生地や着丈、デザインで差をつける!  定番コートの着こなし術 生地や着丈、デザインで差をつける!  定番コートの着こなし術

生地や着丈、デザインで差をつける!
定番コートの着こなし術

今年も天然素材を基本にしたクラシックなコートは活況のようだ。とはいえ、定番のコートをただ羽織るだけでは、冬のお洒落を楽しんだことにはならない。それどころか凡庸なスタイルにもなりかねない。実はコートを羽織るときこそ、装いには注意が必要なのだ。今回はそのコートで差をつけるべく、定番ごとに今年ならではの着こなしのポイントをお伝えする。ちょっとした工夫で、コートの装いは何倍もお洒落に見えるのだ。

程よくドレス感があって、ビジネススーツにもカジュアルスタイルにも難なく合わせられるチェスターフィールドコート。モダンなデザインをさらに1ランクお洒落に見せるには、素材感で変化をつけるのがポイントだ。同じ天然素材でもより表情があるものをチョイスすれば、こなれ感がプラスできる。
こちらのLARDINIのチェスターフィールドコートは、2年ほど前から増えてきている毛足がループ状になったウール、すなわちブークレ仕様。それにより立体感が生まれるとともに、フェミニンな匂いが漂う。タイドアップしたジャケットの上に羽織ってもソフトな印象が加えられるという利点がある。

コート ¥116,000(+tax)/LARDINI

いわゆるブークレ素材にネップツイードを合わせたようなPALTOのチェスターフィールドコート。ふっくらとしていてかつ温かみがあるこちらのような素材感も近年増えてきている。純粋なブークレよりもクラシックかつ落ち着いた印象を与えることができるため、ビジネスシーンでも活用しやすい。

コート ¥85,000(+tax)/PALTO

ブークレ×ネップツイードといった表情の豊かな素材は、それを活かすべくスーツは主張の少ないベーシックなものを選ぶのがベターだ。ゆえにネイビーがベースのストライプ柄などでシックにまとめるのが好ましい。

コート ¥85,000(+tax)/PALTO
スーツ ¥90,000(+tax)/SHIPS
シャツ ¥26,000(+tax)/Errico Formicola
ネクタイ ¥14,000(+tax)/BREUERMORE
シューズ ¥111,000(+tax)/CROCKETT & JONES for SHIPS

チェスターフィールドコートやトレンチコートなどよりも絶対数が少なく、それだけで存在感がアピールできるのがポロコートだ。そもそもポロ競技を観戦する際に英国紳士が着ていたもので、チェスターフィールドコートをダブルブレストにしたような意匠が特徴だ。加えて一般的にウエストにはベルトが付いている。
こちらはイタリアのファクトリーブランドらしい光沢のあるメルトンで仕上げたポロコート。見た目にもしっとりとした素材感は、ラグジュアリーな印象と大人の余裕を感じさせる。それゆえ威厳を感じるダブルブレストが際立って見える。後ろから見るとウエストがシェイプしてより上品さが漂う。

コート ¥140,000(+tax)/Valditaro

チェスターフィールドコートよりもダブルブレストを生かして華やかさをアピールすべく、薄青やホワイトといったクリーンかつ明るい色味を取り入れるのがベター。Vゾーンも柄で彩ることで、よりダブルブレストの存在感がアピールできる。

コート ¥140,000(+tax)/Valditaro
ジャケット ¥86,000(+tax)/TAGLIATORE
シャツ ¥35,000(+tax)/Salvatore Piccolo
ネクタイ ¥16,000(+tax)/stefanobigiMORE
パンツ ¥36,000(+tax)/INCOTEX
シューズ ¥35,000(+tax)/SHIPSMORE

コンパクトな襟がついた比翼仕立てのベーシックなコートがステンカラーコートだ。コートの代名詞であり、どんなスタイルにもマッチするベーシック顔ゆえ差をつけるのは難しいが、昨今ではレディスから飛び火したオーバーサイズをさらりと着ることがキーワードになっている。
こちらはオーバーサイズで着やすいラグランスリーブのゆったりめシルエット。さらに千鳥格子のクラシックな表情も味わい深いが、着丈はコンパクトに設定されているため、さらりと羽織っても野暮ったく見えない。インナーダウンなどを合わせたカジュアルな着こなしにも取り入れやすい。

コート ¥95,000(+tax)/TAGLIATORE

味のある千鳥格子柄を生かして、足元には同系色でこなれ感のあるスエードシューズをチョイス。トップスが大きめサイズでもパンツは美脚でほっそりというのが今のセオリーだ。そうすることでコートのシルエットも美しく見える。

コート ¥95,000(+tax)/TAGLIATORE
ジャケット ¥100,000(+tax)/Valditaro
シャツ ¥26,000(+tax)/Errico Formicola
パンツ ¥38,000(+tax)/INCOTEXMORE
シューズ ¥35,000(+tax)/SHIPS

ピーコートは、イギリス海軍が船の上で着ていたミリタリーウェアであり、若い世代には最もポピュラーなコートの一つでもある。着こなしで差をつけるポイントは、ずばり長めの着丈を選ぶこと。ジャケットが裾から出ないということを目安にして、子供っぽく見えない着こなしを目指したい。
スーツの上から羽織ってもすっぽりとジャケットが隠れるこちらのピーコートは、キメの細かいメルトン地仕様。まるでシルク混のような光沢があるため羽織るだけで上品さが漂う。まさにビジネスで着るには理想的な素材感だ。それゆえフロントを全開にしても野暮ったく見えることはない。

コート ¥65,000(+tax)/CARRARO for SHIPSMORE

ピーコートも着丈を長めにして、上品な素材感を選べばダブルブレストのポロコートのように大人の着こなしが楽しめる。より落ち着いた雰囲気をアピールするなら、やはりスーツとシャツはネイビーベースが鉄則となる。

コート ¥65,000(+tax)/CARRARO for SHIPS
スーツ ¥74,000(+tax)/SHIPS
シャツ ¥20,000(+tax)/GUY ROVER
ネクタイ ¥16,000(+tax)/stefanobigiMORE
シューズ ¥35,000(+tax)/SHIPSMORE