雑誌『KINFOLK』から生まれたブランドが、いち早く日本に上陸 雑誌『KINFOLK』から生まれたブランドが、いち早く日本に上陸

雑誌『KINFOLK』から生まれたブランドが、いち早く日本に上陸

雑誌『KINFOLK』から生まれたブランドが、いち早く日本に上陸

雑誌『KINFOLK』から生まれたブランドが、いち早く日本に上陸

SHIPS Days

世界各地からクリエイターが集まるロハスでアーティスティックな街、アメリカ・ポートランド。そこで2011年にスタートし、瞬く間に世界で注目を浴びるようになったのが、ライフスタイル誌『KINFOLK(キンフォーク)』です。創刊者は、20代の若き編集長ネイサン・ウィリアムスと写真家・ライター・デザイナーの友人たち。シンプルで自然体な生活を美しい写真とともに提案するスタイルが反響を呼び、2013年の日本版発売以降は国内でもファンが急増しています。そして2014年、『KINFOLK』の世界観を体現するライフスタイルブランド『Ouur by KINFOLK(アウアー・バイ・キンフォーク)』が新たに誕生。共同プロデュースを手がけるのが日本のファニチャーブランド・アクタスというだけあって、4月の本格展開前からすでに話題沸騰! 今回は、そんな旬のブランドを今まさに創りあげているアクタスの皆さんにお話を伺ってきました。

左/株式会社アクタス プレス 直海 祐一 Yuichi Naomi  中/株式会社アクタス バイヤー 安東 清子 Kiyoko Ando
右/株式会社アクタス MD 村田 謙 Ken Murata

??そもそも、なぜ『KINFOLK』と共同でブランドを立ち上げることになったのですか?

直海 『KINFOLK』のコンセプトや世界観には以前から注目していました。豊かな暮らしとは消費を繰り返すことではなく、つくり手の顔が見える製品とできるだけ長い時間を過ごすこと。創業以来そういったメッセージを発信し続けてきた弊社の考え方と、非常に似ている部分があったからです。一方で『KINFOLK』を出版するOuur Studioも、自分たちが納得のいくプロダクトを雑誌と同じアプローチでつくりたいという想いを創刊当初から持っていました。そんな中、『KINFOLK』日本版創刊を機にネイサン・ウィリアムス編集長が来日することになり、直接お会いしてお話をする機会を得ました。そこで同じ価値観を共有できたことがきっかけで、数多くのパートナー候補の中から弊社を選んでいただいたのです。

村田 もともとネイサン自身も、Made in Japanの優位性や信頼性には注目してくれていました。さらに、『KINFOLK』の拠点であるポートランドと日本の暮らしに共通点も感じていたようです。たとえば日本って、行事があるたびに親戚で集まったりする文化がありますよね? 『KINFOLK』の原点も、自分の家や庭に身近な人を呼んでおしゃべりしながら手料理を食べるような、シンプルだけど心地いい日常がテーマ。そういった部分に相容れるものがあり、共同プロデュースという形でブランドを立ち上げることになりました。話が持ち上がってからブランドリリースまで1年足らずというスピードです。

??実際に会ってみて、ネイサン編集長の印象は?

村田 2013年6月の来日以降、日本またはアメリカで定期的に会っていますが、奥深い魅力のある青年です。口数は多くなく、それでいてウィットな一言をぽんと投げかけてくるような感じですね。

安東 明確な意思表示を好む海外の方とコミュニケーションをとるのはなかなか難しいですが、ネイサンの場合は、日本人独特の感覚的な表現が通じるので驚きました。商品を形にしていくにあたって、質感や雰囲気の共有がしやすいですね。また、彼の商品づくりの重要な判断基準として、自分が「着たい」「使いたい」と思うか否かというものがあります。だからこそブランドの軸がブレない。『Ouur by KINFOLK』を象徴する素材のひとつにリネンがありますが、彼もいつもリネンの服を愛用しています。

??ブランドを形にする上で大切にしていることは何ですか?

村田 目指しているのは、エッジの効いたブランドではなく、ベーシックだけど長く使い続けられるブランド。デザインしすぎず、素材にとことんこだわったアイテムを展開していきます。ただし、『Ouur by KINFOLK』が追求する「シンプルさ」は、単に余計なモノを削ぎ落とすのとは少し違います。自分の生き方にマッチするものだけを丁寧に選び抜き、プラスしていくようなイメージ。そういった概念を商品づくりにも取り入れ、シンプルでも飽きずに長く愛せるブランドにしていきたいです。

安東 トレンドにあわせて買い替えるのではなく、ずっと使いたいと思える自分の定番アイテムを見つけて、そこにほかのアイテムを買い足していくような楽しみ方をしてもらいたいですね。ネイサンが重視している3つのキーワード「comfortable(快適な)」「subtle(敏感な)」「utility(実用的な)」も常に念頭に置いています。今は衣料の比率が高いですが、次のA/Wでは雑貨やキッチンツールも増える予定です。

??アクタスといえばファニチャーがメインだと思いますが、衣料ならではの難しさもあったりするのですか?

安東 もう、全然違いますね(笑)。服は着る人の体型や動きによって表情を変えますから、それを見越したデザインをしなければならないのが難しい。反対に、最も人の近くに存在するものだからこそ、工夫次第で着る人の魅力を最大限に引き出すことができる面白さもあると思います。『KINFOLK』のポリシーを受け継ぐブランドとして、服単体というより「どう着るか」や「どこで着るか」を含めた提案ができればと思っています。

??『KINFOLK』が提案するシンプルな生き方。憧れはありますが、ハードルが高いと感じている人も多いと思います。

村田 無理にシンプルにしようとすると、どうしても息が詰まってしまいますよね。「シンプルに生きる」というのは「ストイックに生きる」ことではなく、自分にとって大切なものを選び抜いていくこと。まずは自分の大切にしたいものが何かを知って、それを意識的に生活に取り入れてみるといいと思います。最近私が実践しているのは、『KINFOLK』のサブタイトルでもある「スモールギャザリング(家族・友人・隣人などで集まる小さなパーティ)」。何気ない日常の中で人とのつながりを実感できる、心地よい時間です。

安東 『KINFOLK』らしい生き方って、特別なものではなく本来もっと日常的なもの。いつもの生活に私たちのアイテムをひとつ取り入れることで、そのような生き方を気軽に楽しめるーーそんなブランドに育てていきたいですね。まずは日本でのリリースですが、ポートランドをはじめとする海外での展開も計画中。言葉や文化の枠を超えて、世界中で『KINFOLK』の価値観を共有できるようになれば、こんなに素敵なことはありません。「our」に「u(you)」を加えてつくられた『Ouur』というブランド名のように、皆さんと私たちでともに育てていくブランドでありたいと思っています。

『KINFOLK』を出版するOuur Studioと株式会社アクタスの共同プロデュースにより、2014年にデビュー。2月より先行販売を開始し、4月25日にオープンするアクタスのコンセプトショップ『SLOWHOUSE』で本格展開スタート。4月オープンの『SHIPS Days』ららテラス 武蔵小杉店のみで展開。