フランス発の注目ブランド QBISMへの10の質問。
デザイナーであるQuentin Nghiem氏はこれまでいくつかのブランドやプロジェクトに関わってきていますが、なぜ今改めて自分のブランドをスタートさせることになったのか、そのいきさつやきっかけを教えてください。
これまでさまざまな面白いブランドで働きいろいろなことを学びました。しかし、やはり私は自分の思ったことが出来る独自のコレクションを作りたかったのです。
これまでのキャリアの中で得た、服作りをする上で大切なこととは?
デザインのレベルは沢山あると思っています。すごく強いアイデアがあっても、実際にはなかなか着づらいものもある。そのベストなバランスを考えていくことが大切。そして着る人が心地よく、また数年経っても着ることのできるもの。それが良い商品だと考えます。
ブランドのコンセプトを教えてください。
濃いベーシックな色。ちょっとはずれた色。幾何学模様。これらすべてを取り混ぜた20年代の芸術運動「CUBISM」が好きで、そのときの有名な画家たちに非常に影響を受けています。
QBISMというブランドにとって一番大切にしていること、そして表現したいこととは何ですか?
もっとも重要なことはアイデンティティーを持つこと。見てすぐにQBISMの服だとわかり、みんなが気軽に着れて、シンプルで強い印象的なもの作りをしていくことです。
デザインのインスピレーションはどこから得ているのでしょうか?
それはいろいろなところ、そして物から得ることができます。特別な色や力強い言葉など、突然イメージが頭の中にわき、それをすぐに黒板に書き取り、あとで練り直します。
ハンドメイドにこだわる理由とは?
QBISMは限られた数しか生産されていません。それはクオリティーと納品の正確性をコントロールするためです。パッチワークなどの細かい作業を正確にしてくれる工場も今は少なく、出来上がりも納得のいくものが少ない。自分たちで作業したほうが、よりイメージに近いものを作ることが出来るからです。
影響を受けたデザイナー、ブランド、アーティスト、クリエーターを、その理由とともに教えてください
川久保玲(COMME des GARCONS デザイナー)、JIL SANDER、CELINEと AGANOVICH(ロンドンをベーツに活躍するブランド)。メンズではRick Owens','やSaint Laurentですが特に影響を受けているわけではなく、彼らの求める道が好きなのです。
現在はトップスを中心に展開していますが、今後の展望などはありますか?
すぐに大きくなることは考えていなくて、トータルコレクションにもあまり興味がありません。今は特定のモデルに力を入れているほうが良いと思います。今後はQBISMがどう成長するかに左右されます。丁度今、革小物を作り始めたところで、財布やiPhone/iPadケースがあります。いつかはウィメンズも作ってみたいと思っています。
イメージしているスタイリングはありますか?
すべての私たちの商品はコーディネートが簡単です。複雑にせずに、いいデニムやチノパン、靴やスニーカーと合わせればオーケー。シンプルにいくのが一番です。
日本のファッションに対する印象は?
日本の人はきれいで面白い服が好きだと思います。独自の服の文化を創っていて、とても興味深いですね。日本の洋服好きなバイヤーと会うのがいつも楽しみです。
ショルダーやボディ、バックに至るまで、複雑に構成されたパターンワークでシンプルなスウェットを芸術的にアップデート。キューブをモチーフにした中央のデザインは、コーデュロイ・デニム・レザーと3つの素材を組み合わせている。
¥30','000 (+TAX)/QBISM
こちらはフロントに、今季のトレンド柄であるブラックウォッチのウール素材を使用。ブリティッシュトラッドな素材とアーティスティックなデザインが融合した新しいデザインだ。襟もとのガゼット部分にはレザーを使用している。
¥33','000 (+TAX)/QBISM
こちらはフロント部分にブラックウォッチの生地を使いつつ、さらにそれをパッチワーク風にアレンジしたもの。トラディショナルな素材を斬新にブラッシュアップするテクニックはさすが。着用した時のシルエットも美しい。
¥38','000 (+TAX)/QBISM
左のフロントポケットにはレザーを使用。さらにアシンメトリーな色の切り替えでベーシックなジップアップパーカを斬新に蘇らせた。さらにバックヨーク部分は中央でレザーとデニムを切り替え。バックスタイルもデザイン性が高い。
¥35','000 (+TAX)/QBISM
QBISM
QBISM= QUENTIN+ CUBISM(立体派)。
幾何学的なディテールと特徴的なカッティングが特徴的な、強力なコンセプトを持つブランド。デニム・コーデュロイ・タータンチェック・製品染めなど、生地の切り替えで表現するパッチワークデザインが魅力。一見シンプルなカッティングだが、実は緻密に計算されていて着心地も快適。