スタイリスト上井大輔さん「サングラスのおもしろさ」
仕事用で集めたものも含めれば、自宅に200本以上はサングラスをストックしているというスタイリストの上井さん。意識して集めていたわけではないけれど、気づいたらたくさんのサングラスに囲まれていたのだとか。何がそこまで上井さんを駆り立てたのか!? サングラスの楽しみ方とは!? サングラスが最も活躍する夏はもう目の前! その面白さの極意を探るインタビュー。
――上井さんと言えばやはりサングラスのイメージです。雑誌などのメディアに出られる時も必ずしていらっしゃいますよね。
あれは照れ隠しって言うのもあるんですが(笑)、でもそうですね。サングラスは大好きです。
――200本くらい持っていると聞きましたが。
ちゃんと数えたことがないんですけど、多分それ以上あるんじゃないかな。“集める”という意識があったわけじゃないんだけど、中学生くらいから買い始めて……気がついたらいっぱい持っていましたね(笑)。あとはやっぱり仕事でもつかうので。スタイリストとして活動をはじめてから急激に増えましたね。
――中学生のころから好きだったんですか?
当時は古着にはまっていて。メタルフレームのティアドロップとかミラーサングラスとか、70?80s的なノリで。お金もないのでほとんど古着屋のもの。下北とか町田とかよく行っていましたね。でもそんな大層なもんじゃないんですよ。500円のおもちゃみたいなサングラスとか。でもそういうのが意外と使えたりするんですよ。
――やはりファッションアクセサリーとして使い勝手が良いですか。
もちろんそういうのもありますが、実用性がちゃんとあるというのもポイントですよね。僕は車の運転も好きなので、そういう時は必ずかけます。見た目の面白さだけじゃなく、快適であるということも重要です。
――今日はコレクションの一部を持ってきていただきましたが……まさにこれはほんの一部ですよね。残り200本近くは家にあると。
そうですね。昨日の夜、持っているサングラスをばーっと出してセレクトしてきました。久しぶりに見るものもたくさんあったので楽しかったです(笑)。
――上井さん的にサングラスを選ぶ基準みたいなものはあるんですか?
特にこれと行った基準はないですね。ある時期はティアドロップにはまったり、またある時期はミラーレンズにはまったり。これじゃなきゃって言うのはないんですけど、一度これと決めるとそれを掘り下げるクセがあるのかな。
――じゃあジャンル問わず、いろんなものを持っていると。
いろいろ持っていますね。絶対自分はかけないし、スタイリングでもきっと使えないだろうなーとかいうものもついつい買っちゃうんですよね。いつかどこかでなにかあるんじゃないかって思っちゃったりして(笑)。
――そういう意味じゃやっぱりサングラス“フェチ”ですね(笑)。今もまだまだ増え続けているんですか?
そうですね。でも自分用のものを選ぶ時はかけやすさを重視しています。例えばこのドルチェ&ガッバーナのサングラスは本当にかけやすくて、ネットで探して3本色違いで買ってしまったほど。やっぱり本当に自分の顔にしっくりくるものってそんなにあるわけじゃないので、気に入ったものは色違いで買っちゃうんですよね。
――やっぱりサングラスってかけると印象というかキャラクターが、がらっと変わりますよね。
そうですね。アクセントというか、イメージを演出する上ではすごく使えるアクセサリーだと思います。僕はもうサングラスがないと落ち着かないですよね。
――今日はカジュアルなネイビーのコートスタイルですが、このドルチェ&ガッバーナのサングラスをかけるだけでかなりモードな印象が増しますね。
そうそう。そこでイメージを持っていきたい方向に運んでいけるので、結構助けられます。
――でもサングラスって苦手な人もいるじゃないっですか。なんとなく恥ずかしいみたいなところもあったりして。
かけ慣れない人はやっぱり最初は恥ずかしいとは思いますよ。でもそれはみんな同じなんじゃないですかね。かけ続けていくうちに慣れていくし、だんだん似合ってもくる。それとさっきも言ったように、ある程度実用性も兼ねていればかける理由ができるので、恥ずかしさも半減。そういう意味では夏はサングラスをとりいれる格好の時期です。
――今日持ってきてもらった中で気に入っているものをいくつか教えてもらえますか?
