『assiette』デザイナー平塚晶子さんが誘う大人かわいいレースの世界 『assiette』デザイナー平塚晶子さんが誘う大人かわいいレースの世界

『assiette』デザイナー平塚晶子さんが誘う
大人かわいいレースの世界

今春liflattie shipsでは、『assiette(アシェット)』のレースコレクションが続々と入荷! 女性らしさを放ちながらも、決して甘くなり過ぎない、『assiette』ならではの絶妙なバランスは、どのようにして生まれているのか。デザイナーの平塚さんにインタビューをしました。レース好きな方はもちろん、これからレースに挑戦したい方こそ、必読です!

年齢を重ねて気づいたレースの魅力

『assiette』は、これまでシンプルでクリーンなイメージのシャツやパンツの印象がありましたが、今回liflattie shipsにはレースコレクションがたくさん揃いましたね。

平塚さん:そうですね。実は『assiette』は、2003年にスタートしたときメンズブランドだったんです。私自身メンズのアイテムも良く着ますし、テイストを混ぜるのが好きなんです。一枚で完結する服ではなく、様々な組み合わせを楽しんでほしいというのが、私たちが掲げているテーマでもあります。だから、今もメインとなっているのはベーシックなデザインのもの。そのなかで、このレースコレクションを作り始めたのは、半分私の趣味というか(笑)。

なんと! どのようなキッカケで?

平塚さん:インポート商材の買い付けにヨーロッパへ行ったとき、自由時間にアンティークモールをのぞいて見てみたんです。そしたら、古いボタンとかレースがたくさんあって、思わずアンティークレースを買ってしまって。それを煮沸消毒して、シミ取りをして、もう趣味みたいな気分で作ってみたのが始まりです。当時はお客様も少なかったので、買ったレースからパターンを取れる枚数分だけ作って、ご提供していたんですが、少しずつ「いいね」と言っていただける場面が増えていって……。今は、さすがにアンティークレースは数が揃わないので、国産のレースを使っていますが、スタートとしては本当に自分が好きな服を作っていたという感じですね。

もともとレースはお好きだったんですか?

平塚さん:それが全然だったんですよ。むしろ苦手だったというか。子どものころ、母親が買ってきた白い靴下にフリフリのレースがついていたのがイヤで、リブソックスを履き通したくらい! それからレースのものはまったく着ていなかったんですが、逆に年を重ねて反動がきたんですかね? 案外、女っぽいところがあるんだな、って自分でも意外でした(笑)。

『assiette』のレースコレクションは、女性らしくありながら、甘過ぎないところがデイリーに取り入れやすいなと思います。

平塚さん:きっとフラワーモチーフをあまり使っていないからかもしれません。レースってすごくたくさん種類があるんですが、その多くがお花のレースなんです。そうするといわゆるレースが持つ甘い印象が強くなるんだと思います。ときには使うこともあるんですけど、基本的には幾何学模様とか、リーフモチーフとか、クロスステッチのエンブロイダリーとか……どちらかというと、そういう直線的だったり、模様が繰り返されるレースのほうが好きですね。

魅了された天然素材の風合い

『assiette』デザイナー平塚晶子さんが誘う大人かわいいレースの世界

先ほど、国産のレースを使われているとおっしゃいましたが、素材に関するこだわりがあるんですか?

平塚さん:こだわっているというより、結局は綿やシルク、リネンっていう天然素材が単純に好きなんです(笑)。レースって、すごく面白くて、まったく同じ柄のレースでも天然素材と化学繊維の糸では、仕上がりが全く違う印象になるんですよ。例えば、ポリエステルの糸は丈夫だし、お手入れもしやすいんですけど、やっぱり独特の光沢が出るんです。何回か使ったことがあるんですが、やっぱり天然素材が好きだなって、戻ってきちゃいますね。特にお気に入りは綿のハイボビンレースです。見るからに繊細で脆くて、大事に扱わなければっていけない感じが好きなんですよ。

なるほど。縫製も国内の工場で行なっていると聞きました。

平塚さん:はい。すべて国内縫製ですね。新潟、青森、山形…東北エリアが多いです。日本のレースを多く使っているので、産地で縫うのがいいんじゃないかなって思っていて。それに、こんなに細かな作業をしてくれるのが、なかなかないというのもありますね。

『assiette』デザイナー平塚晶子さんが誘う大人かわいいレースの世界
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平塚さん:たとえば、コレを見てください! 9本のレースをファゴティングっていう手法で、刺繍みたいにチクチクチクって縫い繋いでいるんですけど、その糸が細かくて1枚の布みたいに見えませんか? こういうことができる工場さんって、なかなかないんですよ。

断られてしまうことも?

平塚さん:あります、あります! 「こんな面倒なことを……」って。自分でデザインしておいてなんですが、“ややこしいことをお願いしているな”と思うこともあります。でも、レースってこうして布の上に乗せたときと、肌の上に透けさせたときって、見え方が全然違うんですよね。私としては、向こう側から明かりが見えるのが、レースならではの良さだと思っているので、透けさせたいんですけど、そうするとレースの端を拾って縫い上げていくんで、裁縫がどんどん難しくなるんですよね。1枚のブラウスにパターンパーツが20近くあって、それを全部レースではいでくださいみたいな。だから、いつも「どうもすみません……」ってパターンをお渡ししています。

そのデザインは、いつもどのようにして考えているんですか?

