメントのある入り口を通過して実感するのが、その広大なスケール感。視界に入る土地はすべてカシミアニットを作る施設であり、整然と並んだ建物がどこまでも続いています。中では4500人以上が働いているというから驚きです。施設内部では一貫して行われるカシミアニットの生産工程を順を追って拝見させていただきました。刈り取った毛の選定から紡績、編み立て、染色や縫製に至るまですべてがシステム化され効率よく作業が進められていきます。これだけの施設と規模は、間違いなく世界屈指。ヨーロッパのロロピアーナなどの歴史ある生地メーカーが、直接糸を買い付けにくるというのも納得ができました。

  •  このオルドスと共に作る新しいカシミアニットが店頭に並ぶのは、今年の10月ぐらいを予定しています。世界で最も上質なカシミアが手に入る場所で効率よく作られるニットは、クオリティもコストパフォーマンスもかなり高いものになると思います。SHIPSで展開されるニットは、このオルドスで刈り取られたカシミアの中でも最上ランクと呼ばれるホワイトカシミアだけを厳選して使用します。どんなニットが出来上がるか、ぜひとも期待していただきたいですね。

実際に生産の現場にも足を運ぶというメンズ企画の高橋。カシミアニットに関しても様々な企業と物作りを行ってきたが、理想を追い求めていった結果、オルドスに行き着いたとのこと。整った施設を直接確認すべく、今回初めて現地へと旅立った。

こちらは山羊から刈り取った大量の毛を、熟練のスタッフが選定している様子。 不純物やランクの劣る毛を丹念に取り除いています。

選定した原毛は、紡績に入る前に大きな機械に通して整えます。

機械で繊維がほぐされロープのように束ねられたものが、また別な機械でさらに綺麗に整えられていきます。糸になる前段階。

糸になる前に染色された毛の塊。こちらが美しい糸になります。鮮やかな発色が印象的でした。

鮮やかに染め上がった糸は巻き上げられて、その後編み立て工程へと進みます。

広大なスペースに置かれた無数の編み立て機。とにかくスケールが大きくて圧倒されます。

縫製作業を経てカシミアニットが完成。この後いくつかの工程を経て、各国へと出荷されます。

山羊の飼育はオルドスパークから離れた広大な土地で行われています。山羊は野放し状態で飼育すると環境にも悪影響を及ぼすため、細かく管理しながら飼育されているとのこと。

恵まれた環境でゆったりと育てられる山羊。モンゴルで刈り取られるカシミアの量は年間で約2000?2500トン。これは文句なしの世界一です。

オルドスパークの入り口付近にそびえ立つ大きなモニュメント。ちなみにこちらの広大な施設が完成したのは2013年。それまでは複数の場所にそれぞれの工程を行う工場が分散していましたが、効率のよいシステムにするため一カ所に集められました。