「L’histoire se r?p?te eligo」でつながる3人の輪
2013AWより、スタートしたウィメンズブランド「L’histoire se r?p?te eligo(リストワール ス レぺテ エリゴ)」がこの度、2014SSから、SHIPSで取り扱いを開始することに決定しました! そこで今回、デザイナーの町田栄子さんを囲んで、株式会社フラッパーズの代表取締役・長島邦彦さんとバイヤー松葉によるスペシャル対談を決行。
思わぬ出会いから、ブランドについてのお話し、今後お店で展開される新作についてを、3名の和気あいあいとした掛け合いと共にお楽しみください。
??まずSHIPSとL’histoire se r?p?te eligoとの出会いのきっかけは何だったんですか?
長島「もともと僕と、デザイナーの町田さんはL’histoire se r?p?teというスカーフを使ったウェアブランドでお仕事をしていました。4年ほど前にフランスから町田さんが帰ってきた後も、一緒にヨーロッパの各国を回ったりしていたんだよね」
町田「長島さんとはよく海外へ行きましたね。デンマークやポーランドと、ドイツにフランスを一気に回ったことがあってね」
長島「そうそうそう! デンマークを回っていた時には疲れ果てて、コペンハーゲンの湖のほとりでビールを飲んだりね! 町田さんとはそんな仲(笑)。そして松葉さんとは僕が、2年くらい前、仕事でパリへ行ったときに展示会場を回るシャトルバスで出会いました」
松葉「そう聞くと、すごく素敵な出会いに聞こえますね!(笑)」
町田「本当! ドラマチック(笑)」
長島「それが僕的にはそうでもなくって……。」
松葉「そうそうそう、初めて会ったとき長島さんとっても気まずそうな感じだった(笑)」
長島「いや、その時一緒に行動していたフランス人の友人がとってもフレンドリーにSHIPSチームに話しかけてて(笑)。なかなかああいったシャトルバスの中って日本人同士話しすることないんで、緊張しちゃったし、相手はあのSHIPSさんだしっていうんで、とにかく恐縮しちゃったわけ」
町田「へー、そんなきっかけだったとは初めて聞いた!」
松葉「そうなんですよ、その時名刺交換をさせてもらって。そこから町田さんのデザインするL’histoire se r?p?teを教えていただいて、展示会をするたびに見せていただいてました」
長島「あの時は焦っちゃっててんやわんやしてたけど、今こうしてお仕事させてもらえるようになったことを考えると、フランス人の友達に感謝だね(笑)」
??L’histoire se r?p?te のあとに新しく作られたL’histoire se r?p?te eligoとはどんなブランドですか?
町田「初めに作ったL’histoire se r?p?teはフランスの生地や素材にこだわって作っていたブランドでややカジュアルなものだったんですが、もう少しエレンガントで機能的なものを作りたくって。そこでL’histoire se r?p?te とはまた違う女性像を描いて作ったのが2013SSからスタートさせたL’histoire se r?p?te eligoです」
長島「僕が見てるイメージとしてはちょっと大人っぽくなったのかな?」
町田「うん、L’histoire se r?p?teは中間色が多かったのに対して、L’histoire se r?p?te eligoは白黒のはっきりとした色をベースにしたのと、生地を主にイタリア製にこだわったところが大きな差かな?」
松葉「私は2013AWから見させてもらっていたんですが、その時点では今のSHIPSには大人っぽく感じたんですよね。とても洗練されていた。でもそのあと、秋冬を見せていただいたときに『これはうちに合うな』と思ったのを覚えています。今のSHIPSにはない大人像、大人の女性像を探していたので」
長島「本当に毎回、感心しているんですけど町田さんのデザインする服にはいつも新鮮な驚きがあるんですよね。生地の選び方や、日本人の体型に対する理解を洋服として完成されたものにするのが本当にうまいなーと。上(目線)からですが(笑)」
松葉「ここ数年、日本ではファストファッションの波があって、安くてかわいいモノが凄く溢れていたと思うんですよ。その流れからもう少し落ち着いて服の良さを追求していきたい、そこを分かるお客さまに商品を手に取ってほしいという思いが湧いてきていたんですが、そこにちょうどL’histoire se r?p?te eligoはハマった気がしました。また展示会でデザイナーである町田さんのお顔も最初から見れて、お話もさせてもらえた。この人がこの生地にこだわって、こういう気持ちで作っているというのが一貫して見えるブランドだったので、お付き合いをさせてもらいたいと思いました」
??では今シーズンから展開されるアイテムについてのお話を聞かせてください。
長島「お、出た、あれだね! 女性レーサー!」
町田「そう、1920年代に開かれていたブガッティという車のレースで、当時、男性を負かして優勝していたブガッティクイーンのエレ・ニースという女性をイメージしたコレクションです」
長島「毎回、全然違うところからインスピレーションを膨らまして、服に落とし込むって本当に凄いよね。僕らはそれを見て『いいじゃん、いいじゃん!』って言うだけ(笑)」
町田「大変なんだからね!」
松葉「なんでそういったテーマから服へつなげられるんですか? ちゃんと話を聞いたら、納得できるんですけど、毎回凄いなって」
長島「やっぱりもともと遺伝子工学と勉強してたとか関係あるんですか?」
町田「いやいや……」
長島「あのDNAの螺旋状とかのね!」
