スタイリスト森岡弘さんが提案する、SHIPSサマースタイル スタイリスト森岡弘さんが提案する、SHIPSサマースタイル

スタイリスト森岡弘さんが提案する、SHIPSサマースタイル

スタイリスト森岡弘さんが提案する、SHIPSサマースタイル

SHIPS MEN

ファッション誌でのコーディネートを始め、アスリートや政治家などのスタイリング、デザイン、コンサルティング等々幅広く活躍されているスタリストの森岡弘さん。ベーシックながらひとひねりあるコーディネート提案は、すぐに真似することができ、それでいてファッションの楽しさを知るきっかけを与えてくれる。そんな森岡さんに、この夏のおすすめコーディネートを組んで頂きながら、スタイリングのポイントや心構えを伺った。


――お洒落にうまくコーディネートするためのポイントを教えて頂けますか?

森岡 まずはどのアイテムをポイントにするかを決めるのがいいと思いますよ。一般的にトップスから考える人が多いと思いますけど、シューズでも何でもいいんです。最近はパンツの選択肢が増えてきているので、ボトムから考えていくのも面白いですよ。

――最近はメンズもパンツの幅がすごく広がりましたよね

森岡 ボトムをどう作るかで雰囲気がすごく変わるんですよね。最近は、PT01とかインコテックスとかトレンド感のあるブランドが増えたので、いろいろと遊べると思いますね。しかもトレンドがひとつじゃなくなっているので、より自由になっていますよね。

――自由になってきているのは何故だと思いますか

森岡 日本人のセンスが良くなっていますから。もはやトレンドに踊らされなくなっています。というよりも、踊らされ過ぎている人はカッコ悪い。僕の若い頃なんかルールでがんじがらめでした。その点、いまは何でもありの時代だし、自分の好きなものを着て、そこにどんなスパイスをかけるかが重要だと思います。大事なのは「こなし感」ですね。


――「こなし感」って意外に難しくないですか?

森岡 スタイリングをするとき、プロのモデルさんは足し算で考えることが多いんですよ。彼らは何でも似合うから。でも、一般の方の場合は、引き算しながら着地点を探しますね。そのほうがうまくいくんです。大事なのはシルエットと色使い。色をどう足すのか、減らすのかは重要です。でも、何より大事なのは本人のパーソナリティやキャラクターですよ。流行を追いかけることで、その方の良さを消してしまうのはよくない。キャパシティを超えるトレンド感なんて、何もいいことがないんです。本人だけが悦に浸っているなんてことはよくありますから。流行は3番目でいいんです。

――ファッションは今後どう進化すると思いますか

森岡 自分をプレゼンするという意味でも、ファッションはもっともてっとり早く自分を高めてくれるツールだと思うんです。これからはトレンド好きな人よりも、センスを感じる人がカッコいいといわれる時代になってゆくと思います。みなさんが自分の価値観や志向で服を選ぶようになるのではないでしょうか。


この夏はジャケットにショーツというスタイルを提案したいんですよね。大事なのはショーツで崩しているんだけど、何となく“キッチリ”しているところですね。この“キッチリ”っていうのはこれからのテーマになると思うんです。さらに茶色のジャケットを使っているのも半歩先の提案。このジャケットは素材感やフォルム的に、ボタンを留めずにリラックスして着られます。
コーディネート自体は特別なことをしてないんですよ。きばってないけど、どこか派手に見えるのがポイント。このショーツはシアサッカー地で清涼感があるし、マスタード色は茶色とも相性がいいんです。今年のショーツスタイルは、ジャケットをニット感覚で羽織りながら大人気分でコーディネートして欲しいですね。

ジャケット ?99','750/LARDINI
シャツ ?26','250/LUIGI BORRELI
パンツ ?25','200/GBS
シューズ ?39','900/HIROSHI TSUBOUCHI
チーフ ?5','250/Nicky


僕が若い頃に通っていたSHIPSのスタイルに、いまどきの感覚をプラスしたスタイリングです。今年はチェック柄がトレンドですけど、このシャツは配色がユニークだったので今回のキーアイテムに選びました。やはり、大人のカジュアルスタイルは襟のあるものを選んだほうがいいと思いますね。こういうコーディネートは昔からあるんですけど、色やサイジングで雰囲気を変えて行くと今っぽさが生まれます。さらにニットを巻くことでカジュアル過ぎない雰囲気を演出。今回、足もとをビルケンシュトックにしましたがエスパドリーユにしてもいいと思います。キャップはアメリカンスタイルに欠かせないアイテム。でも、全体としてはどこかヨーロッパを感じさせるテイストにしています。

カーディガン ?11','550/SHIPS
シャツ ?18','900/GITMAN BROS.
Tシャツ ?5','250/GENERAL QUARTERS
パンツ ?21','000/grown & sewn
シューズ ?21','000/BIRKENSTOCK
キャップ ?6','930/EBBETS FIELD FLANNELS
ベルト ?11','550/grown & sewn
バッグ ?24','150/STANLEY & SONS

森岡弘

(株)グローブ代表取締役。ファッションディレクター&スタイリスト
早稲田大学在学中より、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)にて編集業務にかかわる。同大学卒業後、同社に正社員として入社し、男性ファッション誌『メンズクラブ』編集部にてファッションエディターとして従事。10年間勤務した株式会社婦人画報社を退社後、クリエイティブオフィス(株)グローブを設立。
現在はファッションを中心に活動の幅を広げ、俳優、芸能人、ダンサー、ミュージシャン、スポーツ選手、アーティスト、政治家、企業家のスタイリング。イベントのコスチューム、企業のユニフォームデザイン。アパレルブランドやライフスタイルブランドのコンサルディング、及び広告ビジュアルやカタログ制作のファッションディレクション、スタイリングを手がける。2010年より読売新聞にて日常の着こなしをスタイリッシュにする『きれい』を連載中。2013年6月には3冊目となる本、「デキる男のお洒落の極意」(講談社)を出版。また一般の人を素敵にする「スタイリング ラボ」も主宰する。

『男のお洒落の方程式』
(講談社刊)

『男の休日 着こなしの方程式』
(講談社刊)