一番のお気に入りはさっきも言ったドルチェ&ガッバーナのやつ。その前はこのA.P.C.のサングラス(写真左)を良くかけていました。これも確か全色買いしてしまったんですよね。あとはこのテンダーロインのサングラス(写真右)も好きです。じつはこれも数色持っていて、これはテンプルを別の色のモデルと付け替えたんです。だからバイカラーになっている。そういうカスタムをして遊んだりもしています。色違いで買うとそういうこともできるんですよ。
――このミラーサングラスも格好いいですね。
これはシュプリームの、オークリーの別注フロッグスキン。ちょっと前のものですが、フレームまでメッキにしてあるのが今見ても格好いいですよね。あとおもしろいのはギャルソンとカトラー&グロスのコラボレーションのサングラス。フロントフレームがフリップ式になっていて開けられるんです。
あとこのチェックのやつもなかなかいいんですよ。これはノーブランドで古着屋かなんかですごく安かったもの。それのレンズをミラーレンズに変えているんです。レンズを変えてしまうのもひとつの手。自分だけのアイテムが簡単に作れちゃいます。
――やっぱりサングラスは普段から意識して探しているんですか?
そうでもないです。そのためだけにっていうよりも、服を見に行ったついでにっていうことが多いですね。僕は結構小物が好きなんで。
――良く行くショップなどはありますか?
ラフォーレにあるCCカントリーには良く行きます。サングラスとかメガネって服と違って試着しやすいじゃないですか。だからつい増えてしまうのかもしれませんね。服はコーディネートとか自分の持っているワードローブに合うかとか考えることが多いけど、サングラスって一発逆転的なところがある。それかけちゃえば一気に今っぽく見えるとかね。そういうところにも惹かれているのかもしれませんね。
――でもやっぱり顔の大きさとか形とか結構重要じゃないですか。
確かにそれはそうです。重要なのはノーズの高さ。それと顔の幅とのバランスだと思います。同じティアドロップのサングラスでもそれぞれにバランスがあって、似合うものと似合わないものがあると思うんです。似合う似合わないのラインはデザイン性よりも、そういった細かい部分にあると思いますね。逆にそのバランスさえ注意して選べば結構なんでも行けると思う。だから僕はデザインがすごく気に入っているので似合わなくてかけづらいものがあれば、アイウエアショップに直しに出します。鼻の高さを合わせたり、テンプルを調整したり。それだけでかなり変わりますよ。
――この夏はどんなタイプがおすすめですか?
個人的には夏はやっぱりミラーレンズのちょっとギラギラしたやつがおすすめ。シンプルになる夏スタイルのアクセントにはうってつけです。時に最近はシンプルなスタイルが主流じゃないですか。例えば無地の胸ポケットTシャツにショーツとか。そこに個性的なサングラスがあるとぐっとイメージが変わる。トレンド感も演出できる。そうやってまわりと差を付けるって言うのはひとつの手ですよね。SHIPS JET BLUEならオークリーのフロッグスキンなんかが特に良いですよね。比較的リーズナブルだしカラーバリエーションもある。軽いからかけやすいですし。
サングラス ?16','800/OAKLEY
――それこそカラバリで揃えておけばいろいろ楽しめますしね。
サングラスはその気軽さも魅力ですよね。例えばミラーレンズのサングラスとシンプルなブラックのサングラスを2本持ち歩くことだってできる。TPOに応じて簡単にイメージを変えることができるんです。もっと積極的に遊んでみてほしいですね。
上井 大輔(demdem inc.)
ミュージシャンや俳優、プロスポーツ選手のスタイリングを手掛けるほか、雑誌や広告、映画、CMなどその活躍は多岐にわたる。幅広いジャンルで厚い信頼を得る、実力派のスタイリスト。
http://www.dcammy.com/