松葉「あーーーーーー!! なるほど!!!」
町田「違う違う、関係ないから!」
長島「知らない人はなんとなく、そこが繋がってる気がして納得しちゃうけどね(笑)」
町田「おかしいでしょ! ちょっと脱線しましたね。話を戻しますと女性レーサーということで、風に吹かれている様子や、先頭を切って走っているところをイメージしています。なのでスピード感を感じさせるようなシャープもの。例えばレーシングスーツって昔はちょっともたついているんですけど、それをデニムに落とし込んでラッフルを肩に付けてみたり。他にもニットトップスにオーガンジーを採用したりして、レーサー特有の切り替え構造を使っていますね」
長島「その話、もっと詳しく教えてね。僕もみんなにそういう話したいから(笑)」
松葉「町田さんは日本に帰ってきて4年くらいたちますよね。ちょっと日本を離れていた町田さんから見て、日本人のファッションってどうですか?」
町田「うーん、ヨーロッパの大都市って全員がZARAかH&Mなんですよね。もう全員がといっても過言ではない。その流れが日本にも入ってきてるんだけど、日本の人はオリジナリティが高いですよね。本当にうまく選んでるし、こちらのアイテムでも合わせやすいものを想定して選ばれているのってさすがだなって思いますね」
??では、L’histoire se r?p?te eligoのこれからの展望を聞かせてください。
町田「そうですね、軸というか主流は変わらないと思います。エレガントでスポーティで、外へも着ていけるというのは根底にありつつ、もう少し遊びや挑戦があればいいな。生地や色使いなど、もっと日本の生地を使っていきたいというのはあります」
松葉「そう思う、何かきっかけとかあったんですか?」
町田「この前ね、着物の生地展に行ったんですけど、着物を作っているところの技術が本当に凄くって。シンプルな柄でも本当にキレイなの。これは絶対に海外の人が好きだろうし、興味を惹かれるだろうなと思ったの。こっちに帰ってきてから趣味で茶道を習っているんですけど、その時にお着物を着ているんですよ。そうすると本当に無駄のない所作を学びながら、日本の文化の奥深さを感じるんですよね」
長島「そうそう、無形文化遺産として和食が賞を取ったりしたからね。今後はちょっと海外への展開も考えていきたいところなので」
町田「そう、そのうちね。そのうちだよ?(笑)」
長島「うん、だからその前に3人でご飯でも行きましょうよ! 町田さん、フランスでも日本でも美味しいところいっぱい知ってるからね!」
町田「そうそう、今はねアフリカ料理にはまってるの。だからそれね!」
松葉「よし、行きましょう、行きましょう!」
??より一層、絆が深まりそうな素敵なインタビュー、本当にありがとうござました。
1.「これはブガッティに乗っている時のエレ・ニース自身のイメージですね。走り抜けた後の残像みたいな柄がポイント。この生地はイタリアです」
トップス ¥27,000(+TAX)
2.「こちらはレーサーとしての彼女とは一転して、レースが終わった後に太目のパンツを合わせて足元はピンヒールにゴージャスなアクセサリーをして出かけるイメージ」
トップス ¥21,000(+TAX)
3.「バッグにはメッシュ、サイドにはオーガンジーを採用。レーサーの衣装って体にフィットしている分、通気性をよくするためにこういった切り替えって多いですよね。それをそのまま体現しました」
ニットトップス ¥21,000(+TAX)
1.「これはもう彼女が着て歩いているだろうロングジャケットを想像して。下にはつなぎを合わせたりしているはず。ちょっと着丈を長くすることで、大人っぽさと同時にイタリア人が持つ独特のヤンキーっぽさ?かな。それをイメージしました」
ジャケット ¥48,000(+TAX)
2.「これは日本の生地を使っていて、ちょっと遊び心を入れたくって。フロントはベーシックなデザインなんですけど、後ろはちょっとどきっとするような仕掛けがある。そこにタイトスカートを合わせて、女性がアピールしたくなるようなセクシーさです」
トップス ¥23,000(+TAX)
スカート ¥28,000(+TAX)
1.「肩にラッフルを付けたりして颯爽歩くことでと風を感じさせつつ、パンツはストンとしたイタリア人らしいスマートな印象に仕上げました。デニムは日本製の生地です」
トップス ¥23,000(+TAX)
パンツ ¥28,000(+TAX)
2.「若干のコクーンシルエットですっきり見せています。両肩にジップが使われているから、そこを外してすとんと脱げるという機能美も」
デニムワンピース ¥29,000(+TAX)/すべてL’histoire se r?p?te eligo
デザイナー 町田栄子さん
1998年からフランスを拠点にデザイナーとして活動を開始。2000年にはニットブランドを立ち上げコレクションを発表したりとヨーロッパを中心に活躍。帰国後の2010年にL’histoire se r?p?teのデザイナーを務め、2013年にL’histoire se r?p?te eligoのAWコレクションを立ち上げる。
(株)フラッパーズ代表取締役 長島邦彦さん
インド、メキシコ、ヨーロッパなど、買い付けのため日夜世界を駆けまわるアパレルメーカー社長。アンティーク家具や生地の仕入れなどには国内外、自ら現場に出向くというバイタリティで、デザイナーや取引先からの信頼も厚い。
SHIPS WOMEN バイヤー 松葉千紘
2002年シップス入社。渋谷店販売職を経て、VMD担当に就く。その後バイヤーとして国内外を飛び交いシップスらしさを追求したバイイングを行う。