対談「時計とファッション」 対談「時計とファッション」

対談「時計とファッション」

対談「時計とファッション」

時計とファッション

SHIPS MEN

時計対談と題してMEN'S CLUB エディターの有賀裕一郎さんと時計にまつわるお話に詳しいライターの柴田充さんをお迎えし、お二人のお気に入りの時計と購入したきっかけ、それにまつわるお話などを伺った。お二人のファッションからの視点で捉えた時計選びも興味深く非常に面白い対談となった。


-- 最初にお二人にお持ち頂いているご自身の時計から伺ってもよろしいですか?

有賀
「はい、僕がこの時計を購入したのはこの時計が復刻されてすぐの事だったので7、8年前の事だったと思います。値段じゃない軸で勝負できる時計が欲しくて、このタグ ホイヤーのモナコはデザイン的にもワン&オンリーだし、かつストーリー性もきちんとあったというのが僕が購入した理由なんですよ」
柴田
「僕も同じモデルを持っているんです、この時計はデザイン的にも洋服を選ばないし、値段も手頃だからいいですよね」
有賀
「そうなんですよ、特に今年は春夏からブルートーンの洋服が流行っているのでそれにも合うし、それだけデザインが普遍的ということでしょうね」
柴田

「そのタイムレスな感じがいいですよね、僕のこのオーデマ ピゲのロイヤルオークもそうなんだけど20年位前に見た時は、なんて70年代っぽい時計だろうって思ってたんですよ、それが10年位前から見え方が変わってきて。モナコも最初の印象と全然変わってきたんですよね、不思議なんだけど。今着けてても全然古く見えなく、いい時計着けてるねって、スイスの時計関係者からもよく言われますよ 」

有賀
「そうなんですよね。このモデルの枠組みの中で新しいモデルは出てきますけど、モナコベースで極端な変更が無いという所も旧ユーザーを裏切らなくていいですね」
柴田
「基本的にタグ ホイヤーって一つのモデルの息が長いじゃないですか、カレラにしてもリンクにしても、ブランドの育て方と言うかモデルの育て方がよく解っていると思います。モデルチェンジが早いとどんどんすたれて行くので、長くそのモデルを育てていくにはベーシックな所は変えないのがポイントで、その点でも上手いですよね」
柴田
「そして、僕のオーデマ ピゲのロイヤルオークの話なんですが、やはり10年位前にいいなと思い始めて、その後にロイヤルオークのオフショアのブームが来始めていて、でかくて厚いフォルムというのがトレンドとしてありました。でも僕は腕が細いこともあって、そっちじゃないと思ってこっちを選んだんですよ、感じとしては有賀さんのモナコと同じように、ブレスレットタイプでブルーのダイヤルでフレキシビリティーがあって使い回しがきくというのがポイントです。それにオフショアがメインストリームに出てくると、これがむしろドレスウォッチに近い感じになってきています。3針のシンプルなドレスウォッチを着けるならば僕ならこれを選びます。それに先頃ジェラルド・ジェンダ(デザイナー)氏が亡くなられたこともあり、リスペクトの意を込めてこの一本をセレクトさせてもらいました」

-- そうしましたら次にお二人が狙っている時計と、その時計らしいおすすめのコーディネートを教えて頂けますか?

有賀
「そうしましたら僕から紹介させて頂きます、僕は次に狙っているモデルはベル & ロスのヴィンテージWW1というモデルです。これってやっぱりどっかお澄まし顔の時計だと思うんですね。なのでコーディネートで遊んでみたいなと・・・それに最近の新作の傾向でもある薄くて大きいところはきちんと抑えています。その原点となるスタイルは大きくは変えずに、サイズなどを現代的にアップデートしたり、ムーブメントの進化という点などは、ファッショントレンドにも共通する原点回帰をベースにしたモダナイズ的なものを感じます。そういった視点で選んだのがオーセンティックな雰囲気の中に加工やサイジングといった部分での進化を感じる「グロウン&ソーン」の軍パン。ボーダーのカットソーにトレンドのギンガムチェックシャツをコーディネートし、ちょいミリタリーなテイストを取り入れたスタイルにしてみました。」

ニット ¥6','930/SHIPS
シャツ ¥9','975/SHIPS AUTHENTIC
パンツ ¥23','100/Grown&Sewn
柴田
「僕は「ジャガー・ルクルトのグランド レベルソ ウルトラスリム トリビュート トゥ 1931」です。ブラックのダイヤルとSSケース、そしてブラックレザーのストラップの組み合わせに、少しマニアックなんですが、ブラッキーと呼ばれたクラプトンが使っていた黒のストラトキャスターのイメージが浮かんだのです。これを現代のギタリストに置き換えるとそれこそジョンメイヤー。彼もブラックワンと呼ばれる黒のストラトを使っているんですね。で、その格好が普通のチノを穿き、黒いTシャツなんかを着ているんです。ちょっと綺麗めで何の変哲もないんだけど、すごくロックっぽい。クラプトンとも通じる、大人っぽさというか、渋さというか。そんなイメージから今回のスタイルを提案をさせてもらいました。」

ニット ¥16','800/INVERALLAN
パンツ ¥12','600/SHIPS AUTHENTIC
ストール ¥14','700/FRANCO FERRARI