2000年代以降、東京のファッションシーンを牽引してきたsoe(ソーイ)。ストリートとアメカジ、ヨーロッパのファッションをミックスさせた独特で重厚感のあるアウターは、毎シーズンKhajuで大人気。他とは異なる魅力を発するsoeの洋服はどのように作られているのか、アウター好きのプレス立石がディレクター 伊藤壮一郎氏にお話を伺いました。
カテゴリーに縛られずにやっていきたいから
ストリートとアメカジとヨーロッパのファッションを
全部混ぜたら東京ぽいかなって
立石今日はよろしくお願いします! soeのアウターは毎回すぐ完売になってしまうほど人気なんですよ。
伊藤本当に?(笑)
立石私が「これ好きだな〜」って思うアウターは絶対soeなんです。今日はsoeのウィメンズラインについてお話しを伺いたいのですが、まずコンセプトを教えてください。
伊藤例えば、“渋カジ”や“裏原”みたいにファッションってカテゴリー化されていますけど、僕がブランドを立ち上げたとき、カテゴリーに縛られることなくやっていきたいと思ったんです。そういった意味で、soe全体のテーマはあらゆるカテゴリーを横断するイメージで、ウィメンズは簡単に言うと、時代や様式を踏まえてそれを新しく作り変えるといった具合です。
立石伊藤さんは服飾の学校には行かず独学で服作りを始めたとのことですが、ブランド立ち上げの経緯を教えてください。
伊藤若い頃は洋服よりほかに興味が向いていたんですよ。ヨウジさんのオムのチーフをされていた方に可愛がってもらっていて、彼のアトリエに入り浸っていた時期があったんです。その頃、母が自分のブランドをやった方が面白んじゃないかと提案してくれて、そこからsoeがスタートしました。
立石最初にデザインしたお洋服はなんですか?
伊藤ジーパンとTシャツだけです。当時、Levi’sのブラックジーンズが好きでよく穿いていたんですけど、ブルージーンズは色々あるけどブラックジーンズを扱っているところがないなと思って、ブラックジーンズを4型くらい作ったんですよ。それが思いのほか好評で。あれが売れていなかったらブランドを立ち上げていなかったと思います。
立石大学在学中にブランドを立ち上げたんですね。
伊藤東京コレクションに初めて出たときは学生だったので、学食で仮縫いとかしてましたよ(笑)。
立石服作りは全てひとりでやられていたんですか?
伊藤コレクションをやることになってサポートを1〜2人入れるようになりましたが、それまではパタンナーさんを含む3人だけで作っていました。
答えが見つかっていないというのも
服作りの面白さのひとつ
立石soeはシーズンごとにデザインがガラっと変わるので面白いなと思っていたのですが、今回のFWのテーマは何ですか?
伊藤ウィメンズに関しては、テーマをあまり設けていないんですよ。古着やアーカイブをsoeのデザインに落とし込んで、今の気分を反映させるということが多いです。
立石ウィメンズのデザインをする上で難しいことはありますか?
伊藤まだまだ勉強中というか、ウィメンズのデザインは面白いけれど本当に分からない部分も多いんですよね。メンズはある程度自分の中で方向性が確立しているし、チーム内にも浸透しているのですが、ウィメンズはまだ共通意識が明確にはなくて。ウィメンズチームは苦労しているかもしれないですね。
立石ウィメンズは年々アップデートしていくという感じですかね。
伊藤進化したり、退化したりかな(笑)。制作過程で良いところと悪いところが必ず出てくるから、そういう意味では作っていて面白いですよ。
立石デザインをする際は、やはり古着などからインスピレーションを得るのでしょうか?
伊藤僕は洋服のことを考えるのが癖になっているというか、目で見たものを頭の中でパズルのように結びつけたりすることが多いと思うんです。惹かれたものを断片的に集めて、こう作り変えたら面白いかな〜って。
立石洋服を作ることはもはや生活の一部ですもんね。
伊藤本当にそうです。何かからインスピレーションは得ているんだろうけど、あまり意識していないのでコレ!というのは思いつかないですね。強いて言えば古着にはかなり頼っています。見たことないディテールやバランスを見つけるのは面白いんです。
タグが取れたら
どこの服か分からないみたいな
ブランドにはなりたくない
立石トレンドが関係しているから仕方ないとは思うんですけど、市場に出ているアウターってどれも似ているんです。でもsoe は他とは被らないデザインを確立していると思うのですがデザインする上で意識していることは何ですか?
伊藤全体的にメンズっぽいのかもしれないですね。シルエットがということではなく、考え方とか。デザインする上で僕は洋服が軽くなりすぎないように意識しています。そこが他のレディースとは違うのかもしれないです。あとは、ウィメンズに関してはトレンドをあまり意識しないようにしています。タグを外したらどこの服だか分からないブランドにはなりたくないじゃないですか。トレンドを意識したほうが営業の人は喜ぶかもだけど(笑)。
立石トレンドに流されないスタイルが人を惹きつけるんだと思います。
伊藤基本的にはメンズの発表の時期がスケジュール的に早いので、メンズチームとコレクションの骨組みを作ってから、ウィメンズが始まります。そこはこだわりというわけじゃないですが、そういう順番でのものづくりしか出来ないって感じかな。その分メンズぽい強さがウィメンズのデザインにも出るのかなと思っています。
立石無骨な感じがなくて、女性がかっこよく着られるアウターが揃っていますよね。今シーズンもsoeのアウター買っちゃいました。最後に、店頭でsoeを手に取るお客様にメッセージをお願いします。
伊藤メンズっぽい重厚感が他とは違うかもしれないので、一度着てみてsoeのアウターの魅力を感じていただきたいです。
2019FW soe
立石の今季お気に入りのCollectionはこれ!
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Tateishi’s Comment
トレンドのチェックとサイズ感、ディテールなどすべてがツボです! メンズっぽい見た目も好き。
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Tateishi’s Comment
ひと目見たときに心を奪われました! 袖はどうなっているんだろう?と気になってしまう不思議なデザインで、周りの人と差をつけられること間違いなし!
Khajuで取り扱う2アウターはこれ!
コート ¥86,000(+tax) / soe
プレス立石がsoeのアウターを試着!
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シルエットがメンズライクで、伊藤さんが言うように重厚感があります。ウエストのドローコードや首回りのファーなど、女性的な要素もあって素敵。どんなコーディネートにもハマると思います。
シルエットがメンズライクで、伊藤さんが言うように重厚感があります。ウエストのドローコードや首回りのファーなど、女性的な要素もあって素敵。どんなコーディネートにもハマると思います。
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コート ¥89,000(+tax) / soe
PROFILE
伊藤壮一郎 | Soichiro Ito
1977年、東京生まれ。高校卒業後にロンドンへ留学。98年に帰国後、青山学院で経済史を学ぶ傍ら独学で服作りを始め在学中にSOEを立ち上げる。2004-2005 SSより東京コレクションデビューをし、2015FWよりSOEのディレクターに就任。2016-2017FWにはSOE WOMENをスタート。