平塚さん:普通のアイテムのときと、レースコレクションのときは全く作り方が違いますね。もうレースコレクションに関してはレースありきで進めます。気になったレースはすぐに買ってきて、鏡の前で白い服を着て、こうやって体に当てていきます。“この子は顔周りがいいかな? この子は肩において肌が透けるようにしたいな!”とか。

『assiette』デザイナー平塚晶子さんが誘う大人かわいいレースの世界

本当に、どこに置くかで印象が全然違いますね!

平塚さん:でしょう? だから、デザインを決める前に、レースを先に買ってしまうのは、“無駄遣いしてるな”と思うんですけど、やめられなくて。もうアトリエにいっぱいになっています(笑)。

『assiette』デザイナー平塚晶子さんが誘う大人かわいいレースの世界

ハズす面白さを楽しんでほしい

「レースアイテムは着こなしが難しい」というイメージを持っている方も少なくないと思うんですが、オススメのスタイリングはありますか?

平塚さん:まずは、一番シンプルなのがインナーを、ボトムの色と合わせるコーデです。ブラウンのワイドパンツならブラウンのインナーを、黒のパンツなら黒のインナーを着て、その上にレースのアイテムを持ってくれば、カンタンにまとまります。逆に、デニムパンツにオレンジとか差し色のインナーを合わせて、レースのトップスと合わせるのもオススメです。

インナーの色によって、コーデにバリエーションが生まれますね。

平塚さん:そうですね。私自身も何回もインナーだけ着替えて“この色、なかなか合う!”なんていう発見を楽しんでいます。“レースって透けるから苦手”から、“透けるから面白い”って思ってもらえたらうれしいですね。

全体的にデザインも甘さは控えめになっているので、ボトムも選ばないように思います。

平塚さん:そうなんです。ユーズド感のあるダメージデニムとの相性もいいですし、ワークテイストのものと合わせるのも、オシャレだと思います。やはりブランドのテーマである「一枚で完結する服でなく、組み合わせで広がる意外性を楽しむ」というテーマは、レースコレクションでも変わらないですね。女性らしさの王道とも言えるレースを、どのくらいハズせるか、ぜひ楽しんでほしいと思います。

assiette collection by liflattie ships
item 01

エンブロダリーブラウス 各¥21,000(+tax) / assietteBUY

ヒモでウエスト部分をブラウジングして、メリハリのあるシルエットが作れるブラウス。もともとあるレースの穴を活かす形でヒモを通していくため、1枚1枚丁寧に裁断する必要があり、手間暇かけて作られています。

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item 02

エンブロダリーパンツ 各¥23,000(+tax) / assietteBUY

パンツにレース生地が重なっているデザイン。レースが全体的にアクセントになるのはもちろん、下着が響くのも防いでくれます。エンブロダリーブラウスと合わせてセットアップ風に着こなすこともできます。

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item 03

カットワークブラウス 各¥21,000(+tax) / assietteBUY

バンダナをイメージしたデザインで、カジュアルに着こなせる1枚。ラフなデニムパンツから、フェミニンなロングスカートまで、どんなボトムとも相性が良く、コーデの幅を広げてくれます。

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item 04

クロスステッチブラウス ¥19,000(+tax) / assietteBUY

日本に1台しかないという刺繍機で紡がれたクロスステッチがポイントの軽やかなブラウス。時間をかけてゆっくりと刺繍されることから、糸が引っ張られ過ぎずふっくらと立体感のある仕上がりに。前後で着用可能なので、気分やアクセサリーに合わせて2通りのスタイルが楽しめます。

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item 05

クロスステッチ2WAYワンピース ¥24,000(+tax) / assietteBUY

柔らかなコットンシフォンの生地が心地よく、さらりと着こなせるワンピースです。たっぷりと施されたクロスステッチによって生まれる、生地の繊細な表情に思わずウットリ。前後で着用可能な上に羽織ものとしても楽しめるので、コーデの幅を広げてくれます。

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item 06

ダブルクロススカート ¥18,000(+tax) / assiette

女性の丸みを帯びたシルエットを利用したワンテクニックが楽しいスカート。そのまま履けば裾のサイドが長めに、90度回すと中心にフレアが出てきます。気分に合わせて履き分けることができる、遊び心あふれるアイテムです。

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item 07

シャツワンピース ¥21,000(+tax) / assiette

滑らかなとろみが特徴のコットンテンセルタイプライター素材を使った、ボタンダウンシャツワンピース。コンパクトなつくりの肩回りから、一気にフレアを広げた大胆なデザインは、空気をはらんだ軽やかなシルエットで、暑い夏にぴったりの1枚です。

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item 08

ダブルクロスブラウス ¥15,000(+tax) / assiette

ウエストのカシュクールリボンを巻いたり、リボン結びにしたりと、2通りの着こなしができるノースリーブブラウス。生地を断ち切りにすることでナチュラルなフリンジが生まれ、リラックス感のある1枚に。柔らかく吸水性の良いガーゼ素材がこれからの季節にぴったり。

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