秋冬の主役と言っても過言ではないアウターアイテム。重厚で存在感抜群なデザインだったり、シンプルでかっこいい仕立てになっていたりと、その種類はさまざまですが「ついついその中のスタイリングは力を抜きがち……」なんて人も、少なくないはず。そこで今回は、雑誌やTVなど、ファッション業界の最前線で活躍されているスタイリスト・蛭井さんによる“アウターを脱いでも様になる実践コーデ”をご指南してもらいました! ダッフル、チェスター、モッズコートの代表的な3大アウターを使って、女性が持つ悩みや疑問を解消してくれるコーディネイトの決定版をご紹介します。
アウターを脱いだときに必要なのは、
きちんと感と体温調整できること
??普段はどんなことに気をつけてスタイリングされますか?
「普段からスタイリングは、シックで落ち着いていながらも女性らしさをきちんと醸し出せるよう意識しています。雑誌やテレビのお仕事でもそうですが、働く女性や、恋にプライベートにと充実した女性像を求められることが多いので、トレンドをふまえながらも品よくまとめることが大切だと思います。あとはちゃんと体温調整ができること。ざっくりニットが流行っていますが、あれ一枚だとなかなか熱過ぎたり、かといって脱ぐには寒かったり。“おしゃれは我慢!”なんて言いますが、行き先や移動する時のことも考えながら、賢く実用性のあるスタイリングを心がけています」
??ダッフル、チェスター、モッズコートの3アイテムは実際、スタイリングなどで使うことはありますか?
「そうですね、どれももう定番中の定番と言うか。媒体問わず、このアウターを使ったスタイリングは多くなりますね。個人的にもこの3つがあれば、秋冬コーデはまず困らないと思います。ベーシックなデザインなので、中に着るアイテムを気分によってと変えれば、数年は着回せるし重宝する。私自身も数年前に購入したSHIPSのモッズコートを持っていて。メンズのもので、生地感がとても気に入って購入したんです。ミリタリームーブメントに触発されたのか、今年の冬は久しぶりに活躍しそうな予感がしています(笑)」
??そんな蛭井さんによる、着こなし術を要チェック!
「ダッフルコートで気をつけたいのは、子供っぽくならないようにまとめること。」ということで、女性らしさを加速させるタイトスカートを合わせたスタイリング。ノーブルなイメージが強いネイビーをキーカラーに、今年流行のキャメルやアクセントになるボルドーを投入することでレディライクに仕上げた。
「チャコールグレーのショートブーツに、同色のタイツを合わせることで視覚的スタイルアップを狙います」
「大人っぽい印象になるよう、お洋服はキャメルやネイビー、グレーで構築しました。でも脱いだ時のことも考慮して、バッグには華やかだけど深みのあるボルドーのショルダーバッグをオン!」
コート ¥34,000(+tax)/SHIPSMORE','
ニット ¥13,000(+tax)/SHIPSMORE','
シャツ ¥14,000(+tax)/SHIPS','
スカート ¥63,000(+tax)/MAISON FLANEUR','
タイツ ¥3,500(+tax)/BLEU FORETMORE','
ブーツ ¥37,000(+tax)/FABIO RUSCONIMORE','
バッグ ¥22,000(+tax)/Carol J.MORE','
バングル ¥16,000(+tax)/arron
蛭井さんが「これ、リアルに欲しい!」というチェスターコートを使ったスタイリング。細身ですっきりとしたシルエットを活かすため、中には薄くフラットなニット&カーディガンをセレクトした。ワイドパンツを合わせて縦長なシルエットを創出。オフィスはもちろん、デートやショッピングなど、アフターファイブまで充実させてくれるスタイリングに。
「薄手のカーディガンを一枚取り入れることでアウターを脱いだときでも、手抜きしたイメージを払拭。体温調整も出来るうえ、ホワイト×ブラックのバイカラーもアクセントになります」
「服装が落ち着いている分、小物にはややパンチのあるレザーやアニマル柄をセレクトしてポイントメイクしました」
コート ¥52,000(+tax)/SHIPSMORE','
ニットカーディガン ¥19,000(+tax)/SHIPSMORE','
ニット ¥9,500(+tax)/SHIPSMORE','
パンツ ¥22,000(+tax)/SHIPSMORE','
パンプス ¥40,000(+tax)/PELLICO × SHIPS','
ストール ¥27,000(+tax)/BOTTO GIUDEPPEMORE','
バッグ ¥24,000 (+tax)/Carol J.','
グローブ ¥17,000(+tax)/DEMI CLUBMORE','
バングル ¥51,000(+tax)/DANNIJO','
リング ¥18,000(+tax)/DANNIJO
「ミリタリームーブメントのせいか、最近、気になるアイテムがモッズコート」と語る蛭井さん。カジュアルなイメージが強いモッズコートには、トレンドキーワードに欠かせないボヘミアンテイストを効かせてコンセプチュアルに着こなすのが正攻法。中に着たニットワンピースは、ミニ丈になると一気にギャルっぽさが強くなってしまうところを、あえて膝丈にすることで今っぽく洗練された着こなしへとシフトした。「ニットワンピースってだけで、男性ウケも上々だと思います」
「ネイティブなデザインのビーズアクセサリーは、どんな服装でもボヘミアンテイストに落とし込んでくれるので使えます」
「スモーキーで重厚なブーツを持ってくることで甘さを抑えました。あえて無骨さをプラスすることで女性らしさを引き立たせます」
コート ¥33,000(+tax)/SHIPSMORE','
ニットワンピース ¥18,000(+tax)/SHIPSMORE','
ソックス ¥3,500(+tax)/Lisa B.MORE','
ブーツ ¥25,000(+tax)/noberto castaMORE','
ハット ¥8,000(+tax)/grriloMORE','
バッグ ¥45,000(+tax)/B-LOW THE BELT','
ピアス ¥17,000(+tax)/FIONA PAXTON','
ブレスレット ¥15,000(+tax)/FIONA PAXTONMORE
スタイリスト 蛭井千夏
2015年に独立後、ファッション誌『AneCan』を中心に雑誌、広告、TVなどで活躍中。5年間のアパレル販売員経験で培った実用性を兼ね備えた、キレのあるスタイリングに定評がある。instagram:hiruichika