『sweet』編集長が語る、東京・名古屋・大阪のファッション
梅田のファッションビルLUCUAにて、『sweet』(宝島社)大阪初のイベント「sweet×LUCUA ガールズパーティ in 大阪」が開催されました。Khajuもそのイベントの一環として、ファッションショーに参加! 大盛り上がりとなった当日の模様を振り返りながら、『sweet』編集長渡辺佳代子さんに、各都市のファッションシーンや独自の誌面作りについてなどをお伺いしました。
――「sweet×LUCUA ガールズパーティ in 大阪」はいかがでしたか?
渡辺 トークショーとか人前に出るのが苦手なので、そういう企画があってもこれまではお断りしていたんですよ。でも、今回はドッキリのように知らぬ間に台本が完成していて(笑)。すでにタレントさんの出演も決まっていたので、どうにか頑張りました。
――そんなことを感じさせないほど、紗栄子さんや、吉川ひなのさんとのトークショーは大盛況でしたね。
渡辺 ありがとうございます。あの日は地震で電車が止まってしまって、来られないお客さんもいらっしゃったことが残念でした。実はあの場所、一年前から密かに目を付けていたんです。大阪駅ホームの上を、南北に横断する大きな橋のような構造になった広場で、下には電車が通っているユニークな空間。 LUCUAなどのファッションビルに囲まれているのですが、ガラス張りなのでお客さんからも見られるし、ランウェイを作ったら面白いだろうなと思って何度か下見に行っていたんです。
――そうなんですね。仕事などで大阪へ行かれることは多いですか。
渡辺 でも、年に5〜6回くらいですかね。
――そのなかで、大阪と東京のファッションシーンの違いを感じることはありますか。
渡辺 全然違いますよ! 昨年は平子理沙さん、今年は紗栄子さんの本を作る機会に恵まれて、どちらも東京、名古屋、大阪でイベントをしたんです。そこで感じたのは、名古屋の方はまつ毛もチークもすごく盛っていて。髪の色も明るい人が多くて、ヘアアレンジがみなさん凝っていましたね。ファッション的には、ゆるいTシャツをふわっとしたミニスカートにインして、トロっとしたジャケットを羽織っている人が多いんです。大阪はプラダ率がダントツで高くて、キャンバスのトートや、サフィアーノを持っている人が多かったですね。あと、大阪は美人が多い! ファッション的にもトレンドを取り入れながら、やり過ぎない感じのオシャレさんが多かったです。
――東京はどうですか?
渡辺 大阪や名古屋に比べると、東京って意外に控え目なファッションの方が多いように感じます。そうそう、絶対に東京にしかいないっていうパターンがひとつだけあって。それは、東京で40歳を超えている人は「私、いくつに見えますか?」って聞いてくるんです(笑)
――そのエピソードは面白いですね。
渡辺 どの会場も幅広い年齢の方に来場して頂いて、子連れの方も多いんですけど。その質問は東京だけなんですよ。
――『sweet』では、地方の情報を取り上げることも多いですか
渡辺 昨年やったらすごくウケたので、いまは年2回、全国ショップスタッフスナップをやっています。同じショップでも場所によってスタッフの着こなしが違ったり、いろいろと面白いですよ。でも、『sweet』は28歳ということだけは打ち出していますが、職業や結婚、未婚、どこに住んでいるかなどについては限定していないんです。どこか架空の世界みたいにしたいと思っていて、東京の街特集もしたことがないんですよ。
――そう言われてみれば、どの街でもない雰囲気がありますね。『sweet』と言えば「28歳、一生“女の子”宣言」のキャッチフレーズですが、渡辺編集長の考える28歳の女性像というか、気分みたいなものはどんな感じですか。
渡辺 20代の女の子って、30歳になることをすごく重くとらえているじゃないですか。それって27歳から急激に意識し始めるんです。27歳までは20代なのに、28歳になった瞬間に30代の気分になる子が多くて。女子アナもその時期に辞める人が多かったりしますよね。28歳は女の人生の曲がり角だと思うんです。ファッションにしても、これまでと同じようなかわいい服を着ていていいのかなと悩んだり。
――ということは、どこかに大人っぽさを入れた提案をしているんですか。
渡辺 逆ですね、かわいいままで振り切れ!っていう提案です。そのお手本になったのが、ティアラやリボンをつけた30代前半の頃の梨花さんだったんです。
――梨花さんは説得力がありますよね。いま、表紙のモデル選びに何か基準はありますか。
渡辺 重要視しているのは、表紙にしたときににじみ出る我の強さですかね、ちょっと表現が悪いですね(笑)。うまく言葉にできない。10年くらい前は、毎号いろんな女優さんにも出て頂いていたんですよ。でも、『sweet』ってハマる方とハマらない方がいて難しいんです。いつの頃からか、梨花さん、浜崎あゆみさん、安室奈美恵さん、吉川ひなのさん、平子理沙さん、最近は紗栄子さんあたりで固まってきましたね。
――今年は柄ものやカラーアイテムが一般的なトレンドですが、『sweet』の夏のおすすめアイテムを教えてください。
渡辺 ネオンカラーや柄ものが流行っているのは重々承知していますが、6月号はあえてシャツとデニムを特集しました。読者にとっては、もっとも苦手とするアイテムだと思うんですけどね。毎号変わり映えのない特集もつまらないですし、単純にシャツが流行っているという意味で挑戦しています。
――最後に、さまざまなブランドを見られているなかで、渡辺編集長が感じるKhajuのイメージを教えて頂けますか。
渡辺 いい意味で、年齢関係なく着られるブランドだと思いますよ。今年っぽいものを着たいけれど、トレンドを追いかけ過ぎるのはイヤっていう人にちょうどいい気がします。トレンドを加味したバランスのいい上手な服作りがされていると思います。
――今日はお忙しいなかありがとうございました。
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渡辺佳代子
明治大学政治経済学部を卒業。1997年、宝島社へ入社。「CUTiE」編集部を経て、1999年11月より20代の若さで「『sweet』」の編集長を務める。“大人カワイイ”を追求し、同誌を日本一売れているファッション雑誌に育て上げた。
sweet
ファッション雑誌シェアナンバーワンの宝島社が発行する女性ファッション雑誌。「一生“女の子”宣言!」をコンセプトに、高校生から大人の女性まで幅広い層から支持され、4年連続でファッション雑誌販売部数No.1。これまでに4度100万部突破の記録を持つ。デザイン、素材、実用性にまでこだわった、トレンド感たっぷりのブランドアイテム付録も人気。