ギフト選びのコツ、教えます!
No. 06

幅 允孝が選ぶ、大切な人に贈りたい本

幅 允孝 有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター

人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、動物園、学校、ホテル、オフィスなど様々な場所でライブラリーの制作をしている。最近の仕事として札幌市図書・情報館の立ち上げや、ロンドン、サンパウロ、ロサンゼルスのJAPAN HOUSEなど。近年は本をリソースにした企画・編集の仕事も多く手掛け、JFLのサッカーチーム「奈良クラブ」のクリエイティブディレクターを務めている。早稲田大学文化構想学部、愛知県立芸術大学デザイン学部非常勤講師。https://www.instagram.com/yoshitaka_haba/

人に贈りものをするときに大切にしていることは何ですか?

「おもすぎず、かるすぎず。それは重量の部分でも、内容の部分でも。」

今、贈りたいもの、贈られたいものは何ですか?

「時間。時間泥棒の出てくる『モモ』の話になってしまいますね。 」

幅 允孝が選ぶ、大切な人に贈りたい心あたたまる本

男性から女性へ『生理ちゃん』全巻セット
「祝!実写映画化。言わずと知れた小山健の大人気漫画を続編も含めて。男性が決して理解し得ない生理について、少しでも分かろうと努める姿勢が大切だと思います。そういう意味では、読んだ後にプレゼントして美味しいものでも食べながらの読後会がよいかと。」

女性から男性へ『Giorgio Morandi: Late Paintings』
「いや、画集などを女性からもらったらドキドキしますね。それがモランディだったりしたら、なおさら。この本は、静かなる狂気に充ちた画家モランディの後期作品を集めた1冊。静物画をひたすら描き続ける画家の細やかな光の嗅ぎ分けから、陰影の移り変わり。そんなものを共有できる仲になりたいものです。」

親から子へ『はぐれくん、おおきなマルにであう』
「絵本作家シェル・シルヴァスタインのロングセラー『ぼくをさがしに』の続編を村上春樹が訳しました。“自分はじゅうぶんではない”と思っている者が、何かを探し求めるストーリーは承認不足の現代のほうが人に響くと思います。そんな自己の肯定と健やかな在り方について、親子で会話するのはどうでしょう? 最初に翻訳した倉橋由美子と村上訳の違いもたのしめます。」