HUgE Editorial Director 右近亨の逸品。
HI-END STYLE MAGAZINE 「HUgE」のEditrial Directorや、「月刊EXILE」等の
雑誌を手がける傍ら、SHIPS JET BLUEのカタログもディレクションして頂いている、
いまやファッション業界になくてはならない存在のファッショニスタ。
そんな氏にSHIPSで目にとまった物や自身の話まで伺った。
Levi's 501とRED WINGは常に時代のメインストリームにいる。
ボクの知る限りこの2つのアイテムは国内に流通するようになってから、1度もすたれた事がない。
定番と言われながらも時代の片隅に君臨するレッドウィング。
ボクがレッドウィングのセッターブーツを買ったのは20年位前ですかね。当時、藤原ヒロシ君とか裏原の人達がセッターを履く様になって人気が出始めた、確かそのブームのちょっと前だったと思います。このスーパーソールって今の人達には履きづらいとか野暮ったいとか言われてちょっと敬遠されていますよね。今の主流はビブラムソールやクレープソールとかじゃないですか?
ボクはこのスーパーソールの持つゴツさというか靴全体の持つバランスが凄く好きなんです。
このブーツで難点を挙げるとすればスーパーソールって“減り”がちょっと早い所じゃないですかね。勿論、歩き方によって変わってくるでしょうけどクレープソールなんかもそうなんですがビブラムソールと比べちゃうと幾分減りが早い様な気がします。
その出始め当時、白いクレープソールがスニーカーっぽくて好まれていましたけどボクはこのワークブーツっぽい黒いソールの方が好きでした。それとボクは履く回数より手入れしている回数の方が断然多かったのでいつもオリジナルのミンクオイルを塗って磨いてましたね。だからボクのセッターは磨きすぎて色が変わってしまい、それこそ野球のグローブみたいになってしまいましたけど。
ミンクオイルで思い出したんですけど、あの缶やブーツの箱にある赤いウィングのマークが凄く好きで古着のTシャツとかコーチジャケットなんかもいまだに持っています。たしかジャケットは編集部に置いてありますね。
実際の所、レッドウィングの復刻話は色々な意見(縫製方法や仕様の面で)がありますがボクは大賛成ですね、良いと思います。真っ黒のタイプなんかはスタイルを選ばないので今のマスキュリンな格好にも似合いますよね。
ボクは主にシップス ジェットブルーのカタログ制作に参加させていただいています。そこで感じたのはジェットブルーって若い人中心のブランドじゃないですか?なのに流行が後追いじゃない所がいいですよね、自分達がリードしていこうという感じがシップスっぽいです。毎シーズンテーマをちゃんと立ててスタイル提案をなされている所なんかは一緒にファッションを作っている側としては非常に頼もしいです、本当はあるべき全うな姿なんだなと思うんですよ。
そういった取り組みをする事によってセレクトショップさんのアイデンティティも高まるし、ファッション雑誌とも協力しあったり、切磋琢磨しあったりしてやっていければいいなと思っているんです。
スーパーソールブーツ¥27','930/RED WING×SHIPS GENERAL SUPPLY
右近 亨
《プロフィール》
1958年北海道生まれ。学生時代から雑誌の編集アシスタントを初め、後にフリーランスのエディターとなる。
『POPEYE』『monoマガジン』などの編集を経て、1980年代末からテレビの放送作家業も兼務。2003年『HUGE』の創刊からディレクターとして『HUGE』に関わる。2011年4月からは『月刊EXILE』のディレクターにも就任。