ビジネスマンにとってのスーツ、ジャケットパンツスタイルは自分を表現する上で大切な身だしなみのひとつ。相手にどう見られたいか、またどう見られているのかの意識や、時と場面によってはルールやマナーが問われるようになります。つまり着こなしにこそ、その人の性格や気持ち、ひいては相手への敬意や気遣いが現れてくるのです。そんな大人のビジネスマンのために、着こなし術ならぬ、“気”こなし術と題し、相手に好印象を与えるアイテム使いや着用方法を伝授。今回は秋のトレンドを意識し、スーツとジャケットの着こなしやテクニックをご紹介します。
秋を本格的に迎えるこの時期、いかにして夏の気分からシフトチェンジするか。まずはネクタイの素材に着目します。ソリッドやストライプ、小紋柄など種々ありますが、選びたいのはシンプルでソリッドなウール素材です。ウールならではの起毛感や暖かみは、Vゾーンの印象を柔和で優しい印象へと導きます。ここで注意したいのは、ジャケットの生地とのバランス。シルクを混紡したような光沢のある生地には、素材感がちぐはぐな印象に。ジャケットも、やや起毛感のあるウール生地で揃えるのがオススメです。
ビジネスで着用するジャケットの多くはネイビーのものが多いかと思います。今回ご紹介するコーデュロイトラウザーズは、カジュアルな素材ながら、生地に光沢があり上品に見えるので、ビジネスジャケットにもすんなりとマッチするアイテムです。一見カジュアルな印象のコーデュロイですが、細畝のものを選べば、悪目立ちすることもありません。また今回ピックアップしたものは、ストレッチ素材で動きやすいのも特徴です。いつものウールスラックスから素材を変えるだけで、親しみやすさも加わり、なおかつコーディネートの楽しみも広がります。
秋のジャケットインナーの定番、タートルネックセーター。出番が多くていつも同じに見えてしまうというマンネリのお悩みをお持ちの方にオススメなのが、シルクスカーフを足す手法。英国的なクラシカルムードがトレンドとなっている昨今、ヴィンテージテイストのシルクスカーフも数多く登場しています。取り入れ方は極々簡単で、首にひと巻きし、結び目は中にたくしこむだけで手軽に洒落た雰囲気に。首元からさり気なく覗く程度が、主張しすぎず大人な着こなしに繋がります。
スカーフ各 ¥12,000(+tax) / Calabrese
スカーフ ¥12,000(+tax) / Calabrese
ジャケット ¥118,000(+tax) / Valditaro per SHIPS
セーター ¥31,000(+tax) / JOHN SMEDLEY
フォーマルなシーンではチーフを差す方も多いかと思いますが、ビジネスではちょっと面倒だと感じている方も多いかと。しかしやはり、あるのとないのではパッと見の印象が全然違います。相手にそこはかとなくインパクトを与える上でもチーフは重要なアイテムです。基本的には、フォーマルにも使える白のリネンチーフをTVフォールド(スクエアに折り畳んだ形)で入れると正統派な印象にまとまります。また、ネクタイを外した着こなしでは、柄物のチーフをアクセントにすることで、見栄えがグッと良くなります。
アメリカ発祥のトラディショナルなシューズのひとつであるタッセルローファーは、ドレススタイルからカジュアルなスタイルまで、幅広くコーディネートできることが特徴です。トラッドが流行中の今季は特にオススメしたいアイテムです。様々なブランドからリリースされており、素材や色のバリエーションも多く、デザインも趣向を凝らしたものが揃います。ニットやコートなど、重厚なアイテムとも好相性なので、秋に手に入れておけば、次の春先まで、長い期間楽しめます。
左から
タッセルローファー ¥23,000(+tax) / SHIPS
タッセルローファー ¥23,000(+tax) / SHIPS
タッセルローファー ¥79,000(+tax) / CROCKETT & JONES