『ブラジル映画祭2013』が、10/12(土)〜全国各地で順次開催!
「ひとりでも多くの人にブラジルの魅力、ブラジル映画の魅力を知って欲しい」という願いのもと、2005年から開催されている『ブラジル映画祭』が今年もやってくる!今回は、国際的な映画祭などで高い評価を受けた話題の作品の中から、「家族」をテーマにした8本を上映。日本では観る機会の少ない良作が集まるだけに、映画ファンからも高い支持を集めている。
また、昨年好評だった『ジュニア・フィルム・カーニバル 〜子どもたちが作る1分間映画〜』も同時上映。これは在日ブラジル人学校の生徒たちが、1分間の映画を制作するという企画。ここでは、若き在日ブラジル人の生の声や感性、ユーモアを垣間見ることができ、また彼らにとっては多くの人たちに向けた発信の場ともなっている。このユニークな企画を立ち上げたトゥピニキーン・エンターテイメントの宮下さんは、「長時間労働により両親不在の時間が増え、さらに生活環境の違いもあり子どもが非行の道に走ってしまうケースを文化活動により改善していく狙いもある」と語る。技術面においては、映画や映像制作にたずさわっている日系ブラジル人のイルダ・ハンダと、ブラジル人のマリアナ・ピザーニがサポート。また、日本語字幕は日本の大学でポルトガル語を専攻する学生が担当するなど、日本とブラジルの相互コミュニケーションの場ともなっている。SHIPSMAGでは、今年の映画祭に出展する1分間映画を制作した埼玉県上里町の『ティー・エス学園』に伺い、中学生、高校生それぞれのチーム代表者に制作秘話などを聞いた。
――まずは中学生チーム。いまは撮影がすべて終わって、これから編集作業と聞きましたがどんな内容の映画になっていますか?
サニー 私たちは学校での日常を作品にしました。学校で守らないといけないことがら10カ条をみんなで考え、それを再現映像にしました。
――制作はどうやって進んだのですか?
ブライアン みんなで話し合って、意見を出しながらiPhoneで撮影していきました。
――iPhoneで撮影っていうのがいいですね。作っていて大変だったことはどんなことですか?
サニー 撮影中にみんなが笑い出しちゃって、止まらなくなっちゃったり。あと、演技をするのがすごく恥ずかしかったです。
――高校生チームはどうやって進めたのですか?
ラファエル 制作をしたのは6人で、それぞれ監督、俳優、脚本とか役割りを最初に決めました。その後、テーマを決めていって。
――どんなテーマになったのですか?
ラファエル 日本で暮らすブラジル人のお話しです。学校ではポルトガル語、アルバイト先などでは日本語を話す僕たちの日常を描いています。主演したジャシカの生活がベースになっていますね。
ジェシカ 私は中学校まで日本の学校にいたので、すでにそれが普通の生活ですね。
ラファエル 僕は5歳のときに日本に来て、その頃は日本語でアニメも観ていたんです。でも、一度ブラジルに戻ってから日本にきたので、いまはまだ日本語が難しいですね。でも、2つの言語が話せることはいいことなので、ラッキーかなと思っています。
――映画作りで難しかった点や、映像に対しての視点で変わった点などありますか?
サニー 主演をしたのですごく恥ずかしかったし大変でした。意識が変わった点といえば、映画を観てもカメラアングルなど細かい部分を注意するようになりましたね。
ラファエル たった1分間の作品なのに秒単位で撮影しなくてはいけなくて、さらに何回も撮り直すことに驚きました。
――完成したら、まず最初に誰に見せたいですか?
ラファエル すごく苦労したから、まずは自分かな。どんな結果になるのか早く観てみたい。
ジェシカ 私も主役を演じて大変だったし自分ですね。
――中学生チームは?
サニー 私も自分かな。すごく頑張ったから(笑)
ブライアン 僕は恥ずかしくて誰にも見せたくない。
――最後に、みんなが感じている日本とブラジルの違いを教えてください。
サニー 日本に来てまだ半年なので毎日が発見です。日本は何でも手に入るし暮らしやすいけど、ブラジルのほうが友だちも多いしそっちのほうが好きかな。
ジェシカ 日本人はすごく落ち着いていて、親切で礼儀正しいですね。ブラジルはみんなオープンマインドで、明るくて元気いっぱい。私はそのどちらも好きです。
ブライアン 日本では何でも揃うしすごく便利。ブラジルはみんなの距離が近い気がします。
ラファエル 日本とブラジルは両極にある気がします。日本は交通機関がしっかりしていて整備されていて、時間もきっちり、技術も高い。ブラジルのいいところは、人との関係が親密で近い点ですね。
――皆さん、同じ意見なんですね。では、完成を楽しみにしています。編集作業、頑張ってください。今日はありがとうございました!