英国を代表するアウターブランドである「LAVENHAM(ラベンハム)」。キルティングナイロンのスポーティーでタフなアウターは、老若男女問わず人気を集めています。SHIPSでは長きに渡って別注を展開。今回は両ブランドの仕掛け人である、渡辺産業株式会社の吉村健太氏とSHIPSバイヤー今村 恭平に、コラボにまつわるアレコレをお聞きします。
ーSHIPSとのコラボレーションはいつ頃始まったのですか。
吉村(以下敬称略)「弊社がラベンハムの取り扱いを始めたのが1993年。2年後にはSHIPSさんとの取引が始まりました。別注が始まったのは1997年くらいですかね。当時は今ほどインラインの形がなかったので、セレクトショップさんがやるのは基本別注が多かったです。」
今村「SHIPSではレディースもやっていたんですよね、素材をモールスキンとかツイードなどわりと英国らしい生地で、メンズは逆に慎重に定番のポリエステルで、着丈を伸ばしたりSHIPSらしいモデルをところどころいじってやっていましたね」
ーSHIPSだけの別注モデル「アシントン」と「ケジントン」について教えてください。
今村「アシントンは、春の定番としてやっている形です。春もラベンハムが着れたらいいよねっていう声のもと作った企画です。ステンカラーコート型で着丈が長いモデル。これまでは春しかやってこなかったんですけど、冬もミドル丈欲しいよねというお客様の意見を汲んで今年は秋冬バージョンも作っています」
吉村「ケジントンは、定番のレイドンというスリムフィットのモデルを、少し長くしたモデルです。4センチほどですが、それをやったのはSHIPSさんが初めてかもしれないですね。ビジネスマン向けに着丈を長くして、ジャケットが裾から出ないように改善しています」
ー今季は国内初と言われるカラー別注が実現したそうですね
吉村「SHIPSさんとは長い付き合いありますので、特別にという形で(笑)」
今村「SHIPSのコーポレートカラーでもあるネイビーで、しかも厳密に色合いも指定して作ってもらいました。名前も『セーラー』と名付けて、マリントラッドを彷彿させるような色合いです」
ーインラインのネイビーよりも明るいんですか?
吉村「インラインのものはもっと濃紺で落ち着いたイメージ。別注品は若々しくてスポーティなイメージですね」
今村「冬に明るい色を着るっていう気分も今年は流れとしてあると思うし、冬は身につけるものもダークトーンになりがちなので、ワンポイントどこかで明るい色を足して欲しいとこちらからの提案もあり、そこが合致したっていう感じですね」
右が別注カラーの「セーラー」。左が定番カラーのネイビー。
ーラベンハムがSHIPSで支持される理由についてはどのようにお考えですか
今村「不思議なんですけど、ラベンハムはリピーターが本当に多いブランドなんですよね。お客様の声を聞くと、このモデルはネイビー、ブラック、そしてウールの生地も持ってるよって方が多くいらっしゃいます。これって他のブランドではそんなに多くみないケースです。オリジナルの良さがまず第一にあり、そして別注を長くやっているからファンもついてきているんだと考えます。ちなみに今年はSHIPSのキッズが30周年で、親子でなんかできる企画がないかなっていうことを、キッズのバイヤーから相談がありまして、親子で着れるラベンハムが登場します。ウィメンズもありますので、パパママ子供で揃える事もできます」
吉村「これも他のセレクトショップではほとんどやらない企画です。実は今年はラベンハムのブランド設立50周年の年に当たります。SHIPSさんのキッズも30周年ということで、何か縁があるんじゃないかと協力させていただきました。ご家族でラベンハムを楽しんでいただければと思います」
ー今季オススメのスタイルはありますか?
吉村「ケジントンはビジネス用に作ったミドル丈のジャケット型アウターで、このウール素材は撥水加工を施しているので普段着るスーツの上にそのまま合わせてもらいたいですね」
ケジントン(ウール) ¥46,000(+tax) / LAVENHAM × SHIPS
今村「このポリエステル素材のケジントンはワントーン色が明るいので、真冬になると色が映えると思います。メインカラーのネイビー、ブラックに加え、今季はイエローと別注カラー『セーラー(ブルー)』もあります。明るい色で遊んでいただいてもいいと思います」
ケジントン(ポリエステル) ¥34,000(+tax) / LAVENHAM × SHIPS
吉村「アシントンをアップデートした今季の新作も見逃せないですね。今季は取り外し可能のフードをつけ、オンもオフも何のためらいも無く着用できる優れた1着になっています。」
アシントン(ポリエステル) ¥43,000(+tax) / LAVENHAM × SHIPS
今村「コーディネートしては今季はミドルゲージのニットが豊作です。今季一押しのアシントンは、ニットにデニムのようなラフなスタイルにガバッと羽織ってもらうと、今季っぽい雰囲気が出るかと思います!」
アシントン(ポリエステル) ¥43,000(+tax) / LAVENHAM × SHIPS
ニット ¥24,000(+tax) / McLauren
パンツ ¥10,900(+tax) / SHIPS
スニーカー ¥12,000(+tax) / springcourt × SHIPS
1969年、ロンドン北東部の小さな美しい村LAVENHAM(ラベンハム)で設立。ナイロン・キルティングのホース・ブランケットで名を馳せ、1972年には多くの乗馬愛好家の要望でジャケットを発表。その名を決定的に印象付けた製品、ダイヤモンド・キルティング・ジャケットが登場する。当初はナイロンが主な素材だったが、のちにポリエステル、ウール、カシミヤ、コットン等、幅広い素材が用いられるようになり、今ではファッションアウターとしての高い人気と、「キルティングジャケットといえばLAVENHAM」という地位を確立している。
渡辺産業株式会社 卸営業部 係長
吉村 健太
2011年にイギリスブランドを多く取り扱う輸入総代理店「渡辺産業」に入社。営業としてLAVENHAM、GLENROYAL、JOSEPH CHEANEYといったブランドの数々の名別注に携わっている。ここ数年PITTI UOMOではDrake'sやJOSEPH CHEANEYのブランドブースにも立っている。
SHIPS MEN'S DRESS バイヤー
今村 恭平
約10年間の販売経験を経て、メンズドレスバイヤー着任。LAVENHAMをはじめとする別注企画をいくつも抱えている。販売員時代も今も大切にしている事は、お客様を飽きさせない事。